PS2版『俺の下でAGAKE』の従魔エンドを迎えた、『山猫タイプ』の新くんの受けがみたいドキドキ・・じゃなくて汗あんな展開で従魔になっちゃった新くんの幸せのありかたを私なりに摸索したいと思い作ってみました。

重たいのが苦手な方はご遠慮ください



※この記事は15禁です



猫の性をすりこまれたせいか従魔になってから、新は夜を好むようになった。



ベッドの上で目を閉じたまま耳を澄まし、街の雑踏の発する夜の音を聞いていた新の猫耳がぴくりと動いた。背後で壱哉が身じろぐ気配がして新の背に緊張が走った。彼の従魔になった後、幾度もこうして求められるまま新は壱哉と身体を重ねた。



「・・・・新・・・」



温かな腕に背後から抱きしめられた新は息を吐きゆっくりと緊張をとくと、壱哉に応えた。



「・・・なに?・・・どしたんだよ、黒崎さん」



我ながら素っ気無い対応だと思いながら、新は壱哉の腕にそっと触れたが壱哉は無言のままだった。



望んでこうなったわけではなかったせいか、触れてくる壱哉が時々ひどく煩わしく感じるのだ。新の信頼を裏切り未来を奪ったくせに、こうして離すまいと抱きしめてくる優しい腕を振り払うこともできず縋るしかない己の弱さがたまらなく嫌だった。けれど、同時にこんな未熟な自分に縋るしかない壱哉に対する憐憫の情も感じて、魂を預けた男と一蓮托生であることが新を辛うじて繋ぎとめていたのだった。



壱哉に向き直った新は、とうに涙の涸れた澄んだ大きな瞳で壱哉を覗き込んだ。壱哉の顔にもなんの表情も浮かんでいなかった。無言で近付いてくる冷たさを孕んだ唇を受けとめる新の脳裏に、公園で束の間の安らぎの一時を過ごした時の壱哉の笑顔が一瞬だけ浮かび消えた。魂を失ったと同時に温かな感情すら霧散してしまったのか、徐々に深まる口付けに熱くなる身体を持て余しながらも、新の心にぽっかりと空いた穴を埋める術はなかった。



「・・・もっ・・・早くっ・・早くこいよ」



焦らすような執拗な愛撫に苛立ち、壱哉をねめつけると壱哉が低く笑った気配がした。



「・・・俺が欲しいなら乗れ」



――!!



「・・・・ん・・」



劣情を煽るような壱哉の言葉に頬を上気させ熱い吐息をもらしながら身を起こした新は、急かすように自ら壱哉を受け入れた。





赤薔薇姫-俺下 AGAKE 従魔新くん 従順な山猫



「うああっ・・んんっ・」



こうして一つになった時、失った魂の片鱗に触れることができる気がした。壱哉の中には確かに自分の魂が息づいている感覚を共有できた。壱哉の心臓の上に当てた掌の下に二つの脈動を感じたまま新はその鼓動に身を委ねた。



チリンッ



新の首のチョーカーについた鈴が、律動に合わせ軽やかな音で鳴るのを聞きながら、壱哉は魂との束の間の邂逅に安らぎの表情を浮かべる新の様子を無言で見上げていた。主を求めるように温かくて躍動感のある魂の鼓動を胸の内に感じて壱哉の罪悪感を煽った。



健全な魂を奪われたまま、異形と化してしまった少年の体を激しく奪いながら、壱哉は己の罪から目をそらすことしかできなかった。それと同時に暗い喜びも感じていた。新が従魔になりたての頃、羞恥と屈辱に涙して抗い逃げようとするその身体を何度も組み敷き、己を刻みつけ服従させたこともあった。それでも・・例えどんなに壱哉を厭おうと、新が自分から逃れるすべがないことが壱哉を安堵させた。



(こいつは俺から逃げられない・・魂を支配した俺を拒むことはできないんだ)



「ああっ・・・黒崎・・さん」



細腰を掴み深くつき上げると、新が媚びを含んだ甘えた声を上げ、壱哉を満足させた。



チリッチリンッ



「あああっ・・・はっ・・・はあっ」



「くっ・・・ふう」



激しいリズムを刻んでいた鈴が鳴りやみ、脱力した新からゆっくりと身体を離した壱哉は新に背を向けたまま眠りについた。



満足げな吐息を漏らした壱哉が離れていくと同時に、魂の気配が消え新は落胆の溜息をもらした。人が魂の器であるなら、魂を失い抜け殻になった自分という存在はなんなのか、新にはわからなかったが空しさだけが残った。



どんなに求め激しく交わっても、魂をもたぬ玩具とその主でしかない・・二人の姿があった。