この作品はゲーム中に登場する『悪夢イベント』をイメージしたものです。
オールスターでお送りします・・あ、補足ですが・・悪夢中、カプはありません。目覚めた後、黒崎壱哉×清水新になりますのでご了承ください。結局『きのこドラマCD』は聞き損ねたし・・悪夢イベントも全部回収できなかったのですが『きのこ』で作品作りたいな~って思い、安直に『きのこ』の話になっちゃいました。
天井はいつのまにか消え出現した虚空の闇から大量のきのこが俺の上にどさどさと降ってきた。みるみる俺の周囲にうずたかく積もったきのこの山が出現し、崩れたきのこに埋もれてゆく。
「大丈夫かい?黒崎くんっ・・ほら、こっちに手を伸ばして」
「ほらっ!がんばれよ黒崎さんっ!!諦めるなんてあんたらしくないぜ」
山の上に陣取り心配そうな面持ちで手を差し伸べる山口の反対側には同じく不安そうな面持ちの新が両手を差し伸べていた。
「・・・ほはへらほんはひほほへほほほ
」(お前ら・・そんなにも俺のことっ)
なんだか妙に感動してしまった俺は両手を差し伸べた。しっかりと手が結ばれたと思った瞬間、今度は両足に重みを感じた。
(・・・・なんだ?)
――!!
見下ろすといつのまにか床も姿を消し、底無しの闇が広がっていて、ぶらさがるように俺の片脚ずつにしがみ付いた吉岡と樋口の姿があった。
「・・・ほはへらっ」(お前ら!?)
しかし俺の足にぶら下がりながらも両者の争いは続いていたようだった。俺にしがみ付きながら片手で折れた大根を振りまわす吉岡と口から大量の泡を吐くカニを片手に応戦する樋口が身動きするたび、四肢をギュウギュウ引っ張られる重みで引き裂かれるような痛みが走った。
「・・人間一つは取り柄があるとか・・・良かったですね、樋口さん。あなたは田舎で薔薇作りしてるのがお似合いですよっと・・っやりますね・・そもそもあなたはただの元同級生でしょう?壱哉様の眼中にも入ってなかったんですから壱哉様のことはこの吉岡にお任せ下さいっ・・あなたにはよぼよぼの
がお似合いですよ
」
「はんっ!・・あなたこそっただの秘書なんですからっ!公私混同は感心しませんねっと・ちっ・俺だったら黒崎が好きなだけ
鍋でも
の食べ放題でも付き合ってあげられますからねっ・・・だいたい黒崎が連れこむ愛人のあん時の声がデカくて胃に穴があいて円形脱毛症になったって泣いてたじゃないですかっ
」
(・・・・
を振りまわしながらいうことじゃないぞ、樋口)
吉岡に心労をかけてしまったことは申し訳なかったが、赤裸々な暴露の応酬にもはや俺は絶句するしかなかった。
「お、落ちついてください、お二人ともっ
」
なんとか場を収めようとする山口の声も争う両者の耳には届かないようだった。
「そーだぜ?ったく大人げね~の
」
呆れたように新がボソリと呟いた途端、ぴたりと動きを止めた吉岡と樋口が揃って一括した。
「
ガキはすっこんでろ!!!」
「
子供はだまらっしゃい!!!」
「・・・・っ」![]()
こんな時だけ息のあう二人の威圧に気圧され汗ばんだ新の手が滑った。
ツルッ
「あっ・・・やべっ」![]()
「・・・・へっ!?」(えっ!?)
「あ、あれ?わっ・・・
」
臆した新が手を離した途端、重さが集中して態勢を大きく崩した山口の振動が伝わりきのこの山が一斉に崩れ始めた。
そのまま底知れぬ
地獄に飲みこまれていく『黒崎壱哉被害者の会』の面々と俺・・。
一同
「あ~~~れ~~~~
」
「・・・・んががっ」![]()
往生際悪くもがいていた俺の口に重みで押し込まれた大きなきのこが喉に詰った瞬間、世界が歪み・・
・・・俺の意識は遠のいていったのだった。