この作品はゲーム中に登場する『悪夢イベント』をイメージしたものです。

※黒崎壱哉×清水新で・・ちょっぴり桃色でお送りします(・・・ちょっぴりだよね・・うん)



俺を驚かせることができたことが余程嬉しかったのか、照れながらも得意げに新が言った。



「へへ・・これでおあいこ・・さっき怖い夢見たみたいだからさ・・悪夢見ないおまじない。えっと・・ほら、だからさ・・元気なら早く起きなよ・・吉岡さん、待たせちゃ悪ぃだろ?」



照れたように頬を染め去っていく少年の背に声をかけた。



「・・・・新」



名を呼ぶと、新は足をとめこちらを向いた。



「・・・なに?」



照れを含んではいたが、自然体の新に俺はそっと尋ねた。



「・・・お前は今、・・・・幸せか?」



俺と一緒で幸せか・・と聞くことにかすかな躊躇いを感じて、ただそう言った。


すると、新の顔に一瞬だけ虚をつかれたような表情が浮かんだが、一拍のちに俺の目を真っ直ぐ見つめたまま口を開いた。



「・・・何言ってんの、怒るぜ。俺、あんたと一緒だから幸せなんだってわかってる?」



――!!



「そうか・・・・そうか」



新の言葉がすとんと胸のうちにおさまって、心が凪ぐのを感じた。



「・・で?・・・あんたは?・・・黒崎さんは俺と一緒で幸せ?」



少しだけ恥ずかしそうに新が小さな声で俺に聞いた。



「・・・ああ。・・もちろん、俺も幸せだよ、新」



新とこうして言葉を交わす度、自然と沸きあがる温かな感情のままそう答えると、新ははにかんだ顔で頷いた。



「・・・そっか。・・・あ、俺・・吉岡さん手伝わねーと・・・早くこいよ、黒崎さん」



幸せの余韻を残して新が去った後、俺は新の唇が触れた肌にそっと触れた。



『・・悪夢見ないおまじない』



おかげで悪夢にうなされた不快感は綺麗さっぱり消えていた。



(・・・新のヤツ、なかなか可愛いことするじゃないか)



「・・・さて、起きるか・・これ以上待たせるのも悪いしな」



心から愛する可愛い恋人と腹心の部下


家族とも言うべき大切な二人が俺を待っていてくれる幸せを噛み締めながら 俺は悪夢の去った寝室を後にしたのだった。





おしまい



2012年8月