みなさまはバタークリームのケーキはお嫌いだろうか?

 

 「子どもの頃はケーキのデコレーションは安いバタークリームだったからか不味かった」

 「不二家の生クリームのケーキを初めて食べたときに感動に震えた」

 「昔はホールケーキと言えばバタークリーム。生クリームのケーキはなかなか食べられない贅沢なものだった」

 などといった話を同世代またはそれ以上の年代の人から時々聞く。

 「バタークリームのケーキはまずい」

と。

 すごくすごくすごく不思議である。

 

 バタークリームって美味しいよ。

 美味しいバターにお砂糖が混ざっているってそれだけで美味しい食べものだよ?

 それに生クリームのケーキって食べなかったの?

 子どもの頃にもケーキ屋さんでショートケーキって売っていたよね?

 

 手土産にいただいたり、デパートや近くのケーキ屋さんで選んだり、苺ショートケーキって一般的な食べものだった。

 母が焼いてくれるケーキもデコレーションするときは生クリームだった。

 タカナシの純生クリーム、青い紙パックのものだったもの。

 ウインナーコーヒーが好きな母は生クリームも欠かさなかった。

 

 逆にバタークリームのケーキは普段は食べられなかった。

 カットケーキにはバタークリームのものはあまりなかったもの。

 バターを昔から愛していた私はお誕生にはバタークリームのホールケーキをオーダーしてもらったものだ。

 だから私にとってのバタークリームのケーキは特別な食べものだった。

 

 今いちばん美味しいと思うのは母の友人の息子さん(パティシエ)にお願いするオーダーのバタークリームケーキだ。

 彼の作るバタークリームは絶品である。

 マジパン細工もとても可愛く作ってくれるので、子どもたちの誕生日ケーキやクリスマスケーキも何度もお願いしている。

 


 以前にも宣伝したが、彼の作るマカロンもまた素晴らしい。

 こちらは楽天で買える。

 ダロワイヨよりもピエールエルメよりもラデュレよりも美味しい(と私は思う)。

 

 それからウエストのバタークリームケーキ。

 今年のクリスマスにはコーヒーバタークリームのケーキをお願いした。

 クリスマスケーキではなく、通常のデコレーションにした。

 なんとなればクリスマスケーキにはコーヒーバタークリームがないからである。

 

 くまさんサンタは富澤商店で購入。


 

 先ほどの話に戻るが、私は初めて不二家のケーキを食べたときには美味しさに震えるどころか不味くて驚いた。

 両親も不二家でケーキを買うことはなかったから、家に来た方の手土産だった。

 家族は誰も食べず、後でこっそり処分していたと思う。

 コージーコーナーもケーキもまた然りである。シャトレーゼのものも。

 スポンジも残念なら生クリームも残念。

 スポンジも生クリームもニセモノの味がする。

 好きな方やお店の方には申し訳ないのだが、今でもこの類のお店のケーキは買わない。

 そこまでケーキが好きなわけでもない。

 

 あのクリーム、生クリームではなくホイップクリームではないだろうか?

 でなければほとんどが植物性のところに少しだけ生クリームを混ぜているとか。

 マーガリンが苦手な以上にホイップクリームは苦手だ。

 マーガリンは食べられるが、ホイップクリームは食べられない。

 ランチのデザートに添えてあるのがホイップクリームだったり、プリンを頼んだときにホイップクリームが乗せてあったりすると、私の中でのそのお店への評価は急降下する。

 「さっぱりしている」と表現する人もいるが、あれは「風味がない」だと思う。

 

 そうして気が付いたのだが「バタークリーム」を「安い」とか「不味い」とか言う人のいうところの「バタークリーム」は「マーガリンクリーム」なのではないかということ。

 ケーキ作りの本にはマーガリンをホイップして作るクリームが載っていたりするもの。

 考えてみてほしい。

 「バタークリーム」が安いわけはないではないか。

 安いのは「マーガリン」である。

 

 好みでない人がいるのは当然なのでそれは構わない。

 私もなんと言われようとどれだけ美味しいお店であろうとチョコレート生クリームのケーキとコーヒーチョコレートは苦手だし。

 ただ、

 「バタークリームのケーキは安っぽい味がする。まずい」

 そんな話題を耳にすると少々(いやかなり)ムッとする私の反論である。