この作品はゲーム中に登場する『悪夢イベント』をイメージしたものです。



黒崎壱哉、清水新、山口幸雄の3人が登場します・・あ、補足ですが・・悪夢中、カプはありません。目覚めた後、黒崎壱哉×清水新になりますのでご了承ください。結局『きのこドラマCD』は聞き損ねたし・・悪夢イベントも全部回収できなかったのですが・・『きのこ』で作品作りたいな~って思い、安直に『きのこ』の話になっちゃいました。


ケホッケホッ



息苦しさに目を覚ました俺は、おもいきりむせた。



「なんだこれは・・・くっ・・煙が目に染みる」



何かが焦げたような匂いと大量の煙にまかれた俺はわけもわからず飛び起きると周囲を見渡した。



「・・・火事か・・?・・吉岡ッ!!・・吉岡は無事か!?」



呆然としたまま吉岡の安否を気遣う俺に、やけに呑気な声がかかった。



「あれ~?起きたんだ?おはよ、黒崎さん」



聞き覚えのある声に、反射的に声の持ち主を探した俺の視線の先には、いつも通りのツナギを着てエプロンをした清水新の姿があった。



「・・・お前?・・なんでここに!?」



ここは俺の寝室でいるはずもない人物の登場に驚いて尋ねると、新はなんでもないことのように肩を竦めた。



「今日は『黒崎壱哉被害者の会』の第1回の懇親会なんだ」



――――!!!?



「クロサキイチヤヒガイシャノカイ??」



奇妙なことを聞いたように、オウム返しに尋ねた俺に、新は「・・そうそう」と続けた。



「俺達、黒崎さんのせいで結構ひでぇめにあってるだろ?だから慰めあおうと思って・・」



「・・俺達?」



煙たさに目を瞬かせながら俺は新を軽く睨みつけた。



「そ、会長の山口さんだろ?それから副会長の樋口さん、ちなみに俺は書記」



新のあげた名前の主に、心当たりのありすぎる俺は嫌な汗をかいた。



「・・そんなことはいい!!ここで何をしている!?全くどうやって入ったんだ?・・・吉岡はどうした?」



都合の悪いことをなんとか誤魔化そうと捲くし立てる俺に、新はさらりと告げた。



「吉岡さんなら、樋口さんと一緒に買出し行ってるぜ?・・・みんな良く食うから食材が足りなくなっちゃってさ~」



「なんで吉岡が買出しなんか・・」



納得がいかずにぼやく俺に、新が衝撃の事実を告げた。



「だって、吉岡さん会計だし?いや~ホント助かるぜ」



―――!!!!!?



「・・・吉岡が・・会計だと!?」



ガ~~~ンえっ



(そ、そうだったのか・・・吉岡)



腹心の部下が俺の知らぬ間に『黒崎壱哉被害者の会』の会員とは・・・



「吉岡!!お前もか!?」



こらえきれず俺が叫んだ瞬間、さらにのんびりとした声がかかった。




「あれ~なんか今のあれみたいだったね?」



見ると、やはりスーツにエプロン姿で柔和な笑顔の山口の姿があった。



「・・あれ、ですか?あ!・・・もしかしてあれ!?」



「そ~~あれあれ」



俺を無視して朝っぱらから年寄りのように「アレアレ」トークを和気あいあいとしている二人に苛立った俺は咳払いをすると強引に話題を打ちきった。



「そんなことはどうでもいいッ!ここで何をしているのかと聞いてるんだ!?だいたいこの煙はなんだっ!?」



相変わらずの煙さの正体に苛立っていると、山口が俺と新を交互に見ながら機嫌よく言った。



「あ、そうそう。清水くん、『きのこ』もう焼けたよ・・黒崎くんもせっかくだから一緒にどうだい?」



―――きのこ!?



俺の頭の片隅に何かがひっかかったが、それよりも気になることがあった。



「焼けたってどういうことだ?・・・まさか」



恐る恐る俺は見なれた寝室を見まわした。すると山口と新の間にあってはならないものを見た俺は眼を見張った。



視線の先には寝室で異彩を放つ、ホットプレートと、そのプレートの上に所狭しと並べられた様々な種類のきのこが食欲をそそる香りを放っていた。



「お前ら・・・人の寝室でなにをっ・・・」※危険なので絶対マネしないでください



「黒崎さんも一緒に食べよ」



「そうそう、遠慮しないで・・・あ、でも『黒崎壱哉被害者の会』の会合に加害者の黒崎くんが参加するのって・・どうなんだろうねえ?清水君」



「いいんじゃないすか?山口さん、一緒に美味しいもの食べたら親睦も深まるし・・それに」



「・・・それに?」



うんうんと頷きながら興味深そうに続きを促がした山口に新が満面の笑みでこたえた。



「それに・・『黒崎壱哉』は餌付けに弱いって・・吉岡さんが」



―――え!?



「へ~そうなんだ~?意外と単純なんだねえ・・鬼の黒崎も可愛いもんだ」



―――え!?



再び明るみになった吉岡の裏切りに衝撃を受けながら、和やかに毒を吐く二人に引きずられるように無理矢理座らされた俺はホットプレートを囲むはめになったのだった。