予想外に、早かった。
内定が出ている会社から、詳細の条件が伝えられた。
そんな中、もう一社から内定が出たのだった。
…驚いた。
こういう状況なので、私はそこそこ好条件のところにしか応募をしていない。
従って、内定を頂いた時点で、好条件は確保された事になるのだが…その中でも、これ以上は無いだろうというラインがあった。
しかし、どちらもそのラインはるかに上回っていた…有り難すぎる話である。
タイミング的にも、このどちらかから選ぶ他ない。
いや、タイミングも何も、どちらをお断りするのも勿体無いぐらいなのだ。
少なくとも、就活をこれ以上続ける必要は無くなった。
浮かれてしまう。
私が置かれている状況を、忘れてしまいそうだ。
…
しかし、これで死ななくて済む…という訳ではなかった。
状況としては「生への道」の最初の関門がクリアされたに過ぎない。
大前提、というヤツだ。
これから弁護士の指示するやり方で、全てシナリオ通りに進まなくてはならない。
失敗する可能性は、十分にある。
失敗すれば、好条件の仕事も何もない。
その確率の方が、今のところは高い。
まだまだ、道のりは遠いのだ。
しかし、就活がこの様な状態でクリア出来るとは、思っていなかった…。
非常に、戸惑ってしまう。
なかなか、腹を決めさせて貰えない。
私も、強くは無いのだ。
事前に…事前に、覚悟を決めておきたいのだ。
子供の様に、心が揺さぶられてしまう。
こういう事は、実はよく起こる。
覚悟を決めると、いつもこれだ。
そのくせ安堵すると、また引き戻される。
絶望から希望へ、希望から絶望へ。
こんな時はいつも、神の様な存在が居るのかと思ってしまう。
いや、どちらかと言うと弄ばれている気がするので、悪魔かも知れない…運命の悪戯という者もいる。
死ぬなと、言っているのか?
細く険しい道を、苦しみながらでも進めと、そう言っているのか?
それとも上げてから落とし、より深い絶望を授けようと、してくれているのか?
意味なく弄び、楽しんでいるだけか?
しかし私も、子供では無いのでね。
どういう形であれ、どういう結果であれ、そのまま、ありのまま、受け止めてみせるよ。
例え、泣けてくるほど無様だとしても。