Kくん、結婚おめでとう。
Kくんはまだ20代の思いやりがあって誠実な笑顔の可愛い男の子(『子』なんて言ったら失礼なのだけれど)。
相手の女性は彼と同じ歳のとても優しく可愛いらしい女性。
ほのぼのとした雰囲気でまわりをあたたかな空間に変えてくれるカップルだ。
コロナが流行る直前、婚約したと恥ずかしそうに教えてくれた。
コロナ禍で式が無期延期となったと知った。
挙式をすることなく、籍だけ入れ、しばらくしてから一緒に暮らし始めたと聞いた。
今年になって、やっと様々なことが緩和され、式を挙げることになったと聞いた。
コロナが再び増え始め、新婚旅行はまだお預けなのだとも聞いた。
双方の親族の他はごく少数の仲良しだけでの式と披露宴にしたそうだ。
ふたりで色々と考えて作り上げた本当に手作りの結婚式。
きっととてもとてもあたたかなものだっただろう。
まるでふたりの心のように。
結婚式も家探しも新婚旅行も全てコロナのために計画が狂ってしまったのに、大変なことはいっぱいあっただろうにKくんは笑う。
「でもね、逆にこれはこれでよかったんです」
「籍を入れてから一緒に住む家を探したから『ふたりでの作業』って感じがしたし、一緒に住み始めてもまだ式をあげていないから、気分は恋人同士みたいだったし、まだ当分新婚旅行に行けないから、ふたりでゆっくり旅行のことを考えられるんですよ」
「なにもなければ全てさっと終わってしまったことですよね。それってもったいないです。僕たちは違う。籍をいれてから、一緒に住める日を楽しみに何ヶ月も過ごして、『式が楽しみだね』って1年以上わくわくして、今度は新婚旅行に行く日をしばらく楽しみにできるんです。『こんなに長く楽しみが味わえて、本当に幸せだよね』って妻ともいつも話しているんですよ」
感激してしまった。
なにも恨まない。
誰も恨まない。
マイナスになりそうなことを「幸せ」と捉えらるふたり。
なんて素敵なのだろう。
「妻」と発音するときに少しはにかむKくんがまた可愛くて。
そういう風に言ったら怒るかしら?
どうかふたりの未来が幸せで溢れていますように。
本当におめでとう。
写真を楽しみにしているね。
ちょっとしたプレゼントのお礼だとKくんが作ってくれたオーナメント。
ビーズで編まれた雪の結晶。
本当に美しい。
ありがとう。大切にするね。