春をまつ。のおはなし。
ヨーロッパの冬はとにかく長くて重たい。
冬が始まるのが早いのか、終わるのが長いのか、とにかく春が待ち遠しい。
日本にいたころより春の喜びを感じます。
そんな中で我が家にとって「春がもうすぐくるなあ」という気分になる食べ物があります。
それは
謝肉祭の揚げ菓子。
Beignets de carnaval. ヴェにエ どぅ カーなヴァル
檸檬の香りと粉砂糖の甘さの素朴なお菓子。
謝肉祭から復活祭までの禁欲週間のために今のうちに卵や砂糖や油をたべためしておこうぜ!というようなコンセプトのもとに考案されたのでしょうか。ちなみにイギリス、ドイツ、イタリア、スイス、、、と行った様なカトリック教圏にはその国の謝肉祭のお菓子があるとおもわれます。
カーニバルのお祭りもそんな感じであそび”だめ”するためのお祭りだったのでしょうね。
本来ならばこのお菓子、
灰の水曜日 の前の火曜日に食べるものなのですが、まあ、この時期に食します。
今年は今週の水曜日が灰の水曜日でしたし。
たとえ私が忘れていても、夫は子供の頃から食べているのでこれをこの時期食べないと物足りのないそうです。
おかげで私も、夫の謝肉祭の揚げ菓子を食べる習慣が身に付いてしまいました。
なので毎年つくります。
パン屋さんにもスーパーにも売ってるけれど創った方が味を調節できるし、そのうち「うちのあじ」ってものになるかな、とおもって。
我が家は長方形でもねじり型でもなく、ちぎり型。
なので変な形だけどやわらかいところとかりかりなところを両方食べれるのです。
謝肉祭は復活祭の46日前なのでこれを食べればあとは、一ヶ月ちょっと待つと春の気配を感じるはずですね。
なので、このお菓子を食べるとしみじみと、もうじき春になるんだ、と体に染み付いた記憶が呼び起こされます。
お味も優しい粉砂糖にくるまれた、檸檬のささやかな薫りの生地。揚げ菓子の軽やかな歯ごたえ。
毎年といっても私にとってはこちらに来てからの習慣なのですが、それでも口に含んだ瞬間、ああもうすぐ春が来るなあ、と感じます。
本来の謝肉祭の揚げ菓子の意味からかなりかけ離れていますが、我が家にとっては春の予感を感じさせてくれるお菓子なのです。
この揚げ菓子を食べてしばらくすると今度はスーパーに卵と兎と魚のチョコレートが溢れかえり、なんとなくあたたかくなってきて、気がつくと春なのです。
春よ、こいこい、早く来い。
おしまい。