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人生てのは想定外の出来事が起こるもんだよね…




でも今思い返してみると若い時の想定外の出来事って大抵は予測可能なんだけど若さゆえにというパターンなんだよなぁ…




あの時も…





ウチの稼業は残念ながら農家ではなく田植えを手伝った経験などなかった…




ところが十九の春に初めての田植えを経験することになったのだ…





とある土曜日に先輩と行きつけのお好み焼き屋で深夜まで呑んでいた…




先輩と別れ愛車のスカGで家路を急いだ…

(飲酒運転だが当時は当たり前のように常習していた(^_^;)…)…




いつものコーナーリングを楽しむRにドリフトしながら突入した刹那…




《猫?ねこ?ネコ~!?》




アッと思った瞬間に愛車はスピンし制御不能に…




《ギュンギギャギャ~》




そのままRを飛び出し吹っ飛んでゆく…




スピンしながら空中を飛んでいた時間がヤケに長く感じたのを覚えている…




《《ドバッシャ~ン》》




見事に着地した先は?…




田植えを終えたばかりの田んぼの中だった…




茫然としている車中の俺を見下ろしていたネコが…




《ゴメンニャ~》と一声鳴いて闇へと消えて行った…





(」゜□゜)」ジーザス…




取り敢えず靴とジーンズを脱ぎ愛車を降りた…




ズブズブと田んぼに足をとられながら何とか道路に辿り着いた…




携帯電話など無い時代なので公衆電話までひた走りJAFに連絡して現場に戻った…




幸か不幸か夜中なので人も車も通らない…




《早よ来んかいJAF…こんなとこ見られたらカッコ悪いやろ…》…




やっとJAFが到着し愛車をなるべく傷つけずに引き上げるためにかなり田んぼを荒らす結果となってしまった…




とにかくこの場を早く離れたい一心で自宅に逃げ帰るように戻った…




田んぼに墜ちた形跡を消すために必死で洗車し疲れ果てて泥のように眠ったが意外なほど早く目が覚めた…




事故現場が気になってしょうがないのだ…




放火犯が放火現場に舞い戻るように車で田んぼに向かった…




何食わぬ顔で通り過ぎるつもりだったが…




そこで見たものは?




以下次回に…【つづく】

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勝者の陰には常に敗者が存在する…




陰という当然マイナスの位置にいるはずの敗者…




ところが光あふれる立場の勝者を完全に呑み込むほどのオーラを放つ敗者は往々にしているものだ…




たとえば彼の場合…




あしたのジョーの主人公…

矢吹 丈…

生涯成績…

24戦 18勝 5敗 1分…




なんと5回も負けてる事実にビックリする…




負ける度に地獄から這い上がる丈…




そして生涯のライバル…




力石 徹の出現と死…




力石は丈に勝利した直後還らぬ人となる…




一生追いかけても消せぬ敗北感と消失感…




モチベーションを失った丈は抜け殻となりリングから去ってゆく…




幾人もの人と出逢い別れ新たなモチベーションを見い出しリングへと復帰した丈…




しかし彼に待ち受けていたものは…




自分のパンチで人を死に至らしめた罪悪感と恐怖心…




心の問題…




相手の顔が殴れない…




そんなボクサーとして致命的欠陥を抱えた丈を甦らせたのは力石が何を望んでいたかだった…




世界チャンピオンの絶対候補として順調なボクサー人生を歩んでいた力石…




その力石が何階級も下の丈とチャンピオンロードを遠回りしてまで無謀な減量を決行し対戦を熱望したのはなぜだったのか?…




少年院で一度だけ対戦し引き分けた相手…




『…簡単に言えば…

俺と引き分けたような男がたとえ階級が違えども同じ世界に生きてることに耐えられないんですよ…

この力石徹という男はね…』…




そういう男と闘った結果だったと丈は理解し灰になるまで闘いぬく決心をしたのだ…




その後新たなライバルの出現や史上最強と謳われる世界チャンピオンの存在を意識する丈…




丈は振り向かない…




丈は立ち止まらない…




なりふり構わず頂点へ向かう丈…




ある日…幼なじみの紀ちゃんに総てを犠牲にしてまでなぜボクシングに打ち込むのかと悲しそうな顔で問われ…




丈は穏やかに応える…




『…紀ちゃんの言う青春を謳歌するってのとはちょっと違うかもしれねぇが…

燃えるような充実感は何度も味わってきたよ…

血だらけのリングでな…

そこいらの連中みたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼してるんじゃない…

ほんの瞬間にしろ真っ赤に燃え上がるのさ…

そしてあとには真っ白な灰だけがのこる…

燃えかすなんかのこりゃしない…

真っ白な灰だけさ…

そんな充実感はボクシングをやる前には無かったよ…

負い目や義理だけでやってるんじゃない…

ボクシングが好きなんだ…

死に物狂いで噛み合いっこする充実感が…

わりと俺…好きなんだ…』…




物語のラストシーンはあまりにも有名でそれぞれ人によって解釈の違いはあるだろう…




私は一つのことをやり遂げまた新たな明日に向かって微笑んでいる姿だと解釈している…




真っ赤に燃え尽きてこそ明日へ…




明日に向かって前へ!前へ!…



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四人が沈黙しこれから起きる出来事をお互いに予感している場面からの続き…





永遠に続くかと思われた沈黙は呆気なく破られた…





公園の入口付近に野太い排気音を響かせながら一台の車が停車している…





すでにみんなも来訪者が誰か予期していたようだ…





野獣が敢えて存在をアピールするが如く狂ったようにアクセルを吹かしエンジンを切る…





『来たようやなぁ…』…





スポーツカー特有の低い車体から這い出るように降りた黒い影がこちらを窺っている…





『ナオさん…こんな時になんやけど…俺はてっきりアンタとアイツがデキてると思うてたんやが…

それがサブさんやったとわなぁ…』…





『ケ…ケンちゃん何言うとんや…アホなことを…

アイツとサブさんがポーラと…て…ア…アイツ?…

アイツて誰よ?』…





一人はまだ来訪者が誰か気づいていないようだ…





『ワ…ワシらなんでもない…なんでもないんや…』…





真っ赤になって否定しているサブさんを尻目にポーラは来訪者に冷たく醒めた視線を送り続けていた…





獲物を見定めたように黒い影がゆっくりと我々に近寄って来る…





影は二体に別れ四方を見回すと黒い影が同じ間隔でじわりじわりと迫って来ていた…





『あはは…囲まれてるで…』…





黒い影がすっかり姿をさらけ出し喋りはじめる…





『こりゃこりゃ皆さんお揃いで…

なんやコイツらまで…

助っ人にでも雇ったつもりかよ?』…





『もぅ…ほっといてよ…

なんでワタシたちの邪魔ばかりしなきゃなんないの?…』…





『邪魔なんてする気ねぇよ…

お前こそあんなにしつこかったのになんで急に手のひら返すような態度なワケ?…』…





『どうしてそんなに自分勝手なの…

いいかげんにしてよ…

ワタシだって県外の行きたかった学校受かってたけどアンタが地元に居てくれって言うからこっちの大学選んだんじゃない…』…





『う…うるさい…だから帰って来たんだろうが…

お前のためによ』…





『よ…よく言うわよ…

大学受かって東京行くとき連絡先も教えてくれなかったじゃない…

帰って来たのだってなんかトラブルでも起こして手に負えなくなったから尻尾巻いて逃げ帰って来たんでしょ…

ワタシたちバンドの練習があるんだからもう帰るわよ…

サブさん行こう』…





『な…なに~バンド~…

そのバンドだって元々俺が作ったんじゃねぇか…

勝手なことばかりしやがって~クソッタレが~

バンドで飽きたらず女まで乗っ取りやがって~

この恩知らずの泥棒野郎~』…





チーフは大声で叫びながらサブさんの傍らに置いてあった黒い塊を持ち上げ地面に叩きつけた…





《《《グワッシャ》》》…





『な…なにするんや~』…





そう叫ぶと同時にサブさんがチーフの胸ぐらを掴み押し倒していた…





黒い影が一斉に集まりサブさんに襲いかかろうとする…





『待て…みんな手出すな…あはは…ほらなぁ…

ナオ見てみろや…これがコイツの本性だぜ…

コイツがなんでウチの店に来ることになったか教えてやっただろぅが…

こうやって世話になってた先輩を大怪我させてカタワにしちまったんだよなぁ…なぁサブちゃん…

あははは~コワイコワイコワイよ~あははは~』…





サブさんがうなだれながらチーフから離れた…





まるで地獄を覗いたような顔をしたサブさんがボソボソと喋り出す…





『ナオちゃんは…ナオちゃんは…アンタの…ことが好きで…

アンタの…アンタの…

アンタの赤ちゃ…』…





『やめて~』…そう叫んでポーラが泣き崩れる…





『うるせぇ~んだよ…

それだって誰のガキだかなぁ…この尻軽…』…





《《《グワッシャ》》》…





勝手にカラダが動いていた…





『おい二人~ナオさん守れや』…





クソ野郎は壊れたギターケースの一撃で鼻っ柱がへし折れダラダラと鼻血をタレ流している…





取り巻き連中が気色ばむ…





『動くな~オドレらぁ~クソガキの目ん玉くり抜くぞぅ…

シャバゾウがぁ~ホンマのケンカ教えたらぁ』…





鼻血で息が出来ず開けている口にギターの残骸を突っ込みブーツの底で踏みつけた…





《《《グゲェッガ》》》…





クソ野郎の悲鳴に取り巻き連中が青ざめる…





『テメェらがドコの誰ベェかなんぞ調べりゃすぐやでぇ~…

どうせこのボンクラにくっついて来ただけだろぅが…

な~ら許したるから早いとこ帰れや…

気の変わらんうちにのぅ…』…





『……………………』…





『帰れっちゅうとんじゃボケ~』…





取り巻き連中は蜘蛛の子を散らすようにアッと言う間にいなくなった…





『さぁてとチーフさんよ…

お楽しみはこれからやで…

覚悟せんか~い…ん!?』…





目の前にポーラがいた…





チーフを庇うように座り込みこっちに向かって手を合わせている…





赦してやってくれと懇願するように…





サブさんも傍らで一緒に手を…





『お互い痛みわけやのぅ…

なんもなかったことにしようや…アンタは事故でそうなった…

俺らももう少し店やめるワケにイカンのや…

それで収めるならこれ以上はなんもせぇへん…

ええなぁ?…』…





三人が頷いている…





『おぃ…帰るで…』…





公園をあとにし二人でまた歩きだしたがお互い何も喋らない…





別れ道にさしかかると情報屋が意を決したように話しはじめた…





『ケ…ケンちゃん…ゴメン…お…俺…最初から知ってたんや…

ポーラが…あの店で働いてたん知っててケンちゃん誘うたんや…

一目惚れいうやつかのぅ…

無い知恵しぼって今回の絵図描いて…

一人で行く勇気のうてケンちゃん巻き込んでしもうたんや…

ホンマに…ホンマに…』…





ポロポロと涙を流している…





『わかった…ホンマに好きやったんやなぁ…

いっしょに仕事してて益々好きになったってとこか?…』…





『うっ…うっ………』…





『あないなことになったら顔合わすのもツライわなぁ…

すまなんだのぅ…

よっしゃ…お前明日から行かんでええわ…

そのかわりに…』…





『…………………』…





次の日出勤すると約束通りの状況になっていて少しホッとした…





三人がどうなってゆくのかについては知りたいとも思わなかった…





無事に三日ほど過ぎ仕事帰りにオケラハウスに立ち寄ると嫌な連中に顔を合わせた…





『やぁケンちゃんまだ頑張ってるんやってなぁ…

相棒はもうとっくにケツ割っとんのに…

なんかゴタゴタしたらしいけど大丈夫かいな?』…





『まぁなぁ…ところでお前ら俺のこと賭けとるらしぃのぅ…

光栄やで…

自分が馬でも乗れるんなら一口乗りたいんじゃがどうや?…

当然今月いっぱいは辞めんてほうになぁ…』…





『か…賭け!?…あぁ…そうらしいなぁ…

でも俺ら胴とちゃうで…

話しは繋げれるけどよ…』…





『ほうかぁ…まぁ賭けれるならどっちゃでもええわ…

辞めんほうに今月の給料全部や…

どうやウケるか?』…





『きゅ…給料全部て!?…

アレの話しじゃ…あっいやいや…』…





『ビビっとるんなら無理せんでええんで…

学生さんイジメてもしゃ~ないしのぅ…』…





『べ…別にビビってへんけどよ…

やっぱケンちゃんさすがに人気者やなぁ…

辞めんほうがエライ多くてよぅ…

ま~たまたそっちが増えるとなりゃ賭けにならんがのぅ…

う~んしゃあない…

よっしゃ…ウケた…

いますぐ発行するわ』…





《ふん…逆だろうが…

吐いたツバ呑むなよ》…





奴らは意気揚々と引き揚げて行く…





その最後尾の男が店を出る瞬間振り向き…





小さなウインクをして立ち去った…





口笛を吹きながら…





あの曲は確か…





あの子と同じ名前…





明日に向かって前へ前へ





【完】