鬼灯と俺下を勝手に脳内コラボしたら予想以上に、重い話になってしまった汗



重い設定でコメディって難しいんだなあと改めて思いました。

で、この作品に出てくる架空の登場人物、団体、名称などはさらに私の妄想設定追加でお送りします。



『これから貴方に生前の彼のしでかした罪悪の全てをこの浄玻璃の鏡で見てもらいます。彼を許すと言うのならばそのくらいの重しは背負ってしかるべきです。いかがですか?貴方にその覚悟がありますか?清水さん』



ビックリマーク



正直なところ鬼灯の言葉は文字通り新に重く圧し掛かったが、一拍後新は目を逸らすことなく頷きかえした。



けして長いとは言えない壱哉の人生のほんの一部に過ぎなかったが、予想以上の罪の数々に目をそむけたくなる弱気な心を叱咤しながら鬼灯の与えた条件をクリアした新に、鬼灯は告げた。



『貴方も知る通り地獄は慢性的な人材不足です。先日衆合地獄の責任者から申請があり、閻魔大王共々協議したところ新たな部署を特設することにしました。その名も『衆道地獄』!!』



汗



『衆道・・・って。一部の歴女が黄色い声を上げる信長と蘭丸とか信玄と弾正とかっていう・・・アレですよね?』



『おや、詳しいですね』



『あ・・・年の離れた妹がそういうの好きだったんで・・・汗※私の創作です



『なるほど。それはともかく衆合地獄の管轄になりますが、女性獄卒よりその道のプロに託してはどうかと提案があったこともあり人選したところ黒崎壱哉さんに白羽の矢が立ったということです』



汗



そこまで鬼灯に見込まれた経験値を持つ壱哉に対し、恋人だった新としては複雑な想いも過ったが、これが壱哉にとって千載一遇の更生のチャンスであるということを即座に理解した新は勢い込んで尋ねた。



『それは黒崎さんが減刑されるということですよね?』



すると案の定、鬼灯は心外だとばかりの憂鬱そうなため息を漏らすと口を開いた。



『まあ・・・そうです。本来なら云千年と科せられた罪を減刑するわけですから、失敗は即時地獄へ逆戻りになります。初めの三か月は試用期間、その後契約社員という形になりますが・・・それは全て彼次第です。もし万が一業務を著しく逸脱したり地獄を私物化するようなことがあれば即クビです。地獄は広い他にも人材がいないわけではありませんからね。とはいえ、貴方という恋人を持ち悪の誘惑をも断ち切った彼の精神力にかけてみたい思いもある。だからこそ、彼がブレないように貴方に監視を頼みたいのです。引き受けてもらえますか?清水さん』



ビックリマーク



それは願ってもないことだった。新が返事をしようとした時のことだった。青ざめた獄卒が慌てた様子で広間へと駆け込んできたのだ。



『閻魔大王!!鬼灯様~!!た、大変です!!衆合地獄から例の亡者が脱獄しました!!悪霊化していて手が付けられません!!』



――俺を一人にしないって約束したじゃないか!!・・・・どこだ!?



それは孤独な亡者の感情の暴走がもたらした悪霊化だった。



『やれやれ・・・先に彼の方が痺れを切らしたようですね。まったく亡者に逃げられるとは失態も甚だしいですね』



恐縮する獄卒を叱責する鬼灯に獄卒は報告を続けた。



『申し訳ありません!!アイツここ数日様子がおかしかったんです。どうもいなくなった恋人を探してるみたいで・・呵責しようとした同僚をなぎ倒して無彼岸受苦処の方に逃げ込んでしまったんですっ』



――もしかして!?



鬼灯と獄卒のやりとりを聞いていた新の脳裏に浮かんだのは、穏やかな顔をした壱哉の笑顔だった。



しかし無情な鬼灯の言葉はその笑顔を掻き消し新の心に絶望をもたらすものだった。



『どうやら貴方の出番のようでうね、清水さん』



ビックリマーク



『悪霊化した亡者って・・・黒崎さん!?』



『そうです。本来ならさらに罪状が増えるだけですが、計画が動き出している現在その程度でこちらも諦める気は毛頭ありません。だから貴方にも協力してもらいますよ、清水さん』



ビックリマーク



『はい、俺にできることならなんでもやらせてくださいっ』



そして新は一芝居を打ち、改心した壱哉は鬼灯の提案を受け入れたのであった。