ローン利用者に年収制限を設ける総量規制は、2007年12月から段階的に施行されてきた改正貸金業法の最終段階。多重債務防止が目的であるが、利用者が追加借り入れできなくなれば大きな混乱も懸念される。
 日本貸金業協会が09年8月に実施した調査によると、ローン利用者約4,000人のうち50%が年収の3分の1以上の借り入れがあることが判明した。ま た、会員の貸金業者に『完全施行の影響を受けそうな個人』をヒアリングした結果、業者の60%以上が(1)自営業、(2)主婦、(3)非正規社員、(4) 年収400万円未満、などを挙げていることが分っている。
 このようななか、貸金業者から借り入れを受けられない人が違法なヤミ金融に流れるといった懸念など、「副作用」を指摘する向きも多い。

 金融庁の田村謙治政務官は14日、利用者が消費者金融などに対し過去に払いすぎた利息の返還を求める「過払い利息の返還請求」について、履歴を個人の信用情報に反映させない方針を明らかにした。6月をめどとする改正貸金業法の完全施行を前提にした措置。

 2006年1月の最高裁判決を契機に、利息制限法の上限金利を超えて支払っていた分の返還請求が急増している。

 消費者金融各社は、加盟する「日本信用情報機構」(JICC)に顧客の借入残高や返済状況のほか、返還請求の履歴についても登録して共有している。

 ただ、最近は返還請求の急増で、消費者金融各社の経営が悪化する中、請求を理由に、新規融資を拒否する事例が出ているとの指摘があった。

 金融庁は顧客保護の観点から、返還請求の履歴は「信用情報に当たらないと判断した」(田村政務官)という。

 消息筋によると、米上院銀行委員会委員長のクリストファー・ドッド議員(民主、コネチカット州)は、消費者金融保護庁設立の計画を撤回する可能性について議論している。同庁の設立は、オバマ政権が昨年6月に提案した金融規制改革の中心的イニシアチブだ。 ただ、撤回は、別の連邦政府機関内に権限を強化した消費者金融保護部門を設置することに対する共和党の合意が条件という。引退を表明するドッド米上院議員(6日) European Pressphoto Agency引退を表明するドッド米上院議員(6日) 独立した消費者金融保護庁の設立を見送ろうとする動きは、ドッド議員の大きな譲歩といえる。同議員は、こうした機関の設立を防ごうと積極的なロビー活動を展開していた銀行業界を非難していた。ドッド議員が譲歩に傾いたのは、金融業界に対する新たな規制を11月の中間選挙までの短い期間にまとめる必要があるためとみられる。 民主党は、共和党によるフィリバスター(長い演説などによる議事妨害)を避けるのに必要な60票を上院で得られそうにないため、法制化には党派を超えた支持が欠かせない。また、引退を表明しているドッド議員にとって、金融規制改革で世論を気にする必要は低下した。 こうした状況のなかで、ドッド議員と上院銀行委の共和党トップ、リチャード・シェルビー議員(アラバマ州)との歩み寄りが可能になったとみられる。 ワシントンでもウォール街でも、金融規制改革の法制化は、ドッド議員とシェルビー議員が落としどころを見出せるかどうかにかかっているとの見方が大勢を占めている。