『アノ男』と戦うのは、約二年半ぶり。


その二年半の間に、アノ男は、網膜剥離と首と肩の手術を乗り越えてきた。






会場入りした後…オレは、高揚しすぎた気持ちを抑えるのに必死だった。


そして、自分の試合前の入場する直前、その気持ちはピークに達していた。




自分が先に入場した後…アノ男が入場してくる。


リングで待っている間、アノ男のテーマ曲を、目を閉じながら聴いていた。


思い出が詰まった、詰まり過ぎた、アノ男のテーマ曲。




真っ赤なコスチューム、真っ赤なガウン、真っ赤な“角”を身に纏ったアノ男。




オレは、ハヤル気持ちを落ち着かせるように、先発をマホン(本間)に託す。


すると…


アノ男が、自分を名指しで呼んできた。




懐かしい叫び声。


懐かしい観客への煽り。


そして、懐かしいロックアップ。






そこから先は…もう…この試合がトーナメントである事を忘れてしまっていた。




モンゴリアンチョップを受けるたび、首筋に懐かしい痛みが蘇る。


もう、お互いに止められない。


気付けば、場外で、夢中になって殴りあっていた。


その間に、リング上で決着がついていた事にも気付かず…二人で罵声を浴びせあいながら、殴りまくっていた。




なんなんだ、この興奮状態は。


こんなに心から興奮したのは、久しぶりだった。








正直…今だから言うと、試合前は心配だった。


二年に渡り欠場していた事。そして、その病が重度の症状だった事。


復帰戦で涙を流していたアノ男をテレビで視ていたから、感動もしたし、とにかく心配だった。






でも、あれだけ殴りあって、あれだけ元気な姿を見せ付けられて、






「心配して損した(笑)」






あんなに元気なら、何も心配いらないよ。




また、シバキあおうぜ。










アリガトウ、テンザン!!






本日…三連戦の最終日。


ディファ有明にて、19時00分ゴングです。




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画像は、まだ興奮状態が抜け切らない?筆者。