今回の受賞は…
相米慎二監督の代表作で
世界的にも評価の高い
『台風クラブ』
もし『ここ30年で海外に通用する日本映画を
1作品選べ』(恐らく…こんな質問は無いが…)
という問いがあれば…
僕は『台風クラブ』を選ぶだろう…
それほど素晴らしい作品だ!
相米慎二監督といえば…
『セーラー服と機関銃』などで有名な監督だが…
一方、40代前までは…
ワンシーンワンカット長まわしでも有名だった
ワンシーンワンカット長まわしは
古くは日本の溝口健二
(ワンシーンワンカット長まわしの産みの親)
世界的に有名なのは先日亡くなった
ギリシアのテオ・アンゲロプロス
(ワンシーンワンカット長まわしを芸術作品として確立した)
そして…相米慎二監督の
ワンシーンワンカット長まわしは
多くの出演者を使い遠近法に近い
表現でスクリーンに奥行きを与えた
そのようなイメージだろう…
実際に本作「台風クラブ」は…
これといった大きな本筋がある
あるわけではない
しかし…
演じている中学生たちの演技に
何故か引き込まれていく…
(世界観という表現が相応しいだろうか)
もちろん退屈になりがちな
ワンシーンワンカット長まわしを
飽きさせない工夫が感じさせる
カメラワークも見逃せない
(時に遠くに…時に近くに)
そして…
もう1点見逃せないのが…
表現の殻を破っているところ
自分勝手な教師…
中学生の性…
若者と死など…
公開された1985年まで…
そして公開して25年以上経つ今ですら…
なかなか表現できていないテーマ
つまり…表現の殻を破っている
あのイタリアの名匠
ベルナルド・ベルトリッチをして…
『自分の創作意欲を沸きさせてくれる作品』
言わしめたほど…
世界中の映画関係者に評価された作品
『台風クラブ』
相米慎二監督は53歳という若さで
この世を去ったが…
本当に惜しくてならない
表現的にもきわどいので 
なかなか置いているレンタルショップも少ないが…
是非…観てほしい!


