現在、宝塚宙組のトップスター・真風涼帆さんが、サヨナラ公演の真っ最中。私は、当ブログでも、この「サヨナラ公演」という言葉をちょくちょく使っているが、今は「退団公演」という言葉のほうが一般的みたいですね。「サヨナラショー」という言葉は残っているけど、「サヨナラ公演」という言葉は ほとんど使われていないのが現状だと悟りました。
で、真風さんの退団公演。小池修一郎さんの手掛ける1本立てである。この「1本立て」という言葉も、昔ほど使われてないかな…「1本物(いっぽんもの)」と呼ぶほうが多いですかね。でも、「2本物(にほんもの)」と言うと、「日本物」と同じイントネーションだしなあ。
トップさんの退団公演が1本立てというのは、久しぶりだよなあ、いつ以来だろう、と、ふと思ったので、歴史を振り返ってみた。私は、昭和の『ベルばら』ブームの頃にタカラヅカを知ったので、気づけば、約半世紀も、タカラヅカに魅せられているのである。私が初めて認識したトップスターさんが、あの【ベルばら4強】。私の中の「タカラヅカのトップスター」の基準は、あの4人の方々なのだ。
宙組トップさんの退団公演が1本立てなのは、和央ようかさんの『NEVER SAY GOODBYE』(2006年)以来。真風さんの初舞台作品でしたね。真風さんは、宙組の8代目トップさんですが、最後が1本立て作品だったのは、和央さんと真風さんのお二人だけ。
花組トップさんのサヨナラ公演を、私が初めて生で観たのは、安奈淳さんの『風と共に去りぬ』(1978年)。安奈さんの後任・松あきらさんのサヨナラ公演は、『夜明けの序曲』(1982年)。それ以降、1983年に退団された順みつきさんから、2019年に退団された明日海りおさんまで、1本立てで去って行った花組トップさんは一人も居ない。
月組トップから専科へ移られた榛名由梨さんのサヨナラ公演は、星組トップ娘役・南風まいさんのサヨナラ公演『戦争と平和』(1988年)だった。但馬久美さんも同時退団でしたね。榛名さん以降の月組トップさんで、1本立てで最後を飾ったのは、涼風真世さんの『グランドホテル』(1993年)、天海祐希さんの『ミー・アンド・マイ・ガール』(1995年)、紫吹淳さんの『薔薇の封印』(2003年)、彩輝直さんの『エリザベート』(2005年)。
雪組トップスター・汀夏子さんのサヨナラ公演は、『去りゆきし君がために』(1980年)。それ以降の雪組トップさんで、サヨナラ公演が1本立てだったのは、お二人だけ。杜けあきさんの『忠臣蔵』(1992年)、一路真輝さんの『エリザベート』(1996年)。雪組トップ(1997~2002)から専科へ移られた轟悠さんの退団公演は…本公演で主演でというわけにはいかなかったのかな…。
星組トップスター・鳳蘭さんのサヨナラ公演は、『白夜わが愛』(1979年)。確か、当時の鳳蘭さんは、専科所属だったっけ。鳳さんの後任の瀬戸内美八さんは『オルフェウスの窓』(1983年)、瀬戸内さんの後任の峰さを理さんは『別離の肖像』(1987年)、峰さんの後任の日向薫さんは『紫禁城の落日』(1991年)…と、星組さんは、1本立てで退めるトップさんが続きました。日向さんの3代後のトップさん・稔幸さんが『ベルサイユのばら2001』(2001年)で退団された後は、1本立てで退団された星組トップさんは居ない。
個人的な好みで言えば、退団公演は、お芝居とショーの2本立てがイイ、と思っています。