プラスとマイナス
光りと影
生と死・・・・
相反するものがひとつ所に集まると
ヒトになる
肉体の中に存在する魂と呼ばれているそれは
相反するものがひとつ所に在る
矛盾そのもの
理を外れた
不可思議なもの
それが多分ヒト
生まれた瞬間から死に向かい
死に向かいながら、生きたいと願う
人間とは?
多分、矛盾
そんなヒトは、生きながら常に
迫りくる死に対し怯え
ココロ穏やかでない日々を送っていた・・・
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さっきまで動き回って共にいた
温かい同族が
今、動かなくなり、冷たくなった・・・
目の当たりにした、私はその動かないものに
なってしまうことを予感する
生きているという喜びが
失われる時
際限なく生まれくる
欲望を満たす喜びを得られなくなる
その時――
それが、怖くて
怖くて、怖くて
体の中から水が溢れ出してきた
「あぁ、これはもしかしたらもうすぐ
アレになるというまえぶれなのだろうか・・・」
私は、益々怖くなり
必死に眼を閉じ、手で強く押さえつけた・・・
すると、熱くなった目玉を感じながら
何も無い、真っ暗な所に来てしまった・・・
「あぁ、これでもう本当に
終わりなのかもしれない・・・」
そう深く感じた時・・・
声が聞こえた気がした
声・・・というより、鼓動
私の中とは違うところから聞こえてきた
その音・・・
それは、私の意思ではないものによって
動かなくされてしまうこの時に
それを行なう意思の存在の音ではないか?
ふと、そう考えた時
「ひょっとして、まだ動き続け
快楽を貪る日々に戻れるかもしれない」
「お願いです、どうかまだ
私を止めないでもらえないでしょうか?」
私は、何処に在るかもわからない
一瞬感じ取っただけのその存在に
すがりつくように手を伸ばした・・・
すると、目の前に光りがもどり
動かなくなっていた同族はそのままだったが
すがった私の手は、宙を動いていた・・・・
「まだ動いている・・・」
そのときに感じた、安堵の感情は
今まで満たしてきた、どの欲望より
満足と安らぎを与えてくれた・・・
それから私は、ずっと探している・・・・
そのときに感じたその存在を・・・・
誰に聞いても
誰も知らないし
あれから、声が聞こえる事も無い
でも、確かに感じたその存在を
探した。
ずっと、ずっと探した・・・・
そうして探し続けた私が、骨と皮だけになり
頭から生えていた黒毛は白いものに変わった頃
再びもとの場所に帰り着いた・・・・
その時、そこに住む同族に
あの時感じた存在について尋ねたら
それは「神」だと
教えてくれた・・・・
「そうか、そのように呼ばれるものであったか」
だが、何処にいるのかは
誰もが、違うことを言う・・・
ある者は、いつも傍らに居ると・・・
ある者は、ずっと遠くの山の先に居ると・・・
ある者は、夜浮かぶ光りの珠の中に・・
ある者は、触れられないほどの光りの中に・・・
ある者は、私の立つこの地の下深くに・・・
私は悩んだ末、最初に声を聞いた
この地で・・・
この名を、呼び続けることにした
「おぉ、神よ。あの時の事を私は忘れていない」
「お願いだ、あの時の悦楽の喜びを超えた
アレをもう一度くれ・・・」
「何処に居るのですか?」
「おぉ、神よ・・・神よ・・・」
そのヒトは、それからずっとそこで
願い続け、呼び続けた・・・
本当の死が訪れた、その日まで・・・・・
究極の悦楽を求め
探し続けたそのヒトの存在が・・・
絶対的な絶望に直面した人々に
希望を見せた・・・
「まだ救われるかもしれない・・・」
「確かに救いは在った・・・」
人々は口々に
その目に見えぬ意思の存在を語った・・・
そしてやがてその存在の事は
世界中へと拡がっていった・・・
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ひとつだけでは生きられないヒト
相反する二つを手に生きるヒト
それが、自然に訪れてくる絶望に対し
希望を手にし、安定と繁栄への道を歩み出した
ヒトの歴史の始まり・・・・
次は何を受け、何を生み出し
その先へと進化していくのだろうか・・・
崩壊しつつあるように思う
ヒトの世の今日に
進化と
破滅の予感を感じる・・・