「もしかしたら・・・」
いつもそう考えてしまう私が
私を捉える
細い糸は、ただ前を見て歩いている私の眼には映らず
少しずつ不自由さを与え、絡みついていく
「まだ動けるの?」
私は、その声には耳をかさず、苦しさは吐息に任せて吐き出し
四肢からの悲鳴は頸元で絶ち進む
本当は、こんなやさしい糸ではなく
棘のついた鉄の鎖で、何重にも縛りつけて欲しい。
逆刃のついた杭で、身体中を打ち付けて欲しい。
私自身のすべてが絶望してくれるまで、徹底的にすべての
自由を奪い尽くして欲しい
「そうしたら・・・」
あきらめる事が出来る。
許す事が出来る。
逃げ出す事が出来る。
ダメになれる。
「まだ動けるの?」
そう、私は、まだ動けてしまう。
苦しいけれど、不自由だけど、全部全部
結局は、私を縛りきれない。
半端な苦痛を与え続ける私には
私を止められない。
「もしかしたら・・・」
いつも、そう考えてしまう私は
希望だって、持っているのだから――