昨日は、光が丘IMAホールで、ミュージカル座公演『バクマツ。』千秋楽を観劇。
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おとといの朝も大変な天候だったが、昨日の朝も 雨&風が凄すぎて、電車 止まらないで~!と祈りながら、劇場へ向かった。満席でキャンセル待ちの盛況だったのに、空席が見られたのは、台風の影響以外の何物でもない…残念。

見上げたボーイズ主宰の川本昭彦さんが脚本・作詞・演出を手がけた、オリジナルミュージカル。見上げたメンバーの幸村吉也さんが殺陣を、平野亙さんが振付を担当。作曲は、和太鼓パフォーマーの大倉達則さん、音楽監督はSINGOさん。和太鼓・津軽三味線・尺八の生演奏!という、異色のミュージカルである。

キャストが59人…いくらなんでも多過ぎだろうと思っていたが、いざ観劇してみたら、大人数ならではの迫力と、一人一人のキメ細かい演技で、無駄に人数が多いとは感じられなかった。30人ぐらいでも、作品としては成り立つんだろうけどね。

当たり前のことだが、井上一馬さん(近藤勇)、宮川浩さん(土方歳三)、畠中洋さん(坂本龍馬)、今拓哉さん(桂小五郎)といった、40代・50代のベテランさんが登場すると、空気が変わると言うか、場が引き締まると言うか…一朝一夕には身につかない、揺るぎない安定感が素晴らしい。高嶺ふぶきさん(坂本龍馬を演じる役者)が、昔 取った杵柄で、男っぷりと 見事な立ち回り(‘日本物の雪組’育ちだもんね)を見せる。

実質 主役の大谷美智浩さん(仲介屋・櫻木屋甚八)が、何とも粋で洒脱で格好良くて、今まで観てきた大谷さんの役々の中では、いちばん好き!そして、ミュージカル座の期待の星・武者真由さん(池田屋おかみ)の、抜群のコメディセンス…歌もダンスも芝居も巧いっっ!!

初日に公演パンフを買って 中を開いて 初めて知った、川本さん(仕立屋銀次)と幸村さん(勝海舟)のキャスト交代。初日1週間前の、幸村さんの左足の負傷による措置だそうで…パンフを読まない人は、直前にキャスト変更があったなんて、気がつかないであろう、御二人の完璧な演技。すごい…。感動を通り越して、驚愕。本来のキャスト(幸村さんの銀次、川本さんの勝海舟)も観てみたいけど、夢に終わるかなあ。

良質の、嘘の無い、本物の舞台、本物のミュージカルを創ることを目指してきた、川本さん。昨年秋の見上げたボーイズ公演『テキサスブロンコをぶっ飛ばせ!!』は、今の日本のミュージカル界にモノ申す、風穴を開ける、意欲作(問題作?!)だった。
『バクマツ。』は、痛快!!時代劇ミュージカルと銘打たれた、文字どおり痛快な作品。『テキサス‥』とは また違う角度から、日本のミュージカル界に宣戦布告する舞台になったのでは。作品の根底にあるのは、甚八の台詞にも何度も出てきた、愛。愛があれば。愛、だな。愛をもって、国を変える、世界を変える。前楽の客席に居られた、三ツ星キッチンの皆様の作品創りにも共通する…愛。

ミュージカル座×見上げたボーイズのコラボ作は、想像以上、期待以上の、痛快娯楽作だった。血の滲む想いで 作品を創り上げた皆さんに、本当に本当に感謝。素敵な舞台をありがとうございました!!