宝塚歌劇団の卒業生で、退団後は振付家として活躍し、歌劇団理事も務めてきた、羽山紀代美さんが、6月10日に他界されたという。6月13日に公表されたようだ。

 

私がタカラヅカと出会った頃、羽山先生は すでに色々な公演で振付をされていたが、当時の(小学生だった)私は、まだ、お名前に なじみは無かった。羽山さんと同じく宝塚OGである司このみさん(羽山さんより1期上)の お顔とお名前を、先に覚えたかな。他、振付家と言えば、喜多弘さん、山田卓さん、アキコ・カンダさん、朱里みさをさん、小井戸秀宅さん、中川久美さん、岡正躬さん…半世紀近い年月が経っても、あの頃 覚えたことは記憶に残っている(10代の脳ミソは柔らかいということかね)。

 

司このみ先生は「タカちゃん先生」で、羽山紀代美先生は「マコちゃん先生」だと覚えて、徐々に、この場面は羽山先生の振付なんだ!と意識するようになったのは、いつ頃だったろうか。

1985年、月組『ヒート・ウエーブ』の「ドリーミング・ウエーブ」の場面。

1990年、花組『ベルサイユのばら フェルゼン編』のフィナーレナンバー。

1991年、花組『ジャンクション24』のプロローグ。

1995年、花組『ダンディズム!』の「ハードボイルド」の場面。

1996年、雪組『エリザベート』のフィナーレ“闇が広がる”の場面。この初演以降、ずっと受け継がれてきた群舞。

まだまだ、たくさんたくさん、あるけれど…。

 

特に、大階段を使った、男役の群舞は、これぞ羽山先生のお家芸!という感じで、生徒さん達も、「羽山先生の黒燕尾の場面♡」と、嬉しそうに お話されている印象。歴代トップスターさん達も、トップお披露目で、あるいは、退団公演で、羽山先生の黒燕尾ができて幸せだ、夢が叶った、と仰っていましたよね。

 

来月の花組公演『GRAND MIRAGE!』では、羽山先生のボレロ・ルージュの場面とやらがあるらしく…その場面の振付が遺作ということなのか?と思ったら、以前に他組で演ったものらしい。最後の振付作品は、前回の花組公演『アンシャントマン』だそうです。

 

1997年、安奈淳さんのホームカミングコンサート『愛の宝石』のプログラムより。

1973年の星組公演『ラ・ラ・ファンタシーク』がNHK-BSで放送された際に、星組に在籍していた娘役ダンサー・羽山紀代美さんのダンスを拝見する機会があった(同年12月の『ゴールデン・サウンド』で、羽山さんは退団)。他の作品は残念ながらまったく観る機会が無かったが、1作品だけでも観られてよかった…と、自分に言い聞かせる。

 

ご冥福をお祈り致します。天国から、後輩たちを見守っていて下さい。