パノズとリンスピードとTMCコスティン | モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳

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かつて、パノズAIVロードスターというモデルに試乗したことがあります。これ↓

このクルマは1992年にパノズが開発に着手して1997年に実際に販売されたモデル。一方、1995年のジュネーブショーではリンスピードが↓のクルマを発表します。

これ、前から見るとこんな格好↓

そしてパノズの後ろはこんな格好↓

この2台。どう考えても同じクルマだと思っていました。だから、当時原稿には結果としてパノズが後から市販されたので、てっきりリンスピードをそのまま買って、パノズ・ロードスターと作り上げたのだと…。インテリアだって瓜二つです。

↑これがパノズ。

こっちがリンスピード。

しかし、現実は違ったようです。

まず、パノズはTMCコスティンという名のシャシーの権利を獲得します。このクルマ、あのフランク・コスティンが作り上げたモデルで30数台実際に販売したモデルだとか。これをベースに、航空機技術で使われるアルミをベースにシャシーを作り替えたのがパノズ・AIVロードスター。ボディデザインはアウディTTやニュービートルをデザインしたフリーマン・トーマスだったそうですが、あまりカッコ良くない。AIVはアルミ・インテンシブ・ヴィークルの略です。そして、これをモディファイしてジュネーブショーに出したのがリンスピードという流れでした。エンジンはパノズもリンスピードもマスタング用V8。一方のTMCコスティンはフォードの直4エンジンを使い、最強はBDAを載せていたようです。こんなクルマ↓

こりゃカッコ悪いし(コスティンのクルマはみんなカッコ悪い)、あまり売れなくて当然かな。パノズは170台あまりのロードスターを販売したことになっています。因みにアメリカ初のアルミシャシーのモデルだったということです。