なんだかのSNSで
「自分の蔵書は100冊ほど。友人たちは『そんなに本を読むんだ』と感心してくれるものの、話が合わなくて。ちゃんと本の話が出来る友人がほしい」
という自称「蔵書家」大学生の投稿を見た。
100冊。
そうか、蔵書家を名乗るのか。
大学生にもなって、蔵書100冊で。
なんと勇気のある人だろう。
100冊では本棚ひとつも埋まらないではないか。
私の文庫本棚、一つ目棚の三段目「池波正太郎」の途中で105冊だもん。
案の定、読書を趣味とする人たち、本当の意味で蔵書家であろう人たちに軽く揶揄されていた。
面白いのはそういう人たちは過剰に攻撃したりしないこと。SNSでの過激な書き込みや過剰な攻撃をする層というのは、あまり読書とは縁のない人たちなのであろう。
私の個人の蔵書が100冊を超えたのはいつだろう?小学生の1〜2年生だったか、もう少し後だったか。
ちょっとしたシリーズもの(『少年探偵団』とか『怪盗ルパン』とか『ズッコケ三人組』とか』「ちいさいももちゃん』とか)を全冊揃えれば、あっという間に100冊なんて越えるのだもの。
そもそも両親に買ってもらって妹とふたりで読んだ絵本や童話は小学校入学前には100冊どころではなかったし。
実家は辞書だけで、広辞苑や漢字辞典やなんやか入れたら40冊以上あった。日国大(日本国語大辞典)20巻21冊と大漢和(大漢和辞典)15巻があるからそれだけで36冊になるのだ。
5,000冊を越えたくらいから数えるのはやめた。
私が特殊なのではないと思う。
本を読む人って周りを見てもそんなものだ。
『じしょへん』に出てくる伝説の校正者さんみたいなら蔵書が多くて、と言えるだろうけれど。
この「蔵書家」大学生さん、いったいどんな本を読むのだろう?
「推理小説を読むのが趣味」
と言っているのに、宮部みゆきさんも綾辻行人さんも柴田よしきさんも知らなかった「趣味は『小説』を執筆すること」を趣味とおする知人を思い出した。