新型コロナ感染のニュースばかりの毎日。
感染拡大を防ぐために様々なことがなされている。
でも、感染者が多かろうが少なかろうが、医療現場での新型コロナの扱いが現状のままでは既に医療現場は崩壊しているのだと感じた。
医療崩壊というと、新型コロナ重症患者の受け入れ人数の増加の為に病床が減り、他の病気や怪我での受け入れが出来なくなってしまっているとほとんどの人が想像していると思う。
もちろんそれも確かなのだろう。ところが、本当の問題はそこだけではないのだと思わされる話を聞いた。
知り合いの医大生の話である。
彼はつい先日虫垂炎で入院した。今は腹腔鏡手術ですぐに退院出来るそうで、入院自体は3日だったそうだ。
けれど、手術を受けるまでが大変だったと言う。
朝からお腹が痛くて、初めは胃腸炎かなと思っていたそうだ。
どんどん痛みがひどくなり、吐き気が強くなり熱も上がってきたところで「何だか違う、もしかしたら虫垂炎かも」と自分の父親の勤務する病院の救急外来に父親に連れて行ってもらった。
すぐに虫垂炎と診断されたところまではいい。
なんと発熱しているという理由で新型コロナかどうか判断する為にPCR検査を受けさせられたのだそうだ。
今その病院では医師は勤務前に必ず検査をして陰性だと分かってから勤務を開始している。彼は父親のコネでその病院で検査を受けた。結果が出るまでの1時間、別室で一人隔離されていたという。
「熱があるから」
というが、身体に炎症があるのだから発熱するに決まっているではないか。
それを陰性と分かるまで手術できないなんて。
彼はまだ病院内で検査できたからいいが、一般の患者さんの場合PCR検査は外注であり結果が分かるのは翌日になるらしい。
一刻を争うような状態でも発熱していたら1日待つ、そんな馬鹿な。
たとえ軽い虫垂炎だって1日たったら腹膜炎になってしまう可能性だってあるだろうに。
陰性だと分かるまでどんな容態であれ手術はできない、今はどこの病院でもそうなっているらしい。もし新型コロナを発症していたら、院内感染を引き起こしてしまう可能性があるからだ。
新型コロナの感染症としての扱いは他の病気を抑えて最優先に警戒すべきものになってしまっている。
そうである以上、ある程度感染拡大が収まったところで「新型コロナ陰性と分かるまで手術ができない」という状況は変わらない。
これこそ医療崩壊ではないか。
コロナの重症者が多いせいで病床が足りないという方がまだましである。
果たして新型コロナはそこまで警戒しなくてはならない病気なのだろうか。私は素人だからそこまではよく分からない。
でも、このままでは完全に終息するか、指定感染症としてのレベルを下げるか、はたまたワクチンもしくは治療薬が一般的にならなければどうしようもない。医療崩壊は止まらない。
いったい何が正解なのだろうか。
この先どうなるのだろうか?