昨年、チケットを入手した直後にコロナ禍へ突入、公演は1年後に延期となり、

もともと持っていたチケットは昨夏早々に払い戻しを済ませていた。

 

そのため存在すら忘れかけていたアイスショーだが、

チケット払い戻し期限と出演者発表のタイミングのゴダゴダで

自分に影響はなくとも心を痛めていた。

 

主催者に対して複雑な気持ちもありつつ、羽生選手を生で観たいという気持ちに嘘はつけず、

チケットを再申し込み。最終日のチケットが当選したので横浜アリーナに行ってきた。

2019年12月の全日本選手権男子ショートプログラム以来の生観戦である。

 

 

私は「STARS ON ICE」を観た経験はないのだが、同じ主催者のショー

2016年の「NEW YEAR ON ICE」を観たことがある。

そのときの感想は「これで終わり…?」。

あまりにもあっさりとしたショーでぶっちゃけ「つまらない汗」と思った。

あの時は特別ゲストとして羽生選手が招かれていて、オープニングにも出ず、

立ち位置も「ゲスト」なので控えめだった。

2016年のあの時期というのはのちにわかることだが心身ともに羽生選手が非常に

苦しかった時期であり、このショーの映像も個人的にほとんど見返す気持ちになれないのだ。

 

 

要は、私の中で「STARS ON ICE」のイメージは良いとは言えなかったのだが、

初日に行かれた方の興奮のツイート等拝見し、

さらに金・土のCS生中継で完全にやられてしまった。

冗談抜きでオープニング部分は今までにないぐらいリピートしまくった。

 

 

だから開始2~3分前からドキドキが止まらなくて恋の矢

黒幕の向こうで「行くぞ!」的(実際には何と言っていたかは分からない)掛け声が聞こえると

会場全体から拍手が拍手皆さん、(私も含めて)分かってらっしゃる(笑)。

 

 

いよいよ暗くなって羽生選手のシルエットが浮かぶのかと思いきや、

音楽がなんか違う気が?キョロキョロ

最終日だけ特別演出があるのかと思って観客の手拍子が起きたが…やっぱり違うよねあせる

改めて…と思ったら今度は明らかに曲のかけ間違ええー

黒幕の向こうで再度仕切り直しの可愛い(笑)気合の掛け声がチュー

 

 

3度目の正直で正しい曲(Blinding Lights)がかかり、

気づけば羽生選手がシルエットではなく普通に出入り口の前に立っていた。

(私はロングサイドだったため後光が差すような演出を見ることはできなかった?)

 

 

土曜日のテレビ放送で正面から映した映像だと、細かいキレキレの足さばきは

出入り口からさほど離れてない場所で、その場で行っているのかと思っていたのだが、

(だから私はそのダンスを真横から見れるじゃないか、ラッキーと思っていたのだ)

 

 

実際にはマイケルジャクソンばりの腰振りをしながら

ツーっと真っすぐ一定の速度でリンクの横幅3分の2ぐらいまで進んでいたのだ。

これはかなり衝撃だった。

(金曜日のCS放送を見るとある程度分かるが、それでもスタンド席から生で観たのと

比べると分かりづらい。)

手拍子もしたい気持ちはあったけど、手拍子をすることに神経が持っていかれたくなくて、

私は羽生選手がいったん幕の向こうに下がるまで固まって見るしかなかった。

回し蹴りの素早さ、幕の向こうに下がる最後の瞬間まで「決めた」ポーズが崩れないところ。

全てが洗練されていてプロフェッショナル。

こんな羽生選手は見たことがない。

 

 

最後また羽生選手が戻ってきて中央で指を突き上げるフィニッシュポーズ。

そのときに初めて会場の大型モニタで羽生選手の表情を確認したら

恐ろしく男前だった恋の矢

 

 

そして恐るべきことにこの羽生選手の振付は自身で行ったものらしいガーン

控えめに言って「神」!

 

 

終わった後、幕の向こうに下がるとき、各人バラバラに帰っていくのではなく、

クロスの足の動きも全員で合わせて帰っていくのが

すごくカッコいいなと思った。

(FaOIでは見ない光景だなと思って、これがSOIらしさなのかな?と思ったり。)

退場まで動きを合わせたり、羽生選手のパフォーマンス自体、

素の?ノリノリの?ラフな?はじけ方ではなく、

完全に作り込んだものでコントロールされている。

再度書くが、全てが洗練されていてプロフェッショナルで、

これまでに見たことがない羽生選手だった。また一つ階段を上りましたねえーん

もし私が初日の客だったらあまりの衝撃に、情報処理がとても追いつかなかっただろうなあせる

 

 

本音を言うとやはりこのカッコよすぎるオープニングは音響のミステイクなく、

最初の緊張感を持ったままスタートしてほしかったな。

まぁ、ドタバタも一期一会でまた良しですが。

 

 

感想はぶっ飛んで大トリの「Let's Go Crazy」。

3Loがあまりにも軽すぎる!2回転に見えるぐらい。

そしてやっぱりこの曲は難しいなあせる頑張って手拍子をしてたんだけど、

ステップ直前のスピンのところ辺りでリズムが取れなくなったあせる

そしてリンクが狭い!

(ショーのリンクの狭さを感じさせない(試合のリンクと大差ない)と感じさせる選手も

多い。)

セーブしない「Let's Go Crazy」も見たいけど…とにかく大人の余裕がありました。

 

 

オープニングが秀逸だったのはもちろんだが、エンディングがまた眼福だった。

羽生選手の伸びやかな身体の使い方を堪能できた。スパイラルもあったしラブ

今回のメンバーの中ではもともと大きいほうだけど、実際の身長以上に

大きく感じられた。基本的な足運び、ターンの一つ一つがクリアで圧倒的。

オープニングもエンディングも羽生選手のソロパフォーマンスがしっかりあって嬉しかった。

SMILE〜晴れ渡る空のように〜」では「♪私とあなたが 逢うところ」の

逢 う と こ ろ」で一音(一文字)ずつ足を刻んでいたのがとても印象に残っている。

 

 

最後、一人一人選手が紹介されているとき、羽生選手は度々後ろを振り返ってくれた。

そしてそのときの腕の振り方が(漫然と心ここにあらずで手を振るのではなく)

コンサートの最後でペンライトを振ってるイメージに近い感じで、

そんな仕草一つとっても羽生選手の中には骨の髄まで

音楽が染みわたってるんだなぁ…と感じた。

 

 

最終日は演出を担った佐藤有香さんの演技もあったため少しだけ長くなったが、

それでも2時間半程度で公演は終了。

それでいてかつて「NEWYEAR ON ICE」で感じた淡白さはなく、

心から「行ってよかった」と思える公演だった。

 

 

出演メンバーは全員日本人。経験の浅い若手も多かった。

私は常々、日本の若手選手たちがGOATと呼ばれる羽生選手の背中を

身近に感じられる機会があればなぁと思っていた。

しかし「Fantasy On Ice」だとなかなか(特に男子)若手スケーターに

お呼びがかからず。。。

 

 

それが2019年の全日本選手権で久々に羽生選手が国内試合に出場、

さらに2020年の全日本では完全無欠の演技を披露。

そしてアイスショーでもどのような姿勢で臨んでいるか、

後輩に背中で示す機会が訪れた。

あぁ、こんな日が来るなんて…。嬉しいなぁえーん

 

 

最後に、コロナ禍で行われた有観客イベントについての感想。

これは人によってかなり感じ方が違うと思うが、

正直に言うと私はそこまでの恐ろしさは感じなかった。

開場前の待機列を見て「人が多い…」とは思ったが、

非常識な振る舞いをしている人は少なくとも私の周りにはいなかったし、

入場の案内も比較的スムーズに行われていた。

(手首での検温、足裏の消毒、手指の消毒はベルトコンベアー式といってよい)

プログラム購入列も整理されていた。

会場内でも会話は控えるように、出待ち行為禁止等、頻繁にアナウンスがあった。

 

 

悲しいかな、普段の通勤の電車・バスのほうがよっぽどストレスを感じているのでね。

(バスとか文字通り「すし詰め」のことも多々ありしょぼん

 

 

主催者には今後とも出演者、観客が不安に感じることのない、

適切な運営が必須となる。

その上でまた今回のような素晴らしいアイスショーが観られたらなと思う。

通勤以外では久々の遠出。楽しかったことは確か。

明日への活力をもらえました。

今後も感染対策はしっかりして日々を過ごしていきます。