おはなし。 -58ページ目

夏のソワレには。のおはなし。


フランスの夜。
10時過ぎまで明るい不思議な地球と太陽の関係性によって、夜の過ごし方が日本といるときと違う。

フランスについたばかりの頃は夜の方が勉強がはかどると、
8時頃には強制的に雨戸を閉めてよるにしたりしてあがいておりました。
と、この10時過ぎになってやっとくらくなる夏の夜の過ごし方を
うまくこなせなかったものです。
気がつくと12時になってたり..

反対に、冬はびっくりするぐらい夜がながいので
それはそれで日中の過ごし方をうまくしないとあっという間に日が落ちてしまう。

私は断然、夜型人間なので
日が落ちてからの方が仕事もはかどるし
夜の細々した作業がすきなので
夏の夜の短さにはいささか拍子抜けしてしまう所がございます。


日が沈むのが遅いという事になれる頃には
8時や9時でもまだあかるいのでテラスでのんびりビールを飲んだりする至福の時の過ごし方や
くらくない状態でも仕事がはかどるような手段をみつけれたりして
何となく今は、
10時過ぎにやっとくらくなるこのフランスの夏の夜がとても好きになりました。

でも、
やっぱりぼーーーーーーーーっとしてしまう。
だからバカンスが長いのだろうなあ、と思うし、
南仏にバカンスに行く時はほんとに1日あっというまに終わってしまう。
その
あっという間、というのはいそがしくて、あっという間、ではなくて
なにもしないのに1日が終わってしまうあっという間。でございます。

それはとても贅沢な事ですよね。

なのでバカンスはあっという間に過ぎてしまいます。







と、前置きはここまで、
今日のおはなし、はパリのとある夜のできごと。


家からそんなに遠くない所に
104というアートセンターがございまして、
もともと火葬場や葬儀に行く前のご遺体安置所だった場所がパリ市の文化企画でアーティストレジデンスセンターになったのですが、最近はディレクターの交代や財政難もあって、市民に開かれた場所になりつつあります。(最近は市民納涼カラオケ大会とか、オーガニック市場が開かれたり、などもある。)


パリ映画祭の最終日。(今年は周り損ねた!!)
104で野外映画がおこなわれる!とのことでわくわくしていきました。

野外映画は子供の頃から大好きで、小さな頃、その頃毎年近所のスーパーマーケットの駐車場で開催される野外映画のたのしさがふつふつとその言葉だけで甦ってきます。たとえドラえもんやらドラゴンボールやらの上映だったとしてもあの雰囲気は別格でした。

21時30分から、とあったので、少し早めについて席につきました。

おはなし。


それでもお客さんは沢山で、もう最前列しか開いてなかったし、

おはなし。

おはなし。

その後も沢山人がはいってきました。


いっこうにはじまる気配はないので、ビールをのもう。と
野外映画の醍醐味を早くもいただき

ゆったりとしたサマーチェアーに王様のようにねっころがりながら
しみじみと更けて行く夜の色をぼんやりながめたり。

手持ち無沙汰になり、
わたされた分厚いパリ映画祭のプログラムを隅々まで読み、
今年、パリ映画祭をすっかり忘れた自分を呪い、

でも観ていない映画の情報とか手に入ってうれしかったり、

なぜ、日本映画は日本でもほとんど観た事ないような超サブカル60年代エロス物ばかり紹介されるのだろう..とおもったり、

後ろの席の少年(10歳くらい)が野外映画という雰囲気で多分テンションたかくなって、この間ブルースリーの燃えよドラゴンを観たらしく、映画の内容をものすごいスピードでことこまかに友達(弟?)にかたりまくり、その話しっぷりが最高におもしろくて燃えよドラゴン一本分の解説を盗み聞きをしたり、

夫はiPhoneで時間をつぶし、
そんな夫に隣の女の子が寒いから走ってくるので荷物を観ていてほしいと頼み、風のように軽やかにほんとにジョギングしに行ってしまったり、

私は隣のおばさんとぐちを言い合い、それにもお互いあきたので、おばさんがメールを書くわ。とディバイスの世界にはいっていって、取り残された私は炭酸の抜けた苦いぬるいビールの最後の一口をなめるように飲んでみたり。

おはなし。


トイレに行ったり

もういっぱいビールのもうかまよったり、
で、のんだり。

と、そんなこんなで、45分たってもはじまらず、
おはなし。

みんながざわざわしてきてもなにもおこらず。
みんなが手を叩いたり足をどんどんふみならしてもなにもおこらず。





どうせまた、機材がこわれたんだろなーとか、
遅れる事にイラっとしても何も解決されないこの国では
苦情をいってもおこっても、遅れている人がわるいのではなく、怒っている人が悪いということになるので、まあ、イラットしながらもいつものことさ。せめてこの空気と時間を味わおう、とその時間を楽しむ事にします。

そんなこんなで1時間以上がすぎ(!)
やっと主催者がマイクをもって登場。


はい、みなさま、覚えていらっしゃるでしょうか?
以前記事でもご紹介致しましたこれを覚えればあなたもフランスで行きてゆける!の
 C'est pas ma faute ! セパマフォット!(訳 わたしのせいじゃないもん)




今回も出ました。
C'est pas ma faute ! セパマフォット!
(直接はさすがに言ってませんでしたが、要するにC'est pas ma faute ! )


このたびの C'est pas ma faute ! セパマフォット!は





「夜がふけるのを待っておりました。暗くないとみなさまに折角の野外映画なのに映像が見れないという悲しい事がおこりますからね、わざわざこの時間になるのをまってたんです。」





!!


うわぁ....そうくるのかぁ...








さすが、セパマフォ 王国べーっだ!

謝るわけもなし。
っていうか、正当化してるしw



すごいよね。ほんとに。

「だったら、はじめから21時30分にしなきゃいいじゃん!」「なら、途中で一言いいなさいよ!!」「薄明るいなんてあたりまえじゃない!」「だから屋根のある会場でやるんでしょ!?」「この時期の野外映画に真っ暗な空なんてはじめから期待してないぞ!」

と、ほんとに「まさにその通り。」ということをみんな口々に文句をいいます。
でも、そんなことはきこえないのです。

なにせ、セパマフォ。 夜が暗くならないからいけないんですものね!!
そうです。それはあなたのせいじゃない。スタッフのせいでもない。だーれのせいでもありゃしない。
パリの緯度と太陽のせいなのですからね。こればっかりはしかたがない。

1時間20分の遅れを、よるのとばりのせいにする。

たとえ100歩ゆずって明るすぎたということを信じたとしても、
企画の時点でというか当日まで21時30分がまだ明るい事にフランスに住んでいるフランス人がなぜ気がつかない..

すばらしいですわ。

SNCFの100人逃亡劇にひきつづくびっくりレベルのセパマフォでございました。


しかも、この催し。
おはなし。
1957年のメキシコの白黒バンパイア映画(壮絶なB級映画♡)、
この、ひたすらボケつづけるメキシコバンパイア映画にコメディアンが突っ込みをして
ロックミュージシャンがその場で演奏をする、という企画。(無料)

どんなんだよ!それ!
と、
そのふれこみをみて私たちも訪れたのですが
1時間20分の遅れ、その上、この日はとても寒く10時50分にはもう風もびゅーびゅー吹いてて

それでもメキシコバンパイア映画を104で生の演奏でこの雰囲気でみれるのはたのしそう、と始まり出した雰囲気にまっててよかった、とおもいました。

が、

はじまったものの
突っ込みの人(かなりの有名な芸人らしい)も、すでによっぱらってんのか
しどろもどろに思い出しながら映画の説明をしながらも、ところどころで突っ込みだし
その上、突っ込みながら映画で何が起っているのかを彼が同時にナレーターをする、というものなので、それをいれるというのなら、字幕がない映像でやらなきゃ意味ないじゃないですか、
だって、字幕でナレーションされるより前に観客がなにがおこってんのか理解しちゃうもの...
というか、ナレーターも字幕読んでフランスギャグを交えながら突っ込みしている。なので読みながら喋るので突っ込んでるのにがたがたに文章がキレる..

フランスのギャグはおもろない!と、
日本の高度なボケと突っ込みの笑い文化で育ったものからみると思ってしまうので
ただでさえ、イラっとくる笑いに輪をかけてイラっとしました。
そのえうバンパイア映画は際限なくボケっぱなし...


そして、音楽は....というか、なんか映像にあわせてじゃなくて、芸人さんが突っ込んでる間は演奏しないので、突然突っ込みが終わると、え?こっからうちらが演奏していいの?みたいな、変な間が痛々しく。その上、とりあえず自分たちの持ち曲を演奏してます.的な感じになってきて


なんだか
ええぇぇぇぇぇぇぇ。。ぇ。 ぇ...


と、野外映画でテンションあがってたのに、1時間20分も待ったのに、しょんぼり感がこちこちごちっとつもって行きましたよ..



その上

寒い!!!
長袖に薄いコットンセーターをきているのに、風がびゅーびゅー吹いてきて寒すぎる!!!
寒くなかったら最後まで観たと思うけど、もう、骨までさむくなってきたので退散!


もう、1時間20分まって、待った、という悔しさを差し引いてがんばりましたが、
20分もその気力は持たずに帰りました..

そのとき後ろをふと見渡すと、かなり沢山の人が同じ時に帰っていました..20分はみんな耐えたんだね..

治安の悪い地帯なのですが、そんな20分が限界だった他のお客さんがいっぱいいたのでメトロへと向かいます。
みんなそれぞれに猛烈に怒っていました。


無料のイベントだからさ、文句言ってもしょうがないかもしれないけど、
仮にもパリ映画祭のイベントなんだしさ、
スポンサーすんごいついててお金にはこまってなかったろうしさ、
音楽家もコメディアンも有名人なんだしさ、
いくら紙の企画がおもしろかったからといってもさ、


どうなんですか!?

こんなんでいいんですか!?

どうせやるんならもっとしっかり突っ込んでくださいよ!!仕込んでくださいよ!!
エンターテイナーでしょう!

それも
セパマフォなんですか!
いや、1時間20分遅れというそのセパマフォが最大のボケだったのかもしれない..



と、


おもってしまいましたとさ。





そして案の定、
翌日風邪をひきました...










おしまい。




ちなみに明日は104で(なぜか)BIOマルシェでございます。