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<ニクソン・ショック>揺らぐ基軸通貨ドル…15日で40年
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円相場の推移
 ニクソン米大統領がドル防衛のため、ドルと金の交換停止を打ち出したニクソン・ショックから15日で丸40年を迎える。当時、ドルの価値を保証していた金との交換が停止されたことで、変動相場制の時代が幕を開けた。この後もドルは世界の基軸通貨の地位を何とか維持してきたが、08年のリーマン・ショックや新興国の急速な台頭で、世界経済地図が塗り替わりつつある。ドルの基軸通貨の地位が揺らぐ中、世界の金融市場の動揺も続く恐れがある。【小倉祥徳】

【日銀は】欧米危機波及を懸念 白川総裁、政府に財政改革促す

 ◇新興国台頭、世界地図に変化

 第二次大戦後の世界経済は、世界で唯一金と交換できるドルと各国通貨が固定レートで結ばれるブレトンウッズ体制の下で安定的な成長を続けた。だが日独の輸出急増やベトナム戦争の長期化に伴い、米国は貿易赤字の拡大やインフレに直面。金保有高が激減し、ニクソン大統領が1971年に金とドル交換の一時停止を表明し1ドル=360円の固定為替相場制は崩壊。12月に308円で仕切り直しを図ったがドル売り圧力は強く、73年2月に円相場は再び変動相場制に追い込まれた。

 ドル安の流れを決定づけたのが、85年に日米欧の先進5カ国(G5)がドル売り協調介入に踏み切った「プラザ合意」だ。レーガン政権下で財政・経常の「双子の赤字」に苦しんだ米国は、ドル切り下げによる経済回復を志向したのだ。その後、円高は一貫して進行し、99年には欧州の単一通貨ユーロが誕生。さらに中国など新興国が台頭し、米国とドルの地位低下は続いた。

 現在でも、ドルは依然として世界の外貨準備の約6割を占め、「国際間の決済の中核という意味で基軸通貨の地位を占める」(財務省幹部)。だが、米同時多発テロへの対策やリーマン・ショック後の経済対策で、米国の財政赤字は膨張。最近はドル売りや景気失速懸念も加わり、米格付け会社は今月5日、初めて米国債を引き下げた。財政赤字の悪化でドル売りが止まらない構図は、ニクソン・ショックの当時と重なる。

 それでも、ユーロは、域内各国の財政不安で、投資家の信認が低下。また、経済成長が著しい中国の人民元も管理相場に置かれたままで、ドルの代役にほど遠い状況。当面「ドルに代わりうる通貨が存在しない」(内海孚元財務官)との見方は強い。

 ただ、「米国は自国の利益を優先させている」との新興国側の批判もくすぶる。景気下支えのため、10年11月に金融の量的緩和を行った結果、膨張したドル資金が新興国や商品市場に流入し、新興国の通貨高やインフレを招いたためだ。浜矩子同志社大教授は「基軸通貨国は、他国の繁栄も考え世界の経済運営をすべきだが、米国は自国利益優先でその役割を果たしていない」と指摘する。

 各国が米国に対抗して、自国通貨高を防ぐための介入や資本規制に踏み切る「通貨安競争」が再び起これば、貿易縮小と世界的な景気悪化の悪循環に陥りかねない。リーダーなき世界経済秩序とともに、ドルの先行きもまた見えづらい。

 ◇ニクソン・ショック◇

 1971年8月15日、ニクソン大統領がテレビ演説で発表したドル防衛策。金・ドルの交換の一時停止▽10%の輸入課徴金▽賃金と物価の90日間凍結▽連邦支出の削減--など8項目からなり、失業やインフレ、国際的通貨投機克服が目標とされた。当時、ベトナム戦争の戦費で米国の財政赤字は拡大しており、ニクソン大統領は「経済的に強力になった以上、世界の自由を防衛する重荷の正当な分担を引き受ける時がきた」と日本などに応分の負担を求めた。これを受け、東京市場にはドル売りが殺到。日米欧は同年12月にドルを切り下げた新たな通貨交換レートを定めるなど固定相場維持を図ったが、ドル売りの激化のため、73年3月までに、相次いで変動相場に移行した。



「この記事の著作権は毎日新聞に帰属します。」




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「超円高」対応力が急務 ニクソン・ショックから40年
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円ドル相場の推移(写真:産経新聞)
 「日本経済にとってどんな意味があるのか、あまりに想定外でピンとこなかった」。当時、旧大蔵省の若手官僚だった元財務官の加藤隆俊・国際金融情報センター理事長は、ニクソン米大統領によるドルと金の交換停止の発表をこう振り返る。

 だが、ニクソン・ショック後、金の裏付けを失ったドルには売りが集中した。それから40年-。1985年にドル高是正で先進国が協調したプラザ合意や、2008年のリーマン・ショックをきっかけにした米国の経済不安など、さまざまな局面で円高は加速的に上昇した。1ドル=360円だった円ドル相場は今、76円台という歴史的な円高水準にある。

 40年かけて進んだ円高は、日本経済に深い爪痕も残した。プラザ合意後には、円高不況対策で行われた金融緩和策によって大量の投機マネーが株や土地に流れ込み、資産価格が高騰するバブルが発生した。

 1989年以降、景気過熱を抑えるために金融が引き締められると、企業の投資意欲の減退や雇用の低迷、大手金融機関の破綻も重なって、長期のデフレと経済低迷が続く「失われた20年」に入っていった。

 輸出企業は、円高下でも収益力を高めようと、必死に努力してきた。繊維や金物産業は、円高でも競争力のある高付加価値商品を開発した。自動車や電機は、人件費が安い海外での工場展開や技術革新を通じ、生産コストを削減してきた。

 だが、足元の超円高は、「こうした企業の努力を吹き飛ばす」(市場関係者)。国内生産車の半分を輸出しているトヨタ自動車の豊田章男社長は「理屈上、日本でのものづくりは成り立たない」と言い切る。

 企業の海外移転による産業の空洞化に拍車がかかれば、国内の雇用が失われ、デフレがさらに長引く恐れもある。

 必要なのは、為替介入といった対症療法ではない。法人税や投資関連の減税で国内への資金の流れを活発にし、空洞化を防ぐような、「超円高時代」に耐えられる経済の体力づくりが急がれる。(山口暢彦)


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 12日のNYダウは続伸した。7月の米小売売上高は前月比0.5%増加。増加は2カ月連続。これが好感された。恐怖指数(VIX指数)は前日比2.64(6.77%)安の36.36だった。シカゴ日経平均先物(円建て)は9040円大証清算値比80円高だった。なお、12日の欧州株式市場は続伸。フランス、イタリア、スペイン、ベルギーが金融株の空売りを禁止したことを受け、これまで売り込まれていた銀行株に買いが入ったことが寄与した。

 ところで、NYダウは11日まで4日連続で終値の騰落幅が400ドルを超えた。115年に及ぶダウ平均算出の歴史で初めての記録だという。このような異常な高ボラティリテー状態はそう長くは続かず、徐々に市場は落ち着きを取り戻すだろうが、今すぐそうなるわけではない。今回のボラの急上昇の主因は、「米国債の格付け引き下げと米国景気鈍化懸念」と、「欧州債務問題の深刻化」だ。これらの問題・危機に各国の政策当局がきっちりした対応を示し、市場がそれに信頼をよせるまで、急騰・急落を続け易い不安定な環境は継続する見通し。

 ただし、今週の日経平均は9日の8656.79円までの急落後のリバウンドを想定する。もちろん、欧米株式市場が想定を超える波乱となれば話は別だ。それでもある程度の許容の範囲内の動きなら、日経平均の想定レンジは8800円~9200円程度だ。欧米信用不安が沈静化し、円高が一服し、外国人投資家のリスク許容度が増すようなら9600円程度までの上振れもあり得るとみている。

 なお、12日現在、日経225のPBR1倍水準は9054円、TOPIXは800ポイントだ。今後も基本的には、PBR1倍から下の水準では、年金などの長期スタンスの買いが入り続けることが予想される。このため、外部環境が想定を超える悪化とならない限り、純資産面から日本株は底堅さを発揮する公算が大きい。

 また、景気刺激策として財政出動ができない(制約のある)欧米とは異なり、日本は震災復興の名目で、積極的な公共投資を行うことが可能だ。特に、菅首相退陣後は、3次補正予算の成立、執行がスムースになる見通しだ。この政府部門の積極支出による需要創出により、今後わが国の景気は先進国で唯一V字回復することが期待できる。このため、相対的に日本株は他の先進国に比べて、買われ易い(少なくとも、売られ難い)状況が継続しよう。

 需給面では、相場が下がれば日銀がETFを購入し続けることだろう。また、9日前場に日経平均が8656.79円を付けたが、当日はその当時のムード、値動き等を総合的に判断し、信用買い方の追証絡みの投げ売りがピークを打った可能性が高いとみている。つまり、投げるべき人が投げきったため、信用需給は大幅に改善したと考える。この想定通りなら、当面の東京市場では、よほど想定を超える急落に見舞われない限り、追証絡みの切羽詰った売りは出てこないだろう。

 以上のことから、今週の日経平均は下がり難い状況の中、戻りのきっかけを待つ週になるとみている。物色面では、外部環境が不透明な間は、内需株が選好されるだろう。また、スマートフォンやソーシャルゲームなど、金融不安などとは無縁に普及・成長が期待できる領域で事業を展開する企業群には物色の矛先が向かい続ける見通しだ。(編集担当:佐藤弘)


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