さてさて何も進展していないが、受信料を二重に支払っていることだけは確かだ。

 これはいったいどういうことなのだろう?

 

 今更ながらネットで「NHK」「二重払い」で検索を掛けてみた。

 すると出てきたのが「解約忘れ」であった。

 「NHKから何年にもに渡る受信料の高額請求が来た。何かと思ったら子どもが社会人になるときに契約したものだった」

 「実家の母親の分の受信料を払っていた。母親が亡くなっても何故か請求が来る」

といったようなものがちらほらある。

 もしや、もしや、もしや。

 

 結婚していた頃、自分の洋服やコスメ、旅行にはデパート系のカードを使っていたが、家族みんなの出費である生活費、つまり食費や公共料金は例のカードでの引き落としにしていた。NHKの受信料も契約の名義は元夫であったが、支払いは私のカードだった。

 

 そう、もしや、元夫名義の契約を解約していなかったのか?

 解約せずに住所変更を出したのだったっけ?

 そもそも解約も住所変更もしていない?

 どうも記憶が曖昧である。

 なにせ、唐突に離婚を切り出され、その日に元夫は出ていき、大学受験生を抱えながら、様々な手続きから家探し、引越しまでした怒涛の1ヶ月だったのである。

 少しだが、とっかかりが見えた気がした。

 

 繋がらないのでなるべく掛けたくないのだが、このまま二重に支払い続ける方が問題であるから、諦めて再度ふれあいセンターに電話をした。

 前のとき同様かなり待たされてオペレーターに繋がった。

 「以前もお電話したのですが」

と切り出す。

 「カード会社では調べられないからNHKに問い合わせてほしいということだったのですけれど」

と当たり前のことを伝える。そして

  「私の名義ではなく、元夫の名義で調べていただけますか?」

と聞いてみた。

 「カード会社では分からなかったということですね」

 何を言うか!当然である。腹立たしいが腹を立てても仕方ない。

 

 「では、お調べしますので、ご契約者様のお名前とお電話番号とご住所をお願いできますか?」

 元夫と暮らしていたタワーマンションの住所と部屋番号を告げた。

 しばらく待たされ、

 「そちらでは、ご契約が確認できません」

 

 ううむ。違うのか。

 では私が子どもたちと住んでいた所はどうだろう?

 「そちらも、ご契約が確認できません」

 

 むむむ。

 タワーマンションのひとつ前の住所から住所変更の届を出してない可能性もあるかも、と伝える。

 「そちらでも、ご契約が確認できません」

 

 ええええ?

 いったいどうなっているのだろう?

 今までの引越し遍歴を全て調べてもらってもいいが、ふたつ調べるのでさえ異様に時間が掛かった。

 何とも非効率的だ。一般的にはオエレーターの目の前に端末があり、通話しながらすぐに調べらててもらえることが多いのに、さすが天下のNHKである。

 住所を伝え待たされの繰り返しはもう勘弁である。

 まとめて伝えたらどうだろう?

 

 

 以前にブログに書いたが、私たちの引越し回数は異常である。戸籍の附票も異常に長い。

 転勤族だったわけでもないし、私が転居したいわけではもちろんない。ただただ元夫の身勝手からである。

 

 

 

 「では、これから申し上げる住所を全部まとめて当たっていただけませんか?」

と伝えると

 「あの……お客さま、これ以上は私の方では対応が難しいので、後日担当者から折り返すというのはいかがでしょう?」

 

 はい?担当者?

 担当者はあなたではないの?

 要はアルバイトのオペレーターの手に余る案件だから、ちゃんと社員に引き継ぐということか。

 それは逆に願ったり叶ったりである。

 

 朝の月。青空。