「これはもういいってことだよね。一生会わなくていいんだよね」

と息子。

 

 夏休みになっても、相変わらず元夫からの連絡はないと言う。

 「もしかして、アドレスあり過ぎて埋もれちゃってるんじゃないの?」

と聞いたら

 「違うよ。そうだったら、お母さんのところに『連絡つかない』って言って来そうじゃない。来ないってことは連絡して来ていないってことさ。電話だってSMSだって使えるんだし」

 「まあ、だったらなんであんなに嫌な思いをして会わなくちゃならなかったんだよって思うけれど、もうどうでもいいや。この先会うことも考えることもしなくていいんだから」

 

 そうだね。

 もう忘れていいよ。

 父親なんて最初から存在しなかったと思っていい。

 その方がずっとずっと幸せだ。

  

 今夜も月が美しい


 こんなこともあった。

 これが強制執行へ発展していった。