鬼灯と俺下を勝手に脳内コラボしたら予想以上に、重い話になってしまった汗


重い設定でコメディって難しいんだなあと改めて思いました。

で、この作品に出てくる架空の登場人物、団体、名称などはさらに私の妄想設定追加でお送りします。



一方、視察を終え閻魔庁に戻った鬼灯が報告に出向くと、閻魔大王は供物のまんじゅう片手に浄玻璃の鏡を見ながら茶をすすっていた。



『あ、おかえり~鬼灯くん。なんかあの新って子の人生見てたら焙じ茶飲みたくなっちゃってさあ、まんじゅうにもよくあうし』



むかっ



『・・・・・・またやりますか、地獄式ダイエット』



汗



『もう勘弁してよあせる意地悪だなあ』



甘いものに目がないせいで最近メタボぎみの閻魔大王を一睨みした鬼灯が視線を転じると浄玻璃の鏡には中学時代の壱哉の姿が写りこんでいた。土砂降りの雨の中、懐に包み込んだ拾った仔犬を抱きしめたままとぼとぼと彷徨う頼りない風情の壱哉の姿に、閻魔大王はしみじみとした口調で言った。



『あの壱哉って子にもこんな時代があったんだねえ』



『・・・あの犬は・・サンダーですね。黒崎壱哉に拾われた後、友人の樋口崇文が引き取り育て幸せな一生を経て大往生したので今は天国の方でのんびりしているようですね。不喜処のスタッフとしてスカウトできなかったのは少し残念ですがしかたありません』



『そうそう、主人だった子は天国の方で新種の薔薇の栽培してるんだっけ。でもエライよねえ、拾ってくれた恩を返したいからってさ、ご主人ともどもあの壱哉って子の減刑嘆願に来るんだからさあ』



黒崎壱哉の生涯の友であった樋口崇文もまた、壱哉の死後絶えることなく供養したうちの一人だった。



『そういやあ・・もう一人の友人だった親子は結局どうなったんだっけ?・・確か息子の方が病弱だったんだよねえ』



閻魔大王が指すのが件の親子だと瞬時に察した鬼灯だったが、説明が面倒だったので憮然とした面持ちでそっけなく言った。



『詳しく知りたいならご自分で浄玻璃の鏡を使えばいいでしょう』



前時代的な浄玻璃の鏡に手間取るのが余程嫌だったのか、閻魔大王はいつものごとく食い下がった。



『いいじゃないかあ・・ね、ね、鬼灯君!』



駄々っ子のようにせがむ上司に辟易しながらも、忍耐強い鬼灯はため息一つで不満を飲み込むと、閻魔大王の要望に応えてやることにした。



『しかたありませんね。今日だけ特別ですよ』



嬉しそうに頷く閻魔大王から浄玻璃の鏡へと視線をくれた鬼灯は慣れた手つきでリモコンを繰ると、『山口親子』の一生を映し出した。



『・・・ご存知の通り、息子の一也さんは重い病気のため一時危篤になったわけですがその際、賽の河原へと現れました・・



幽体離脱を果たし賽の河原へと誘われた一也はいち早く我が身の変化に気づくこととなった。病院にいたはずなのにいつの間にか周囲は見たこともない不思議な場所へと変わっていたのだ。



そこには一也より少し年上の少年少女がいて、ジェ×ガで遊んでいた。仲間に入りたいと思いながら離れたところから見守っていたが、ついに我慢できずに子供らに声をかけたのだ。



『ねえ、僕もやっていい?』



『お前新入りか?よく来たな』



黙々とジェ×ガを積んでいた子らは一也に気づくと、互いに顔を見合わせ頷いた。



『こうやって積むんだ。・・ジェ×ガやったことある?』



初めてみる遊びだったが、ルールは簡単だったので見よう見まねですぐにコツをつかめたのだが、背の低い一也にはなかなか骨の折れる作業だった。



手際よく慣れた手つきでジェ×ガを積む者、飽きたのか足を投げ出し休む者、子らの態度は様々であったが、皆一様に白装束姿だったのがひっかかった。



しかしここに来てからというもの、まったく苦しくないことが一也には嬉しくてならなかった。体が弱かったせいで友達と遊ぶことも少なかったから久々に楽しい時間を過ごす一也の脳裏からいつしか自分のことを案じてくれる優しい父のことが消えていた。



『・・ところでみんなはどうしてここに?・・遠足?』



河原でジェ×ガ積をする子供だけのグループを少しだけ不思議に感じながら尋ねると、子供らは互いに顔を見合わせたが中の一人がぼそりと呟いた。



『・・・決まってんだろ?俺達のツミは『親不孝』だからさ』



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まだ幼かったが一也にも薄々だが彼らの言う『ツミ』が『罪』を指しているのだということがわかった。だがなぜ『親不孝』なのかが理解できなかった。



『・・・・お前親は?』



だからそう聞かれた時、楽しさにかまけつい忘れていた父の顔がふと浮かび、罪悪感を覚えた一也は『ツミ』の意味が少しだけわかったような気がしたのだ。



(・・・お父さん、今頃なにしてるかな?)



応えない一也の心情を察したかのように、少年が言った。



『俺の父ちゃんはフツーのサラリーマンで母ちゃんは弁当屋でパートやっててさ母ちゃんの作るコロッケ美味いんだ~』



どこか懐かしそうに語る少年の目尻は少し潤んでいた。



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『そっか。・・・僕のお母さんは僕が小さいころに死んじゃったんだ。だから覚えてないんだ』



今でも充分小さい一也の言い分に少年はぽかんと口を開いたまま固まってしまったので、すぐ隣りで聞き耳を立てていた少年が口を開いた。



『お前子供のくせに苦労してんだな~。あ、でもうまくここを抜け出せたら母ちゃんに会えんじゃない?』



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「どういう意味」だとしかし問いただすことはできなかった。話しかけてきた少年を背後から身を乗り出した少年が小突いたからだ。