おとといの夜は、六本木トリコロールシアターで、今江大地さん×飛龍つかささんの二人芝居『それを言っちゃお終い』を観劇。

2018年にオープンしたトリコロールシアターには初めて入った。フランスの戯曲を中心に上演している劇場なのかなと思ったが(トリコロール=青・白・赤の三色旗)、アーカイブを遡ってみると、そうでもなかった。

 

かわいらしい外観。

 

この劇場では、フランス現代劇『Fallait pas le dire(それを言っちゃお終い)』を、バージョンを変えて数回上演していて、今回はⅦ. つまり7つめのバージョン。今江大地さんが〈彼女〉役、飛龍つかささんが〈彼〉役を演じる、男女逆転のパターンの、ストレートプレイ。これまでには、ミュージカルバージョンや、朗読劇バージョンもあったり、男性二人で演じたり、男女3~4人で演じるバージョンもあったようだ。

 

休憩なし75分。11景に分かれていて、ショートストーリーの羅列のようにも見えるが、最終景ですべてのストーリーが回収され、そういうふうに つながっていたのか…となる。よくできた構成、脚本。おもしろかった。

今江さん演じる〈彼女〉は、思ったことを全部 口に出してしまう、素直と言うか、正直なヒト。逆に、飛龍さん演じる〈彼〉は、何事もオブラートに包んで語るような、良く言えば思慮深い大人、悪く言えば、格好つけた理屈っぽい面倒くさいヒト。

男女逆転ならではの面白さもあり、性別関係なく、こういう時にこういうことを言える人はいいな、とか、気を遣って言わないことも必要だよな、とか、色々考えながらの観劇タイムだった。

コメディを観に行くつもりで観劇に臨むと、意外にマジメな内容(環境問題とか代理母出産とか児童性愛とか左翼右翼とかetc.)に、おっ?そうくる?と、面食らってしまうかも。

 

今江さんの舞台は初めて拝見したが、旧ジャニーズの演技巧者の皆さんと同様、舞台を中心に活躍されているということが頷ける、安定感。カーテンコールで、飛龍さんが、「公演も折り返して後半戦に入って、あと4回で終わりです」と仰った時、あと4回しかできないのが淋しそうな今江さんのご様子に、本当にお芝居が好きで、この作品が好きなんだろうなあと感じた。

 

飛龍さんは、膨大な台詞を立て板に水の如く聞かせて下さるところはさすがだなあと思ったし、タカラヅカを卒業後、初のストレートプレイへの挑戦は上手くいったのではないかと。普通の(?)女性役がなかなか見られないけど、いつか、観る機会があればと思う。3日前に、4月の舞台『セーラームーン』にクンツァイト役で出演されることが発表されたが(おとといの客席には、タキシード仮面で出演されるアノ方のお姿もあった)、私も『セラミュ』初観劇となる…予定。