「絶対音感」という言葉が流行し、音感に関する認知度がかなり上がっているのに対して、リズム感を養うことがそれほど重要視されていないような気がするのは私だけでしょうか。
音楽の3大要素・・・リズム・メロディ・ハーモニー。
特殊なもの以外はこれらで音楽が成り立つというのに、リズムに関して十分な理解がないままに、ピアノレッスンが進行しているケースが多いように思います。
「リズム」と一言で表現していますが、この「リズム」という科目内に、拍(ビート)に関する知識のお勉強が加味されていないと、安易にリズムの種類を把握しただけのソルフェージュレッスンになり、実践で使いものにならない可能性があります。
かなり昔の話ですが、ピアノを習っていたという中学生の女の子のレッスンを、途中からお引き受けすることになった時の事です。
彼女は、ソナタのお勉強に入っており、演奏自体もそれなりに頑張ってやっていた事がうかがえました。
途中、弾きにくそうにしていた部分があったので、私はその部分のリズム変え練習を提案しました。
彼女の楽譜の空いている場所に何種類かのリズムを書き込み、これらのリズムを使って弾いてみましょう!と言うと、彼女は非常に困った顔をしているのです。
ん・・・?!
「リズム練習をしたことがないの?」と尋ねると、「リズム練習はしていたけれど、先生がお手本を弾いて、それを聞いてマネしていたから、リズムを書かれても、それをどうしたらいいのかわからない・・」とのこと。
そこで、ソルフェージュレッスンをしていたのか確認したら、ソルフェージュレッスンも受けていましたと言うのです。
えぇ?!
しかも、リズムたたきもやっていました、と言うのでその教材を見せてもらったら・・・
その時指定したリズム(付点やシンコペーション等)は、既に終了しているようでした。
それなのになぜ・・・ちんぷんかんぷんなのだろう・・・??
理由を探っていくうちに、彼女は、拍とリズムの関係をよく理解していない事が判明しました。
そこで、基礎からソルフェージュレッスンをやり直すことになりました。
この拍とリズムの関係について、しっかりお勉強してからの彼女は、レッスン能率も格段にアップし、ショパン、ドビュッシー、ラヴェル等・・・と、どの作曲家の楽譜も安心して取り組めるようになりました。
もちろん、リズム練習も大活躍です
このように、ソルフェージュレッスンとピアノレッスンがシンクロしていないと、せっかくのソルフェージュレッスンも生かしきれない事があります。
ソルフェージュレッスン内だけで、リズムたたき等が得意でも、実際のレッスン中に楽譜上でそれが活用できなければ、せっかくのソルフェージュレッスンがもったいないですよね。
特に、音符読みは、教える側も教えやすいし、学ぶほうも覚えやすいので、あっという間に進むのですが、それに比べリズム練習は教える側がかなり工夫してレッスンを行わないと、生徒さんは理解しにくく、理解していると思っていても、実際のレッスンの際に役立たないケースが多いように思います。
このようなリズムのジレンマを無くそう!と、私の教室ではオリジナル教材を作って対応しています。
その教材の事はまた後で書きたいと思います。