両国国技館大会が終わり、二日が過ぎました。




何から書こうかな。


正直、まだ頭の中がごちゃごちゃしてるけど、思い付いた事から書いてみます。




試合前のウォーミングアップ時、いつものビッグマッチとは違う、変な緊張感がずっと消えなかった。


それは、対戦相手のNWAチャンピオン、ロブ・コンウェイ選手に対しての不安。


この不安の一番の理由は…果たして噛み合うのか、噛み合わないのか、という部分。


わずか二日前に初めて会った相手と、大会場でタイトルマッチをする。


自分の個人的な意見だけど、勝ちたいという気持ち以外に、ファンの人に喜んで、興奮してもらいたいという思いがある。


選手によっては「俺はファンの為に試合してる訳じゃねえ。自分の為だ」という場合もあるし、それも一つの考えだから、間違っていないと思う。


ただ、自分は22年というプロレス人生の中で、常にファンの方からの応援を力に変えてきた。




だから、噛み合ったイイ試合をした上で勝ちたいという気持ちがあったんだと思う。


しかも、この試合はトリプルメインイベントという扱いもされていたから、その不安は余計に大きかったかもしれない。




そして、対戦相手のロブ・コンウェイ選手の存在は、恥ずかしながら知らなかった。


だから、対戦が決定した後、知り合いに彼の試合模様が入ったテープを取り寄せてもらって、研究した。


それを見た第一印象…『凄く堅実で丁寧なプロレスをするな』


悪く言えば地味なんだけど、一つ一つが正確で、動きに無駄がない。


はっきりいって「厄介な相手だな」と思った。


堅実だけど地味だから、果たして両国国技館という大会場のお客さんに、それが伝わるだろうか…と。


しかも、自分の一つ前の試合が、《永田・後藤vs桜庭・柴田》という、因縁ありまくりの極上カード。


それと比べても、自分とコンウェイ選手には因縁がない事が分かる。


プロレスファンの人って、戦う選手同士の因縁や人間関係に思い入れを持って観てくれる方が多いから、その部分でも不安は拭えなかった。




なんか、不安だった事ばかり書いてますが(苦笑)、本題へ。






試合直前、特にお願いした訳でもないのに、テンザンが自分の元へやってきた。


「コジ、頑張れよ」と言ってくれたテンザン。


その瞬間、ずっと抱えていた不安がスーッと消えた。


そして入場した瞬間、想像以上に歓声を頂く事ができて、正直驚いた。


相手のコンウェイ選手とは何の因縁もなかったのに、自分がNWAのベルトに挑戦する事に対して声援をもらえた事が本当に嬉しかった。




ゴングが鳴り、試合開始。


コンウェイ選手は、自分の想像通り、敵の気持ちをはぐらかしながら、うまく自分のペースに引き込む作戦にきていた。


そして、お客さんに伝わらづらい小技も挟めてきた。


例えば、レフェリーのブラインドをついて、私の後ろ髪を少しだけ引っ張るとか。


あと想定外だったのが、セコンドに就いていた用心棒の存在。


マイク・タイソンを彷彿とさせるルックスは、はっきりいってコンウェイより“フタマワリ”は大きくて怖い。


その人が、要所要所で邪魔してきた。


そうか、このセコンドも含めて“NWA”なのか。


だから、途中からは開き直っていたかも。


コンウェイが繰り出す理詰めの首攻撃は、必殺技のエゴ・トリップにいく為の布石。


自分もラリアットにいく為の布石として、よく首に攻撃を加えるから気持ちは分かる。


で、一番効いたのが、高速のネックブリーカー。


首周辺に変な熱が生まれ、このままじゃヤバイと思いました。


その後、うまく彼の必殺技を掻い潜り、ブレーンバスターへ。


通常のカッターから雪崩式カッターへと繋ぎ、いよいよラリアットだと思ってロープに走った瞬間、また用心棒の邪魔に遭い、不利な展開に。


で、その後ラリアットを決める事ができたんだけど、それも邪魔に遭い…結果的に敗北。


最後の技も初めて食らったんだけど、凄まじい破壊力だった。






試合が終わり、またしてもテンザンが駆けよってきてくれた。


普通、これだけのキャリアを積んだら、余程の理由がないと誰かのセコンドには就かない。


それでも、当たり前の様に就いてくれた。


マスコミに対しても、私の擁護を繰り返すテンザン。




なんか、申し訳ない気持ちと有り難い気持ちがごちゃごちゃになって、訳が分からなかった。






これで、またしてもシングルの大切な試合で敗れてしまった。


昨年の暮れから続く、大一番での敗戦。


ノア・森嶋戦や石井戦、タッグでもランス&スミスに勝っていない。




でも、そこまで?悲観はしていません。


なぜなら、初めて三冠ヘビー級チャンピオンやIWGPチャンピオンになった2005年の前年も、こんな感じだったから。


三沢さん、武藤さん、健介さん等、当時の大物選手に敗戦を繰り返して、歯を食い縛り頑張ったからこそ、川田さんに勝てた感動があったと思っているので。


だから、前向きに頑張ります☆






追伸…何回も保存を繰り返して文章を作ったので相当長くなりましたが(苦笑)、読んで頂きありがとうございました。