鬼灯と俺下を勝手に脳内コラボしたら予想以上に、重い話になってしまった汗



重い設定でコメディって難しいんだなあと改めて思いました。

で、この作品に出てくる架空の登場人物、団体、名称などはさらに私の妄想設定追加でお送りします。





現在



『はあ。まあ今回は貴方の顔を立て良しとしましょう、ですがくれぐれも彼が脱線しないように責任もって務めを果たしてくださいよ?清水さん』



神妙な面持ちの新に釘を差し、身についた習慣のまま懐中時計を見下ろした鬼灯の目線の先、懐中時計のフタにしがみついた謎の生物が目に入った。どうやら懐に忍ばせた常備菓子の甘い香に釣られたらしい。貪欲な眼差しを鬼灯の懐中へと向けていた。



ビックリマーク



その小さな生き物は吹っ飛ばされた壱哉の様子を伺う新とよく似た面差しではあったが、髪の間から小さな動物耳が覗きさらに尻には体にそぐわないほど大きな縞模様の尻尾が生えていた。



――豆ダヌキ?



はてなマーク



すると鬼灯の視線を感じたのか顔を上げたその小さな生き物とばっちりと目があった。



『・・・・たぬ?』



つぶらな瞳で鬼灯を見上げたまま、緩く尻尾を振っている小さな生き物に密かに萌えた鬼灯は真顔のまま懐から取り出した金平糖を与えてみた。



『・・・たぬドキドキ








するとその小さな生き物は待ちかねていたのか嬉しそうに金平糖を小さな口で猛然と頬張った。その愛らしい姿を真顔で愛でていた鬼灯は知る由もなかったが地獄の沙汰に抗い現世に執着する壱哉に向かい新が『ぽんぽこぴ~』と呪文を発した時、別次元から召喚されたのだった。





金平糖を食べ終わりすっかりご機嫌のまま鬼灯の掌の上で寛ぐ小さな生き物に鬼灯は小さな声で忠告してやった。



『ここは貴方にとって危険です。獄卒ウサギの芥子さんの前には出現しないほうがいいです。あの方、タヌキ見ると逆上してしまうので』



はてなマーク



『たぬっ!』



わかったとばかりに頷く小さな生き物にもう一つ金平糖を与えていると、地獄耳の閻魔大王が聞きつけたのか大仰な身振り手振りを加えながら口を挟んだ。



『だから~~鬼灯君!!ここでタヌキって言っちゃダメっ~あせる



『おっとご自分で言っちゃいましたね・・私は知りませんよ?』



『へ?』



ドガッドンッ



ヒデブッ



鬼灯が身を引いた途端、呆けた閻魔大王の頭目がけ櫂がクリーンヒットした。鬼灯へと報告に来た芥子が背後にいたことを知らなかったのが運のつきだった。



むかっなんでワシばかり・・鬼灯君だって『タヌキ』って言ったのに…ズルいあせる・・・フガッ』



むかっお婆さんを殺した悪党が!!』



『いや、殺したのワシじゃなくて『タヌキ』だからッあせる



むかっおのれ狸!!』



『君いま、鬼灯君と目あったでしょ!?なんでワシだけなのッ!?』



殺気だった鬼灯の目力は、怒り心頭中の芥子の野生の本能を直撃し身の危険を感じさせるものだった。すっと鬼灯から目を逸らした芥子は止めの一撃を閻魔大王のボテッとした腹にめり込ませ巨体を吹っ飛ばしたのだった。



『いいんじゃないですか、ウサギ式地獄ダイエット・・・冷や汗かけば少しは痩せますよ』



もちろん、芥子と時間を取り決め約束をしていた鬼灯は知っていたし、閻魔の巨漢に隠れた芥子の存在にも気づいていたのだが・・・それは鬼灯だけの秘密だった。芥子は芥子で、まだ命が惜しいらしく決して鬼灯には襲撃は加えまいと肝に銘じていたのでたまたま視界に入った閻魔大王がとばっちりを受けることとなった。





一方、鬼灯の金棒をくらい柱へとめり込んでしまった壱哉は手を貸してくれた新の腰へと悪戯な手を伸ばしながら久しぶりの抱き心地に安堵のため息をもらしていた。



(・・・・・ああ、新の感触だ・・・ん・・・?なんだか尻に違和感が・・・)



手に馴染んだ小ぶりの尻を包み込む掌にフサフサした感触のものが触れた気がした。



はてなマーク



薄眼を開けた壱哉の目線の先、薄闇に光り輝く全ての真実を映し出す浄玻璃の鏡が新の肩越しに見えた。裁判の時、しらばっくれ罪を認めない亡者の悪行を映し出す鏡であることを漠然と思いだしながら、鏡を注視する壱哉の前に新の真実が映し出されたのである。



!?



『な・・・・っ』



鏡にはひしと抱き合う自分たちの姿が浮かんでいた。こうして再会を果たした新は、出会ったころの姿のままだったが、生前新は長生きをして大往生したから本来なら年老いた姿が写りこんでもおかしくなかった。



阿鼻地獄から叫喚地獄に移された後は盂蘭盆で地獄の窯が開くたび、毎年必ず壱哉は帰省しては新の傍で過ごした。


仏壇に供えられた瑞々しい果物や生前愛飲していた銘柄の酒、美しく花開いた薔薇が地獄の責め苦に疲弊した壱哉を癒し、そして壱哉を偲ぶために集まった友人たちに新は料理を振る舞い一時の休暇を過ごしたのである。



戻るたび新は少しずつ年老いて行ったが、壱哉はひたすら傍にいて見守ったから例え老いた姿であっても構わなかった。



しかし鏡に映った姿は壱哉をも仰天させるものだったのである。