当時、音楽は譜面がなくちゃ、ちゃんと演奏できないと思い込んでました。
TAB譜というのは、実に素晴らしい発明です。
とりあえず、なんか弾けた気になる。
日本人はね、この、「とりあえず、ちゃんと」が大事な民族なんだと思います。
なんといっても、芸事はすべて、師匠について学ぶもの、という文化。
「我流で、適当に」というのが、なんか、気持ち悪い。
本当はどうやって弾いているのか、ちゃんと知りたい。
そんな気持ち悪さの解消と『ちゃんと欲』の充足を同時に、
しかも、即座に満たしてくれるのが、TAB譜の存在だったというわけです。
先日、気仙沼でクリニックをやったときに、
ベースの伊藤広規氏、ドラムの岡井大二氏、そして、ギターの大槻啓之氏、
3人が口をそろえて、
「そもそも譜面なんかに頼るからダメなんだよ。そんなもの最初から見ちゃだめだ」と、
おっしゃってました。
それはもう、おっしゃるとおりで、
まじめに楽器を練習しよう、極めよう、という人は、譜面なんかに頼らずに、
どんどん耳を鍛えなきゃダメです。
私も楽器科の生徒になら、そう言います。
でもね、でもね・・・
大先輩たちにお言葉を返すわけではありませぬが、
先輩方のような天才でない限り、
「楽器の練習でもやってみよう」、
「とりあえず、この曲弾けたら嬉しいなぁ」・・・
なんてレベルのあたちのような大鈍才の場合、
やっぱし、TAB譜がいるんです~~っ。
そして、おそらく、大多数の、趣味レベル、お楽しみレベルの人にも、
やっぱり、TAB譜は味方なんですぅ~~。
そんな私がバイブルとしていた、ジェフ・ベックのTAB譜がありまして。(イメージ画像です)
来る日も、来る日も、その譜面を見ながら、練習に励んだわけでございまして。
うん十年も経って、ジェフ夫さんに会ったとき、実に得意げに、
その中の1曲をご披露申し上げようと、ギターを弾き始めた、その瞬間。
「間違ってるよ」
は?は?
私はTAB譜どおりに弾いてるんですけど・・・
「じゃ、そのTAB譜が間違ってるんだよ。貸してごらん。」
そういうと、私からギターを取り上げて、完璧に弾き上げるジェフ夫さん。
カチンと来ますが、同時に、すごいなぁ、TAB譜が間違ってるなんて、
言えちゃう人がいるんだなぁと、感動したものでございます。
そんなわけで、ご自宅にジェフ・ベック、またはジェフ夫さんをお持ちでない方は、
一家に一枚、こちら をお求めください。
(って宣伝かいっ!?)
