「理想のヒーロー」ときたら次は「理想のヒロイン」というのが自然だろう。
ところが、である。
考え始めて気付いた。
「理想のヒロイン」ってなかなか思い浮かばないのだ。小説からならそれなりに思い付くのに。
そもそも「少女」もしくは「女性」が主人公の漫画って恋愛が多い。恋愛ものでなくても、これはという人がいない。もしや私の読書経験が乏しいだけ?
無理矢理絞り出してみた。
1位 ナウシカ 『風の谷のナウシカ』
強くて美しく気高いナウシカは族長の娘。
「姫ねえさま」と慕われている。
これ、すごい話だよね。ナウシカたちは世界を滅ぼした人類が地球が浄化された後に生きるために生み出された存在。やがて来る浄化された世界では生きられない。
2位 巴 『るろうに剣心〜明示剣客浪漫譚〜』
剣心が初めて愛した女性。
剣心に斬られた許嫁の仇討ちのため、徳川家の刺客集団と接触、剣心に近付いたものの剣心の哀しみと優しさに触れ愛するようになる。剣心を庇って命を落とす。最期のときの
「私が愛したふたりめのひと」
という原作の言葉が
「私を愛してくれたふたりめのひと」
とOVAでは変わっていて……剣心のためにも原作が好き。
小池修一郎氏の舞台も宝塚雪組公演のときには、巴との出会いと別れを歌った『不殺の誓い』の歌詞、
「巴は清里の許嫁 復讐の炎に燃える女 知らずに結ばれて愛し合った 女は俺を守るため命落とした」
だったのに、新橋演舞場での公演のときには
「巴は清里の許嫁 復讐の炎に燃える女 俺の命狙い近付いてきた 知らずに俺は巴を愛し二人結ばれた」
に変わっていて、切なくてたまらなくなった。
満開!
青空と桜が見たい……
とまた困ってしまった。
まだ2位までしか挙げていないというのに。
エリカ 『闘将ダイモス』
地球とパーム星の平和共存のために戦う女性。
エリカと一矢とダイモス
ユリア 『北斗の拳』
ケンシロウの婚約者。自分の愛を得るために殺戮を続けるシンを諫めるため命を断つために身を投げる(助けられるけれど)。
森ユキ 『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ
古代進の恋人。地球のために医学部進学を諦めてヤマトに乗り組む。
クイーン・エメラルダス 松本零士の作品のあちこちに登場する海賊
一之瀬レイ 『ピアノの森』海のお母さん
海を文字通り命懸けで守り育ててきたひと。
クラリス 『ルパン三世 カリオストロの城』
野上冴子 『シティ・ハンター』主人公冴羽遼の親友で亡くなった槇村の恋人。
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジュ 『ベルサイユの薔薇』
みなが理想で選べないのではなく、これという決め手がなくて選べない。
何だか自分の性癖を再確認してしまったような……
暑くなるとこういうのは嫌だけれど、今年はいつまでも使えそう。