第15回 『木靴の樹』 | 勝手にFUKUOKA国際映画祭のブログ

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第15回 「木靴の樹」

1978年イタリア

監督・脚本:エルマンノ・オルミ



受賞ポイント「何もしない=演出」



【賞 評(ここが好き)】


今回の受賞は…

カンヌをはじめ

世界各国で賞を総なめにした

イタリアの巨匠エルマンノ・オルミの名作

『木靴の樹』


イタリアの貧しい小作農民集落を

描いた本作だが…



ドキュメンタリーのように

出来るだけ過度な

演出はしていない

つまり…あえて何もしていないのだ!


撮影はほぼ

自然光を利用

夜のシーンもロウソクの灯りのみで

撮影と…

貧しい農村の暗さ

明るさをそのまま表現している

(照明を使わないのだ!

そのため映像の質感も

今見ると若干古っぽく感じる)


さらに出演者も

実際の農民を使い

よりリアルな映像になっている

(この条件で面白い作品を作るのは

かなりの技量が要求される!本当にスゴイ!)



過酷な小作農民の

小さな幸せ…

そして…大きな不幸を

体感できるような本作


あえて何もしないという…演出

簡単そうだが…

実は一番高度な演出方法!


また自然光撮影のため

農村の四季がよりリアルに

感じられるのも本作の特徴

構成的に劇的な展開もないが

180分という長さでも

飽きさせないのは

集落に住む4家族の

リアルな生活に入り込めるが故…


世界中の映画監督から

いまだに賞賛されている本作

もし180分の時間があり

視聴するチャンスがある人は

是非見て欲しい!

【あらすじ】

イタリアの小作農民4家族が暮らす集落

過酷な生活のなかで小さな幸せをみつけ

生活している

ある日…その中の一家族が

子供の壊れた木靴を修理するために

地主に禁じられていた樹を切ってしまう



レンタルショップ発見率

★★20%

VHSレンタル時代は結構多くの

レンタルショップに置いていたが

現在置いているショップは少ない