N視点
俺には生まれた時からなにもなかった。お金も親も親族も何もない。 あるのは、妙に整ったこの容姿だけ……。物好きな汚い大人が俺を買っていく。
ある買われた夜、主人に王様が奴隷を募集しているから試しにエントリーしてみないか?と言われた。俺はちっとも興味なかったけど、主人が金をあげるというので軽い気持ちで受けることにした。
王宮に入ることなんて一生ないと思っていたのに、まさか王様にも間近で会えるなんて……。王様ははっきりいって、ぼうっとしている人というのが第一印象。でも、その優しい瞳や顔つきになんとなく引かれる。
「では、一人ずつ立って名前を述べなさい」
頭からすっぽり被る白い服を着た俺と同じような身分の人が、端から名前を述べていく。王様は興味のなさそうな顔で聞いているようだった。
「次」
その声とともに俺は足に力を入れて、立ち上がった。