久しぶりに東京創元社鮎川賞受賞作が出た。3年ぶりだそうだ。

 岡本好貴さんの19世期のイギリス海軍の帆船が舞台の『帆船軍艦の殺人』という作品である。

 おめでとうございます。

 

 岡本さんは2018年、2020年、2021年、2022年、そして今回と5回も最終選考に残っている。

 三度目ならぬ五度目の正直での受賞だ。

 歩み続ければいつか必ず道は拓けるのだね。

 



 さてさて、19世期のイギリス海軍、全くもって知識のない世界の物語だ。

 面白そうなのだが実はこの本、まだ読んでいない。

 読んでいないのになぜ取り上げがかというと……

 作者である岡本好貴さんが自身の受賞作を紹介するYouTube が面白かったから。

 

 なんとこの方「ザルワーク」という名前でシミュレーション系のゆっくりゲーム実況のチャンネルをやっている登録者数4.3万人のYouTuber なのだ。

 ゲーム実況の方は、よくあるキャラが合成音声で喋りゲームをしているもので(ゆっくりゲーム実況ってそんなもの?)、そのゲーム自体よく知らないのでよく分からない。


 けれど、受賞作の刊行のお知らせ宣伝動画が力が抜ける面白さだった。

 ペストマスクの男性(作者の分身?)とブリタニアちゃん(イギリスが舞台だから?)の掛け合いでの小説紹介もなかなか面白かったのだが、その後いきなり「お願いの舞」が始まるのだもの。

 この「お願いの舞」がとほほ過ぎる。

 笑った……

 

 ただこの方のチャンネル登録者と本格ミステリの読者とは層が被らないような気がしなくもないのだが。

 

 そうそう、「ゲーム実況に興味のない方は登録しないでください」との正直な受賞のときのコメントが好きだ。