「ねえねえ『鬼滅の刃、子どもが見たがるのだけれど、遊郭を説明できないから困る』の『説明できないから困る』ってさ、" I don't know abouto Yukaku." じゃなくて "I can't explain about Yukaku for my children."って意味だよね?」

と息子が聞く。

 

 「多分だけれど『子どもに』な訳だから『自分が知らないから説明できない』じゃなくて "I can't explain about Yukaku for my children." の方が自然だと思うけれど。どうして?」

 

 「Twitterなんだけどさ、なんかね、『鬼滅の刃、子どもが見たがるのだけれど、遊郭を説明できないから困る』っていうtweetに『知らないなら一緒に調べればいい』とか『無知ですね』ってあって『お前ら日本語分かんないのか!』って思ったんだよね」

 「日本人の大人の3割は日本語がちゃんと読めないってどこかで読んだんだけど、こういうことかって思ったよ」

 

 私もそれをどこかで読んだ。

 「日本人の3割は正確に日本語の文章を読み取れない」って。けれど、もっと恐ろしいことに、それでも「先進国の中で1番成人がまともに文章を読めるのは日本人」だって。

 他の国はいったいどうなっているのだろうか。

 

 息子は続ける。

 「でさ、お父さんだったら間違いなく『知らないなら調べろ。馬鹿だな』って言うよね」

 「そう解釈する方が馬鹿だとも気付かずに」

 

 「言う、言う、絶対言う。あの人には伝わらない日本語よね、確かに」

  うん、確実にそうだと思うと可笑しい。そんな風に息子に思われていると思うと、さらに可笑しい。

 

 けれど「どうしてこんなに日本語が通じないわけ?」って思っていたけれど、意外にそういう人っているものなのね。

  

 「あと、本当に知らない親が『一緒に調べようか』って言って調べたらやばくない?」

とさらに息子。

 

 確かに。

 そういう場合、どうするんだろう?

 


 八朔の日の白無垢


 総籬(最高級の遊女屋)

 どちらも『江戸吉原図聚』三谷一馬 より