毎日、猛暑日が続いて熱中症の患者数がうなぎ上りに増えている。うなぎ上りと言えば本日は「土用の丑の日」、以前から値段とともに高級感を漂わせていたが、稚魚の品薄から更に超高級食材になってしまった。代用品としてさんまやあなご、中には茄子なども出てくる始末。もう幻の魚・・・「天然鰻」と、でも呼ばれる日も近いのか??
●ある社長のボヤキ
ある会社に訪問した時の話である。
私より後からふらっと訪問して来た社長さん。覇気もなく眼力も弱い、まるで死んだ魚のような眼をして、何やら独り言「ボソボソ」・・その後・・うな垂れる。
周りの者は気を回してか「夏バテですか」と気遣っている。余りに面白そうなどでつい聞き耳
を立ててしまった。
どうやら、少し前まではかなり羽振りの良い会社だったらしいのが、ここ数年の不景気からか業績が悪化の一途を辿っているらしい。それはそれでさほど珍しい話でない。
案の定、利益確保の為、今年の春(4月~)から役員報酬を下げ、社員の夏の賞与も誰が聞いても驚くほどの減額をさせたらしい。それでも賄えないほど業績が悪化しており、第2、第3いやいや第10くらいの対策が必要らしいのだが、まだそれらも決まっていない現況らしい。
そんな中、自暴自棄になってしまったのか気が付くと、ここ1週間毎日のように銀座や六本木などのネオン街にくり出し100万円ほど使ってしまったらしい。その領収書の束をデスクやいろいろな所に分散して隠していたのが、今朝、秘書に発見されたとのこと。
Q 「秘書さんだったら、何とか理由をつけて経理で処理
してもらったら・・」
A 「(元気なく)・・秘書と言っても・・うちの家内です
から・・ハァ~
」
その奥様兼秘書さんの厳しい追及があり平身低頭で謝ったのだが、このままだと家を追い出されかねない勢いなので自己嫌悪に陥っているとの話だった。
「ハハ、やっちゃいましたね
」周りの方々は苦笑気味。
ここで、私が伺った会社の社長さんが気の利いたセリフを一つ。。
「今の、この瞬間の気持ちが大切なんですよ」
「せっかくネオン街で豪遊し散財してきたのだから、金がスゥーっと減っていくふところの様子を眺めながら男子の鉄腸を鍛える必要がある。あなたの場合、鍛えなきゃいけないその場面で怖じ気づいて退散してしまっているではないか」
「江戸っ子が宵越しの銭をもたないといったのは、明日のことを計算して中途半端な金の使い方をすると心をくじけさせるから良くないと教えたもの。稼いだお金を誰かのために使ってあげたのだから、大いに喜ばしい。100万円のお金をネオン街で使えるあなたの豪儀さを褒めてあげましょう。そんなことができる人はそんなには多くない。あとはそれ以上稼げばいいだけだから」
う~、さすがに年の功、良いこと言うね。きっとこの使い込み社長も元気になる筈。
と、ところが叱咤激励はこの社長には届いていないのか、虚ろな目は変わらず、ただただうつむいている。
きっと社員の賞与を減らしていながら、自分だけはこんな無駄遣いをしているなんて許せないと言う気持ちなんだろうなぁ。
でも、許せないなら今日からスパッとやめればいいのだ。済んだことをクヨクヨ引きずるのが一番いけないことである。
その時、またまた気の利いたお言葉・・と言うよりは、ある禅僧の感心させられる逸話がでて来た。
「いいか、良く聞きなさい。江戸時代、禅僧の師弟が東海道を旅していた。大井川にさしかかったと時、若い女性二人が川を渡れず困っていた。そこで師弟は相談し、その女性を肩車して川向こうに渡してあげることにした。当時のご婦人は着物の下にはなにも着けていなかった。渡し終えて師弟はそのまま京に向かって旅をつづけた。約一時間ほど、二人は無言で歩いた。やがて休憩のために茶店に入った。弟子は団子をたべながらこう言った。「老師、修行中の身であのようなことをして本当によろしかったのでしょうか?」師は言った。「おまえはまだ婦人を背負っているのか。私はとうの昔に降ろしてきたぞ」と・・・・」
引きずらない、執着しない、妄想しない、今この瞬間に専念することを教える禅的なエピソードであろう。
果たしてどの程度その社長に伝わったのか分からないが、それでも先程よりは後ろ姿に力強さを漂わせて帰っていかれた。
今日はこのへんにしとうございます。