7年前のGWは娘と宝塚にいた。

 ちぎちゃん(早霧せいなさん)の退団公演『幕末太陽傳』観劇のためだ。

 

 

 

 

 

 

 ついこの間のことのようなのに、このときまだ三番手だった咲奈ちゃんが、次の公演で卒業なのだよね。

 まさに「光陰矢の如し」である。

 

 その咲奈ちゃんのコンサート『ALL BY MYSELF 』が素敵過ぎて、ちぎちゃんの退団前だったらどんなものになったか、と真剣に妄想してしまった。

 

 一幕は宙組〜雪組に組み替え、二番手時代。

 『ベルばら』での初舞台。

 それから『鳳凰伝』の新人公演。可愛いゼリム。

 『Le Petit Jardin』のパトリック。

 初の新人公演主演『NEVER SAY GOODBYE』のジョルジュ。

 美しい『龍馬伝』の沖田総司。

 『宙 FANTASISTA』のチギーチェも外せない。

 春琴への激しい想いにドキドキの『殉情』の佐助。

 『外伝ベルサイユのばら』のオスカル。

 雪組に組み替えして、役替わりだらけの『雪景色』。

 『ロミオとジュリエット』純粋で狂気のマーキューシオ。数ある『ロミオとジュリエット』の中でこの雪組のものが一番好き。

 『ニジンスキー』本当にニジンスキーのようだった。

 『双曲線上のカルテ』フェルナンド先生。

 『JINー仁ー』の坂本龍馬、『若き日の唄は忘れじ』の逸平。

 そして美貌のオスカル、『Shall we dance?』のエラ、『一夢庵風流記』の奥村助右衛門。

 あれれ、多過ぎる。

 でもどれも外せないのだ。

 可愛いちぎちゃんも、所作が夢のように美しく殺陣がたまらなくかっこいい和物のちぎちゃんも。

 

 二幕、トップ時代。

 ちぎちゃんと言えばの大運動会。

 コツン「どんかんさん」のアラン。『伯爵令嬢』

 ジャンプ力を見せつけられたルパン、『ルパン三世』

 強く儚い『星影の人』の沖田総司。

 泣きっぱなしの『星逢一夜』。前髪の時代も大人になってからも美しい晴興。

 『哀しみのコルドバ』破滅に向かうエリオ。

 優しさの奥に哀しみを宿す剣心。『るろうに剣心』。

 スーツの似合うジョーにケイレブ。

 『幕末太陽傳』陽気なのにどこか影があり、大胆なのに儚い佐平次。

 これじゃあ、全部だよ。

 

 だめだわ。

 私にはコンサートは作れない。

 全部入れたくなってしまう。

 

 のびやかで美しくスタイリッシュでときに色気たっぷりのダンス。

 すごく上手なわけではないけれど、訴えかけ役の心が響いてくる歌。

 きびきびとした立ち回りと凄まじいまでの殺陣、凛々しく美しい所作の日本もの。

 仕草も表情もユーモラスで、とことん面白いコメディシーン。

 どれもこれも好き。

 常に凛として透明で。

 佇まいが本当に本当に麗しく美しかった。

 

 サヨナラショーでは短過ぎた……

 初舞台からの歩みを一つの作品として観たかった。

 

 あまりにもあっさりと「早霧せいな」をやめてしまったちぎちゃん。

 すごくすごくちぎちゃんらしくて潔くて、そういうところも好きなのだけれど。

 でも、ふと思うことがある。

 舞台に立つちぎちゃんが観たいと。

 

 どうしているのかな……

 

 素化粧の美しいお顔が好きだった。

 

 

 

 

 男役メイク、懐かしい。