先日公開しました「共有禁止愛」でのっぴきならない事情のシリーンから求められて応じたライザールさまでしたが彼女への想いは日増しに募るばかり。一人悶々とするライザールさまの気持ちを知ってか知らずかシリーンもまたこの間のことが気の迷いではなかったのかと不安になり・・・・という前提のおかわりドキドキ妄想です

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あの夜の衝撃はまだシリーンの中に鮮明に残っていた。

 

ジェミルを拒みライザールを望んだことに後悔はなかった。

せめて自分の気持ちには正直でありたいと望んだ結果だった。

 

ライザールは応えてはくれたが今となってはやはり彼の気持ちはわからない。

 

彼の気持ちを慮れるほどの余裕があの時の私にあったわけではなかったから。

 

ただ彼の与えてくれる甘美な熱に酔いしれ夢中になり過ぎ去った一夜だった。

 

翌日過ちではなかったと互いの気持ちは確認したはずだったが、それでも不安になるのはあれ以降ライザールが触れてくれなくなったからだ。

 

あの夜が初体験だったとはいえ初心だとは言い切れない経験をしてきたシリーンにとって好意はなくても男性がことに及べることは承知していた。

 

酸いも甘いもかみ分けた大人で王であるライザールほどの人であってもそれは変わらないはずだった。

 

それなのに気づけば彼を目で追い期待してしまっている自分がいた。

 

応えてくれないことに理不尽な怒りも感じてしまい寂しくてならなかった。

 

いつからそんな甘ちゃんになったのだろうと情けない気持ちにもなったが、それはひとえに彼に恋をしてしまったからだ。もはや誘惑などできそうになかった。

 

彼の眼差し、彼の声、彼の熱、彼の吐息を感じただけで鼓動が高鳴り満たされてしまう。羞恥に身を震わせ逃げ出したい衝動を思いとどまらせるだけの誘因力が彼にはあった。

 

シリーンは彼の身体だけではなく心を欲していた。それなのにライザールはというと朝は早くから会議に明け暮れ夜中にならないと戻ってこないすれ違いが生じていたのだ。

 

避けられているのだろうかと思えばいたたまれず彼を問いただす勇気もなかった。

 

こんな気持ちは初めてで誰かに相談したくても王宮にそこまで心を打ち明けられる相手などおらず唯一身内と言っても過言ではないジェミルには到底相談できない事柄でもあった。

 

なぜならあの夜彼を手ひどく傷つけてしまったからだ。だが心配を余所に拒絶されたジェミルはというと何事もなかったかのように振る舞いシリーンの謝罪も受け入れなかった。

 

これまで築き上げた関係を壊したくないというシリーンの願いには同意してくれたジェミルにシリーンは感謝していた。

 

それでもやはり諦めて身を引いたジェミルに相談できるものではなかった。

 

そんな不安を抱えながら中庭を散策していたシリーンだったが、ふと視線を感じて顔をあげた視線の先に水タバコ商人と話し込むジェミルの姿を発見した。

 

ジェミルの姿を見たのも久々だったことに今更ながら気づき、家族同然と言いながら薄情で自分勝手なわが身を反省しているとちょうど話が終わったのか合図を寄越したジェミルがこちらへとぶらぶらとやってきた。その顔はいつものごとく感情の読めない顔だったことにホッとする。

 

あの後どんな合意があったかは知らないがライザールとジェミルはなんらかの協定を結んだようだった。

 

とりあえず処断を免れたことに安堵しながらも恋敵の二人の間のやりとりが気になりながらもいつもかわされてしまい確かめることはできないままだった。