鬼灯と俺下を勝手に脳内コラボしたら予想以上に、重い話になってしまった汗



重い設定でコメディって難しいんだなあと改めて思いました。

で、この作品に出てくる架空の登場人物、団体、名称などはさらに私の妄想設定追加でお送りします。



ビックリマーク

『バカ!声デカイんだよ!!脱獄がバレたらハチカンジゴクでナマハゲと鬼ごっこの刑にされるぞ!!』



(・・・なまはげ・・・ってなんだろ?)



鬼ごっこは楽しそうだと思いながら、一也は今更ながら気になったことを尋ねることにした。実のところ父に心配かけている『親不幸』な自分のことを話したくなかったから話題を変えたかったのだ。



『・・・ねえここには大人はいないの?』



実はこの時一也は自分は夢を見ているのだと思い込んでいたのだ。だから子供しかいない御伽の国に迷い込んだのだと。


だから何気なく尋ねたのだが、隣でジェ×ガを積んでいた少年は途端に顔を顰めると不満顔でぼやいた。



『いるいる。やっかいなのがさ~。おっかない金棒担いだオッサンたちさ・・・せめてキレイなお姉ちゃんだったら良かったのにな~シューゴージゴクにはチチがデカくてキレイなお姉ちゃんがいっぱいいるんだって~くそ~~オトナになりて~~!!』



はてなマーク



『・・・カナボウ?』



なんとなくゲームに登場するようなラスボスを想像して困惑する一也の背後から突然、話に出たばかりの金棒がニュッと突き出したかと思うと、せっかく積み上げたジェ×ガを直撃し突き崩した。



!?



『・・・・誰がオッサンですか?相変わらず口の減らないガキですね』



むかっなにすんだよ!!俺らから見たらオッサンじゃんか』



『出た~エンマの犬』



『木工ボンドがダメならせめてレ×ブロックよこせよっ!!』



むかったとえレンガを積み上げても吹き飛ばしてさしあげますよ』



むかっ三匹のブタかよッ』



どんなに完璧に積み上げても崩されてはやり直すことに我慢の限界だったから不穏なオーラを漂わせた鬼灯の登場に、子らは一斉に騒ぎ始めた。泣く子も黙るというのはもはや昔の話だった。生意気な子供たちの反応を鉄面皮でかわしていると、鬼灯にいち早く気づいた獄卒が慌てた様子で駆け寄ってきた。



『鬼灯様ッあせるお疲れ様です!お忙しいところ申し訳ありませんッあせる



むかっ



『持ち場を離れない!!きちんとこうやって呵責しなさいとあれほど言ったでしょう!!』



意外と根に持つタイプらしい。子供たちが一生懸命積み上げたジェ×ガを金棒を振るい片っ端から崩す鬼灯の姿に一也は呆然となった。



子らに直接暴力を振るうことこそなかったが、これがもしかすると巷で問題となっているDVというものかもしれないな、と一也は思った。・・・もちろん父の受け売りでしかなかったから本当のところはわからなかったが。だけどやっぱり泣きだす女の子もいて、放っておくことができなかった一也は、声をあげた。



『やめてよ!!お兄ちゃん!!せっかくみんなで積んだのに・・ひどいよっ』



するとぴたりと動きを止めた鬼灯がこちらを見た。金棒を振るわれるかもしれない恐怖に身を竦め咄嗟に目を瞑った一也だったが、いつまでたっても痛みは襲ってこなかった。



恐る恐る目を開けると、鬼灯がこちらをまじまじと見下ろしていた。



『・・・ところで先ほどから気になっていたのですが、この子供はいつからここに?』



一也から目線は外さぬまま傍に控えた獄卒に問うと、強面の獄卒は一瞬で青ざめ子供の数を数え直した。


しかしそうはさせまいとばかりに子らが一斉にわらわらと好き勝手な方向に走り出したので、数を正確に把握するのは骨が折れた。監督する立場でありながら、すっかり子たちに舐められっぱなしで手を焼く担当獄卒の不甲斐なさに焦れたのか、担いでいた金棒を勢いよく垂直に地面に打ち付けた鬼灯は威圧感を漂わせたまま、叫んだ。



『全員集合!!整列して点呼なさい!!』



するとそれまでふざけていた子らは瞬時に隊列を組むと、直立不動のまま端から応じたのだった。



『・・なんか昔こういうミュージカル映画ありましたよねえ・・懐かしいなあ』



すっかり鬼灯の手を煩わせたことに恐縮しながら愛想笑いを浮かべる強面の獄卒の姿に、大人の世界は大変だと子供心に思った一也だったが、自分の番が来たので他の子同様に名前を言った。



『山口一也・・・やはりありませんね』



書類を確認しながら鬼灯へと報告をする獄卒の言葉にここに居場所がないのだと咄嗟に感じた一也は悄然と肩を落とした。



『・・・・なんだよ、それ・・じゃあコイツ生者なのか!?』



一也の名がリストにないというのがなぜなのか、漠然とだが思い至った少年は羨望の眼差しを一也に向けた。



なんらかの原因で現世から迷い込み臨死体験をする者がいるというのはいわば都市伝説のようなものだった。



『帰りなよ。あんたのこと待ってる家族がいるんでしょ?』



先ほど鬼灯の仕打ちを怖がっていた女の子が泣きはらした顔ではあったが、ひどく大人びた顔で諭すように言った。



『・・・・・・』



一也は返す言葉をもたなかった。



・・・亡者の数が合わないと担当者から報告があり『迷子』として私が保護したのですが、生霊の自覚がなかったのでとりあえず天国から母親に来てもらい説得を試みました。しかし物心つく前に死別した母親との再会がよほど嬉しかったのか、病弱な肉体に戻ることを拒んだので考えた末、浄玻璃の鏡で現世の父親の姿を見せたところ・・・・



息子の回復を必死に祈る父の姿は、頑なだった一也の心を動かすものだった。



『僕、やっぱり帰る。・・・お父さんのこと一人にしたくないもん。・・・お母さん、僕のこと待っててくれる?』



『もちろんよ。お母さん、天国からお父さんと一也のこと見守っているからね』



母の言葉をしっかりと受け止めた一也はもう一度現世に戻る決意を固めたのだった。