彼岸花というのも切なくて悪い名前ではないと思うけれど、曼珠沙華と読んだ方が幻想的に思える。

 不吉だとか怖いとかと嫌う人もいるようだが、私は好きだ。

 群生しているとその場所はまるで別世界のようだし、一本ずつ見てもすっと茎が伸びた先に不思議な形の花びらとシベが美しい。

 ピアスもある。

 

 

 自然の野山より里山や田の畔に咲くのは飢饉のときのために植えられたからだと聞いたことがあるが、本当だろうか。

 毒も持つことで有名な曼珠沙華、実は水にさらすと簡単に毒は抜けるらしい。

 

 「マンジュシャカ」はサンスクリット語で「赤い」意味だという。

 とすると白い曼珠沙華というのは矛盾している名前だということになる。

 面白いものだ。

 

 白い曼珠沙華はまだ見たことがない。

 三千院では昨年白い曼珠沙華の球根が寄贈されたそう。今年も咲き始めたらしい。

 

 
 秋の京都。
 しばらく行っていない。
 のんびりとゆっくり行きたいものだ。
 彼の国の観光客がもう少し減ってくれたら美しい京都を堪能できるのに、なんて言ってはいけないだろうか。