未来は決まっており、自分の意思など存在しない。 読みました

この本が伝えたいことは、タイトルに書かれている。


この世は全て事前に決まっており、自分の意思は幻影だ、というのが仮説として提示される。


そんな馬鹿なとは思うが、数々の分野の実験結果や考察の説明を本書で受けると、否定できなくなる。


まず、ある実験結果が衝撃である。


手首を曲げるなど、人間が運動をする時に脳から指令が出るタイミングと「手首を曲げるぞ」という意思をもつタイミングを調べた実験があるそうだ。


結果は、脳から指令がでた後に人は意思を持っていた、というもの。


人の意思に従って脳が働き指令を出していたのではなかったのだ。


では、脳は一体誰の考えの元動いているのか、という大きな疑問が残る。


環境からの刺激に反応している、ということが本書に書いてある。


環境との相互作用で人間は動いているのだ。


少し身近な例を考えると、ピンときやすいのではないだろうか。


友達が自分の好きなアイスを食べている。時間は昼で気温は高い。そのアイスが食べたくなってきた。コンビニに行き、アイスを買い、食べる。


似たようなことはよくあるはず。


この時、自分の意思でアイスを買ったのか?それとも友達にアイスを買わされたのか?


コンビニのレジでアイスを買ったのは間違いなく自分だろう。でもアイスを買いたくなったのはそもそも友達が食べていたからではないか。


周囲の気温も関係しているはずだ。冬で寒いなら買わなかったかもしれない。


どこからが自分の意思であるか、考えると少し不思議な気持ちにならないだろうか。


こんなところで。