お洒落なカフェだった。1階はカウンターメイン、2階はゆっくりくつろげる空間が拡がっている。雰囲気がいい。おそらく、リピーターが多い店なのだろう。いかにも奈緒が好みそうなカフェだった。

 「女子会って?」ゆたっりしたソファーに腰を落ち着けると江田は話しを切り出した。江田は「女子会」なるものの実態を良く知らなかった。

「仲の良い女友達が集まってね・・どうでもいいことなんか・・ 例えば、彼氏とのセックスライフなんか・・・」奈緒は顔を少し赤らめた。

「え! セックスライフ・・・」江田は驚いた表情を見せた。

 と、店のスタッフがオーダーを取りにやってきた。奈緒はシェアできるものを数品オーダー。

メリメロプレート、照り焼きチキンと白ネギのピッツァ、チーズマッシュポテト、

コブサラダ、濃厚オマール海老のトマトクリームソースetc...

店内には浜崎あゆみの曲が流れている。題名はわからないが、学生時代によく聴いた曲である。

「話を聞けば、結構、セックスライフ・・ 激しいのね。私の友達なんか、毎日しているんだって。お風呂でだって・・」奈緒は店のスタッフが席を離れると、例の話を続けた。

「凄いな。飽きないないんだろうか?」江田は驚きの声を上げた。

「いろいろテクを研究して、下着なんかも替えたりして、飽きないようしているんだって・・女友達によれば、やっぱり男って釣った魚には餌をやらないものらしい。結婚前は凄く女性にセックス求めるが、結婚後は急速に女性の体に興味を失ってしまうらしいわね。結局、女性は神秘さを失ってしまうと、男に飽きられるのもかもしれないわね。は。は。」奈緒は悪戯っぽい目をして江田の顔をチラリと見た。

「充実したセックスライフは必要なのかもしれないね。」江田はやっとのことで言葉を継いだ。

「こんな話をするなんて、奈緒は俺とのセックスライフに不満があるのだろうか?週1回のペースは極ノーマルだと思うけどな・・」江田は心の中で呟いた。

「こんな話をして申し訳ないわね。でも・・ あなたが忙しくなると、私達セックスレスになるんじゃないかと・・」奈緒は口ごもった。どうやら、奈緒は江田の仕事が忙しくなると、セックスレスになるんじゃないかと心配しているらしい。それで、「女子会」なるものを奈緒が提案して女友達から情報を収集したのだろう。奈緒のやりそうなことではある。

「大丈夫だよ。心配するなよ。太平洋貿易連携交渉が終了して、アメリカ大使館勤務になれば、そんなに忙しくないので毎日のように子作りに励めるよ。君の素晴らしい体を十分に堪能させてもらうよ。」江田は奈緒を安心させるように言った。

「本当?でも、あなたセックスの時、スキン付けるでしょう。付けないで。私、嫌なの。」奈緒は少し不満げに言った。

「でもさ。君のお腹が大きくなって結婚式するのは、僕は御免だね。」江田は冗談めかして本音を言った。