先日、近所のおばあちゃんにホウレンソウを頂きました。
このホウレンソウはおじいちゃんが作った置き土産。
おじいちゃんは天国に行きました。
おばあちゃんは、
「お葬式に来てくれてありがとう」
と、先日、おじいちゃんが作った最後の葱だからと長ネギを届けてくれました。
おじいちゃんが大切にしていた畑だけれど、ずっと、外に出る気分にもなれなかたったそうです。
でも、いざ、畑に出てみると、やる事が一杯あって、
「じっとしてはいられないのよね」
っとおばあちゃんは笑って私にホウレンソウを手渡してくれました。
頂いたホウレンソウは、おばあちゃんが綺麗にしてくれてから手渡してくれたけれど、その綺麗にする作業だって大変な作業。
「植物を育てるって本当に子育てみたい、放っておいたら枯れちゃうのよ」
っておばあちゃん。
「だから、大切に育てないとね」
「・・・でも、これが最後のホウレンソウ。やっぱり一人でこの畑をやって行くのは大変。庭の小さな畑だけにするつもりなの。ここはお父さんの畑だから」
と、今年でこの畑を耕すのは最後なのだとおばあちゃんは言いました。
おじいちゃんの存在も、二人で居る事の大切さも、それから、丹精込めたお野菜の美味しさも、綺麗にしてから手渡してくれる思いやりも、沢山沢山優しさも思いやりも教えて頂いたのに、この風景は変わって行きます。
おじいちゃんの畑は無くなってしまいます。
でも、私の心の中にはおじいちゃんは畑で野菜を育てながらいつもニコニコと笑っています。