この母の葬式にはキングスマンのテーマソング・Take Thatの「Get Ready For It」をかけるよう子供らに指令を出しているほどキングスマン好きである。
危うく劇場公開時期を逃すところだったキングスマンファーストエージェント、ギリッギリで観に行けた。
ま、地方ですから中に入っていたのは五人ほどでしたね。
ほぼ貸し切りですねっ!
田舎万歳!!
左からコンラッド役のハリス・ディキンソン。右腕ショーラ役のジャイモン・フンスー。中央、主人公オックスフォード公爵役にして製作のレイフ・ファインズ。髭がラスプーチン役、リス・エヴァンス。女執事ポリー役のジェマ・アータートン
今回はファーストエージェントというだけあって、キングスマンってどこの国にも属さない私的なスパイ組織が出来たそのきっかけになったお話。
時代は第一次世界大戦前後のお話である。
うん、あの「ダウントン・アビー」の1期の頃のお話ね。
余談だけど、あのダウントン・アビー、長女が意地悪扱いされてるけど、元々ゲスい真似したのは次女の方であって、仕返しされてもしょうがなくね?みたいに思ってるんだけど。
最後、次女が公爵夫人になるとか、イギリス人の感覚わけわかんねーわ。
まぁ、小道具が徹底されたメロドラマではあるんだが。
は置いといて!
今回もネタバレしてるんでこれから見る人は読まんでくれ。
監督はキングスマン・キングスマンゴールデンサークル二作と同じマシュー・ヴォーン監督である。
キングスマンがあまりにヒットしすぎて、続編で迷走しちゃった監督さん。
や、それなりによいエンターテイメント映画ではあったんだけど、もっと気楽に作らせてやれよ、と思わず思ってしまったゴールデンサークルな…
マーリン殺すなよ…せっかく生還場面撮影してたのにさ、ファンじゃねぇオーディエンスの意見、聞いちゃダメだよ監督っ
は置いといてアゲイン!
ここからはネタバレしかないので、これから観る方は絶対に読まないでねアゲイン!
読んでからネタバレすんなよってクレームは受け付けない。
そのマシュー・ヴォーン監督ですね。
アクションシーンの撮り方、やはり尋常じゃねぇ!!!
音楽の使い方、マジ上手い!!!!
初っ端、スクリーン中央にキングスマンのロゴが大きく出て、それの背後が空になって太陽の光とロゴがあわさるところから始まる。
もうね、その段階でファンは「きゃあああああ」なわけよ。
もちろん、あのテーマソングが流れてるからね。
序盤からくっそ盛り上げ上手いじゃねぇか、チクショー!ってなる。
この黄金のロゴ、コイツがスクリーン画面中央にまず輝いているわけよ!
主人公はこの方、オックスフォード公爵
なんと、ハリーポッターのヴォルデモート様でいらっしゃる。
ヴォルデモートはメイクすごすぎて素顔わかんなかったけど、この方だったのね。
さて、まずは映画の見所その1
ラスプーチンとのバトルシーンの秀逸さな。
前半の盛り上がりはラスプーチンを暗殺にいった主人公達とのバトルである。
ロシア宮廷なだけにコンセプトがロシアバレエ。
チャイコスフキーの1812年って曲にあわせてラスプーチン、回る回る飛ぶ飛ぶ、コサックダンスのようにしゃがむ飛ぶ回る、それを真上から撮ったり斜め下から撮ったりとカメラアングルの素晴らしさよ。
主人公オックスフォード公爵は剣、右腕のアフリカ出身ショーラはナイフで戦うんだが、トメとスピードアクションの配分が絶妙!
あまりの素晴らしさにラスプーチン無双のとこだけユーチューブにあがってるくらいだ
もともと1812年って曲はロシアがナポレオン軍を退けたお祝いに作られたのだそうだ。
ラスト、ちゃーんちゃーんちゃーちゃちゃーんちゃーちゃーちゃちゃーちゃー、のあたりから大砲が曲にあわせてドーン、ドーンって打ち鳴らされるんだけど、近代のコンサートではそれはムリなので大砲じゃないやり方で演奏されてる。
大砲使うと尋常じゃない予算かかるし屋内じゃムリだし。
でもどのくらい前だったかなぁ、ホントに大砲つかった野外コンサートがあって、それラジオで聞いたんだよね。
リアルでコンサート会場にいたらすっごい迫力だったんではなかろうか。
いいな、ウィーン
とにかく、すっごい有名な曲なので誰しもが聞いたことのある旋律だと思う。
それにのってのバトルシーン、見惚れる。
押すと底から刃が飛び出すアイテムあって、ショーラの右上腕にガッとラスプーチンがそれを突き刺すシーンとか息飲む迫力でした。
この回る回るラスプーチンを堪能するだけでも観る価値ありってくらい凄い。
キングスマンではハリー無双、ゴールデンサークルではウィスキー無双だったけど、今回はあえてラスプーチン無双と呼びたい。
ま、殺されましたけど。
「お前らの墓の上でダンスを踊ろう」
きゃぁぁぁぁ〜v
好きっ!
このラスプーチン、実際よくわかっていないことが多くて、史実でも青酸カリを大量に飲ませても死なず銃で撃っても死なずに逃げたからまた銃で撃って凍った川に投げ込んだって記述がある。全く理由が不明で皇子の血友病も治していて、怪僧と呼ばれるのが納得なくらい不思議な人だったらしい。
今回は史実を上手く利用してこのバトルシーンに持ち込んでいた。
見どころその2
キングスマンで出てきたスパイ道具のルーツが見られる。
そうか、公爵様の機転からあのアイテムが生まれたのね。
凍った崖を登るため、靴にナイフをぶっ刺してアイゼンがわりに。
それが進化して毒を塗ったナイフが飛び出す靴が生まれたのか!
特別なヤギの生息地がものっすごい切り立った岩山のテッペンなんだけど、あれってどうやって撮影したのかな、ロケ地はどこかな、CG加工どうしたのかなと制作秘話みたい。
てっぺんは広大な草原だからね。
どっかの丘で撮影してCGの崖、合成したんだろうけど。
崖下でのアクションはこれまたロケ地どこなんだろう。
飛行機からのパラシュート降下ドジった公爵様、つるっつるの凍った断崖絶壁に引っかかって四苦八苦する。その崖にヤギさんが何頭かいるわけだ。ヤギさんが崖のぼるやり方にヒントを貰う公爵様。
セットってわかっていても「ヤギさん、大丈夫?落ちない?」と心配になってしまう。
ほら、たまに監督の性格がアレだったら無意味に動物が転げ落ちるとかのシーン入れるじゃん。
まぁ、マシュー・ヴォーン監督はそんなことしない人だけどね
え?オックスフォード公爵?
んなもん、主人公なんだから落ちるわけないじゃん。
ソレ以外にもハリーハート(演コリン・ファース様)が常に持ち歩いていた傘、超強力な防弾アイテムにして銃にもなる印象深い傘、キングスマンといえば傘、今回はただの傘だけどその傘が活躍する。フランツ・フェルディナンド大公へ投げられた爆弾を別な方向へ飛ばす役割を果たすのだ。
逸れた爆弾が当たった車はえれぇ迷惑だけどな。
ファンはそこでも「おっふぅ」と興奮すること間違い無し。
ハリーハート様
彼の名言、マナーが人を作る、をぶっこんでくるのも流石ファーストエージェント
フランツ・フェルディナンドってロックバンドがいるけど、この人達の名前はこの大公から貰ったとか言ってたな。メッチャクチャかっこいいバンドでしばらく休んでいたけど数年前に活動再開させている。
マジでカッコいいバンドなんだよぉ。音もビジュアルも〜
閑話休題
見どころその3
ラスボスとのアクション。
剣の名手であるオックスフォード公爵とラスボスとの剣アクションの素晴らしいことったら。
第一次世界大戦の白黒映像が流れるスクリーンを背景にめまぐるしい剣技。
面白いのはギラリと光る剣の鞘部分にカメラを据えた感じで剣先を映す。当然ラスボスの剣はこっち向いてるわけで、刀身にオックスフォード公爵の顔が映ってたりする。
激しい動きのあと、こういう絵を入れてくるって天才か!
ラスボスの剣は刃の根元が銃になってる仕込み剣で、伏線としてそれで部下を撃ち殺す場面が中盤にあるんだけど、それを使うあたりの巧妙さよ。
ショーラが公爵をかばうから大丈夫なんだけどね。
ラスボスと決着つけるため本拠地に乗り込む公爵とショーラ
今まで剣の応酬だったのに不利になった途端、ラスボスったら紳士もへったくれもあるかって手榴弾使う。
とことん自己中で勝手な言い分ばかりなラスボスなんだけど、それを防ぐのが盾!
まぁ、吹っ飛びますけども。
キングスマンのメンバーのコードネームがアーサー王物語からきていて、今回も冒頭、死んでしまうオックスフォード公爵夫人が息子にアーサー王の家臣が何故円卓の騎士なのか、人は本来身分差がなく平等であり、今の自分達貴族が力を持っている場合はそれは弱い者を守るために使わなきゃいけないって話をする場面が出てくるんだが、ちょいちょいアーサー王物語的要素を小道具にぶっこんでくる。
監督のこだわりが随所に炸裂してる。
そして、卑怯者のラスボスに追い詰められ絶体絶命の公爵を救ったのはヤギさん。
映画の前半にね、まだ顔出ししていないラスボスが「大事にしている」ヤギを斬り殺す場面がでてくるのね。
単なるヒスなんだけど、そらもう容赦なく斬り殺す。
ついで殺されたヤギの相方みたいなヤギが騒ぐシーンがうつされる。
そこで観客は思うわけだ。
このヤギ、絶対ラストで何かする。
しかも後半、そのヤギは殺されることはなかったけど大事な角を片方、切り落とされるのね。
ラスボスの気分で!
観客確信。
このヤギ、やらかす。
案の定、公爵様が絶壁を這い上がるシーンに出てきた。
角でどついてくるバカヤギなんだけど、そいつにつかまって這い上がれるわけだ。
更に更に!
ラスト、公爵様が殺されそうなピンチでヤギ、大活躍。
よくやったヤギ!
お前も復讐したんだなヤギ!
そしてラスボス退治する道具がまた秀逸。
戦死した息子、そう、息子死ぬんだよ!その息子がもらった勲章使うんだな、パパリン公爵様。
崖から落ちそうなラスボスのカシミヤマフラーをがっちり掴んで、このマフラーが敵の本拠地を割り出す手がかりだったんだが、そのマフラー一本が命綱でラスボス、情けなくも命乞いする。
平和主義のお前がオレを殺すわけないって。
でーもーね、息子を失ったパパはつめたーく言うわけよ。
かっての私ならそうかもしれんが、今は勇敢だった息子のおかげで戦うことにしたって、息子の勲章の鋭利な飾り部分でマフラーばっさり切ってラスボス墜死。
よく切れたな、マフラー!
うん、きっと研いできたんだよね、公爵。
真ん中右の映像が盾で手榴弾防いでいるところ
全てが終わってからボロボロの公爵様とショーラが「ここからどうやって降りよう…」と途方に暮れるセリフも可愛い。
なんたって昇り降りするための装置は壊しちゃったし飛行機壊れたし断崖絶壁、とても降りられる高さじゃないし。
飛行機が迎えに来るんだろうけどね。
見どころその4
史実の使い方のうまさ
本当の歴史を上手くストーリーの中に入れ込んで見事なエンタメ作品に仕上げている。
ボーア戦争、イギリスとオランダ系入植者の資源をめぐる戦争だけど、結局は侵入者同士の争いでアフリカの方々には大変迷惑な話だ。
アパルトヘイトの元を作ったオランダ系入植者がボーア人と呼ばれていた。今はブールと言うらしい。
そこでキッチナー将軍に会いにいく公爵様のお話からはじまるんだが、もちろん史実ではキッチナーは赴任してないけど、後の関わりで上手く絡ませている。
そして第一次世界大戦のきっかけになったフェルディナンド大公の暗殺事件。
爆弾を使った暗殺に失敗した犯人がカフェにいたら偶然道に迷ったフェルディナンド大公の車がウロウロやってきた。これ幸いと暗殺犯は銃で大公夫妻を撃ち殺した、これは史実。
それを映画の中で上手く取り入れている。
ちなみに、暗殺犯はセルビア人って私ら、習うし映画の中でもセルビアの青年って言ってるけど、英会話教室にきたセルビア人の留学生に聞いたら、あれはセルビア人じゃなくクロアチア人なんだ、セルビア関係ないって力説していた。
ラスプーチンとかイギリス国王といとこのロシア皇帝は顔そっくりとか同じいとこのドイツ皇帝は障害のことからかわれてコンプレックスもっていたとか顔も似ていたとか(イギリス国王とロシア皇帝ほどじゃないが)そういう史実も利用して描いていた。
この三人、トム・ホランダーがヒゲやメイクをかえて演じていた。顔、同じなのに全く違う人間として演じ分けるあの力量は凄い。
え、この人、ボヘミアンラプソディのマイアミ・ビーチだったの?ジム・ビーチって名前の弁護士だからフレディにマイアミ・ビーチってあだ名つけられてた、メンバー和解に大きな役割果たしたっていうあの弁護士さん?
わかんなかったよ!
レーニンとかマタハリとか、歴史上の人物の使い方も効いていたね。
マタハリなんて全く違う設定でぶっこんできたけど、歴史好きなら名前聞いただけで盛り上がるもんね。
キッチナーの爆死とか色んな史実を上手くストーリーに取り入れている監督の手腕、素晴らしい。
息子コンラッドを伴ってスーツ作りにいくパパ公爵。
息子はスーツより狩猟服とかの方が欲しい。
見どころその5
コンラッド坊っちゃんの悲劇。
冒頭、キッチナーを訪ねて南アフリカにやってきたオックスフォード公爵一家、不幸なことに奥様がそこで射殺されてしまう。
「富や権力を持つ立場の人間はそれを他者のために使うべきなのよ」と語りかける綺麗な奥様、その言葉は息子、コンラッドの中に深く根をはり、正義感の強い青年に成長する。
なのに奥様の遺言が不幸の元になっちゃった。
主人公、オックスフォード公爵も左足かな、銃弾を受けて杖がないと歩けない体になっちゃう。
ここで死に際の奥さんが公爵に言う言葉が今後起こる不幸の元凶というか、呪いみたいになっちゃうのね。
『この子に戦争を見せないで』
そう言って息絶える美しい妻、そりゃもうパパンは全力で息子守りに入っちゃうんだな。
息子役はハリス・ディキンソン
背の高い金髪イケメン
パパとママに似て優秀すぎるこの子、パパの右腕でアフリカから付いてきたショーラにがっつり武芸を仕込まれお勉強もしっかり仕込まれ、つまりとっても優秀な子に育つわけだ。
ショーラはジャイモン・フンスー。
え、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに出てたって?
ちょちょとっと観返してみよう。
誰役?
成長したコンラッド坊っちゃんとショーラの訓練シーンなんてご褒美映像でしたね、すいません
上半身裸で訓練とか監督、いい仕事してる!
後ろにいる執事ポリー姐さん、訓練しているところへナイフを銃でパーンとふっ飛ばし、これからの戦いは銃よ、剣とか古臭い、これだから男ってのは、と言いながら中へ入るよう促す。
なんじゃこの実力者は!と観客は前半でポリー姐さんを認識するわけだ。
息子、心身ともに立派に育ってるんだけど、なまじね、公爵様が奥様の最後の言葉を忠実に守って息子を危険から遠ざけようとするもんだから、息子が妙な反抗心もっちゃう。
そりゃあ血気盛んな十代、パパにも認められたいし、一人前の男だって示したいし。
体も鍛え勉強も仕込まれ才能溢れる若者だからこそ、守られるのが嫌でたまらない。
だから第一次世界大戦へ兵士として入隊していく。
守られすぎたあげくの反発心から伍長と身分をとりかえて勝手に前線に出ちゃうなんてこともしでかす。
この第一次世界大戦の描写が凄い。
戦争の無惨さ、若者達が無為に死んでいく描写には本当に戦争って何と愚かなと寒々とした気持ちになる。
権力者達が兵士をコマのように思っている描写もあるから庶民はたまりませんわな。
科学技術の発達でこれまでになく人が死に残酷な結果を招いた第一次世界大戦
「国を守るためには徴兵制も必要よね」などと抜かす庶民は自分らが殺されるんだよって自覚した方がいいと思うよ?
そして、何故「このままだと日本は占領されちゃうよね」みたいな危機感を煽る情報が下々にもたらされているのか、その意味を考えたがよいよ。
本当の機密は我々下々には届かないのだから。
さて、血気盛んな愛国心に溢れる若者の例にもれず、コンラッド君もやる気まんまん。
もしね、過度に守ろうとせず、お前もいっちょまえの男に成長したから士官として義務を果たしてこいってスタンスで送り出していたら、コンラッド君のやる気は満足して少尉って立場で頑張ったと思う。
だけどね、国王からの呼び出し、帰還命令とかされると、しかも周りから「この野郎、贔屓されやがって。自分だけ帰れてよかったよな」なんて暗に皮肉られると、コンラッド君の反抗心MAXよ。
伍長と身分を取り替えて前線に行っちゃった。
愚かな…
それを知ったパパは愕然とする。
コンラッドを守るためにスパイ組織を駆使して戦争を終わらせようとするパパ公爵。
自分の利益や支持率が大事で行動を起こさない権力者達。
どれだけ人が死のうが権力者は自分の立場を守る方が大事なんだよね。
大事な情報を持って帰ってきた味方のスパイが自陣に辿り着く前にやられちゃった。
でもその情報はどうしても手に入れなきゃいけない。
真っ暗な夜、その情報を取りに行くメンバーを募るけど、誰も死にたくないから手をあげない。
でーもーね、戦場を知らないやる気に満ちたコンラッド坊ちゃま、自分行きますと前に出ちゃうのね。
五人選出しないといけないのに後は名乗り出るものはいない。
コンラッドの横に並んでいた連中が結局「無理やり」名乗り出る形にさせられる。
きっとねー、メンバーになった兵士たち、コンラッドを恨めしく思ったはず。
コイツ、何よけいなことしてくれてんのって。
でもコンラッド君、初任務で燃えてる燃えてる。
深夜、五人で闇の中、情報とりに行くんだけど、敵も同じことやろうとしていて、それに鉢合わせて戦闘がはじまる。
銃を使うと場所がわかって銃撃されるからナイフや斧での肉弾戦。
このシーンの辛さよ。
前線ではじめて人を殺すとはどういうことか、人に殺されそうになるってどういうことか、肌身で感じたコンラッド、父の自分を諌める言葉をはじめて理解して、自分の浅はかさを悔いる。
はじめて人を殺してしまうシーンは、コンラッドが相手も人間なんだって思わず手を止めてしまって、それでも他の兵士に殺されそうになったから「ごめん」と言いながら相手を殺す。
非常に辛い場面になっている。
敵のこのマスクを外したら普通の青年の顔が出てきて「殺さないで」って泣かれたらそりゃギクリとなるよね。
それでも自分が生き残るためには相手を殺すしかなかった
コンラッドが殺されそうになって、生き残りの味方の上官がやむなく銃を使って助けてくれるんだけど、それのせいで敵からの一斉射撃が始まってコンラッド以外、全員死んでしまう。
窪地に這って逃れたコンラッドは泣く。
自分の愚かさを、父の言葉の真実を、現実を認識してコンラッドは泣く。
その窪地にいたのは、死んだと思っていた味方の、情報を持ってきた男だった。
片足がちぎれている。
寒いからおいで、って言われてコンラッド、男に後悔を打ち明けて泣く。
男はそれでも、コンラッドに情報を持ち帰ってくれと、これで戦争は終わるとフィルムが入った缶をたくすのね。
でもコンラッド、絶対一緒に帰りましょうって男を背負って自陣へ向かう。
いい子だコンラッド。
敵のロケット砲が着弾して二人共ふっ飛ばされるんだけど、背負った男が盾になっててコンラッドは無傷だった。
情報の缶を上官に渡すと感動した上官、君は英雄だ、名前は?とコンラッドに問う。
その時ね、コンラッド君、本名じゃなくて伍長の名をこたえちゃうんだな。
その心理、なんかわかるよね。
守られすぎたばっかりにそれがコンプレックスになってて高い身分、オックスフォード少尉だって言えなかった。ちょっとした見栄なわけなんだけど、そのせいで誤解した「伍長の友達」から撃ち殺されるという悲劇。
周囲がビックリして止めようとしたんだけど、戦場じゃ冷静でいられないんだよね、そのお友達、問答無用で発砲しちゃって、眉間を撃ち抜かれてコンラッド君は即死しちゃう。
この皮肉。
戦死は戦死でも味方から撃ち殺されるという。
あの撃ち殺した奴、出てこなかったけど、あのケースじゃ軍法会議からの銃殺刑だろうなぁ…
もし生き延びたら素晴らしい人材に成長できたはずのコンラッドの死は、コンラッドだけでなく、多くの若者が成長の機会を永遠に奪われて死んでいったんだって戦争の罪深さを問うていると思う。
戦争じゃ主導する年寄りは生き延びて若い命ばかりが散っていくんだよ。
権力者には所詮、コマでしかないんだから。
日本は平和ボケしているって勇ましいこと言う奴は一度、中東の戦場に行かれてはどうでしょうね?
勇ましいこと言うってことがどれほど平和ボケなのか、絶対に戦争をしてはならないという強い意志を我々は持たないと権力者はすぐ戦争したがるってことだ。
や、まさかコンラッドが死ぬとは思わなかったけど。
これがどの国家にも属さない「キングスマン」が生まれた理由なわけよ。
それからはおっさんの熱い戦いがはじまる。
そう、この映画、おっさんの熱いバトル映画なわけね。
見どころその6
テーラーだった頃の「キングスマン」が出て来る。
後にこの店を買い取ってスパイ組織の中継点に使うんだけど、まだただのテーラーだった時の二階とかが出て来る。
そっか、あの会議室って型紙部屋だったんだー、とか、階段かわってねぇ、とか、ファンはワクワクすること間違い無し
ハリーハートの時代はこうなってる
軍服じゃなくて今のスーツな
ラスト、コンラッドの軍服姿の大きな肖像画の前で「二度と息子のように若い者が戦争で死ぬことがない世界を作ろう」とキングスマン結成するシーンの胸熱なこと!
型紙部屋がすっかり会議室の内装になっちゃってて、現代のキングスマンの形になってる。
ラストシーン、どこにも属さない私的スパイ組織、キングスマンを宣言するシーンでそれぞれがコードネームを名乗る。
オックスフォード公爵がアーサー
そんで、ポリー、そう、とっても重要な女性執事で有能なスパイでとんでもなく優秀なスナイパーのポリーがにっこりわらって「ガラハッド」って
ガラハッド!!!
そうか!初代ガラハッドはポリーだったのか!
コンラッドを大事に育て教育し、息子を失った公爵を叱咤し、公爵が作っていたメイドや執事を中心としたスパイ組織をまとめあげ、暗号を解読し、戦いにおいては百発百中の凄腕スナイパーとして公爵やショーラをバックアップしてきたポリーが初代ガラハッド
最初の映画「キングスマン」でのハリーのコードネーム
ハリーが死んだ(結局2で生きてたけど)後、主人公エグジーが後を継いだガラハッド
その初代はポリー!
そして初代マーリンとして出てきたのは頭をスキンヘッドにしたショーラ!!
え、マーリンになるためにはスキンヘッドにしなきゃいけないの?
でもなんかもう、感無量マーリンがショーラ!
こんなにフサフサなのに
こうなる
現代のマーリン
スキンヘッドである。
え?原因は初代マーリン、ショーラがスキンヘッドにしたから?
キングスマンではイギリス国王も組織の1メンバー、トップではない。
っつかお前が余計なことするからコンラッド、死んだんだろうが!
コンラッドの肖像の前でキングスマンの結成を宣言するオックスフォード公爵。
もう涙しかない。
そうか、こうやってキングスマンが出来たのかー。
ファン、もう感涙感動の嵐
そして!
これを見どころといっていいのだろうか。
根っからヲタで腐れなこの母は自分の感性を信じていない。
果たしてこれは普通に観た方はどう感じるんだろうか。
ラスプーチンがオックスフォード公爵様の太ももを舐める!
や、駆け引きのシーンってのはわかってる。
相手の腹を探るため催眠術みたいなのをかけて秘密を探ろうとするシーンだってことは重々わかっている。
でーもーね!
息子使って色仕掛けと思ったらラスプーチン、食いついたのはパパの方だったんかーい、なんて腐れたこと言わな…言った、大声で言った。
太もも、凄い勢いでラスプーチンが公爵様の太ももねぶる!!
きゃぁぁぁ(大喜び)
悶える公爵様、きゃぁぁぁぁ(大喜びの二乗)
帰って友達に連絡した。
「絶対キングスマンファーストエージェント見ろ!おっさんが熱い!ラスプーチンがおっさんの太もも舐めまくるよっ」(私)
「え、マジ?それ観に行かなきゃっ」(友)
えっとね、私ら腐ったモンはあのシーン、きゃっきゃ喜んで大盛り上がりなんだけど、普通はどう感じるんだろう。
喜んでいいシーンなの?
サービスシーンなんだよね?
それとも、腐ってない人達はアレを気持ち悪いって思うんだろうか。
わーかーらーなーいー!
ヒゲに食べかすがつく勢いで毒入りケーキを貪るラスプーチン
その口で太もも舐め始めるラスプーチン
舐められる度に悶え、催眠術で尋問されては悶えるおっさん、もとい公爵様。
ゲバーって毒入りケーキを吐き出してからの外の水への誘導
公爵様、下はパンツいっちょであらせられる。
杖をつかないとダメなくらい痛んでいた足がすっかり治っていてぴょんこぴょんこ喜ぶ公爵様が可愛い
かーらーの、ショーラとコンラッド乱入してラスプーチン無双
更に更に、パンツいっちょの公爵様、剣をとってバトル!
墓の上で踊れ
この流れって腐れにはもう迸るとしか言いようのない展開なんだけど、腐れじゃない人にはラスプーチン気持ち悪いになるんだろうか。
最後、ポリーが眉間撃ち抜いてラスプーチン殺したけど。
ポリー姐さん、一生ついていきます。
太ももシーン、アガるよね?
大興奮だよね?
違うのかな…
一度、腐れじゃない真っ当な映画ファンの意見を聞きたい。
私の周りには腐れしかおらんのじゃ。
とりま、おっさんの熱い映画でありました。
きゃーv
語れと言われたらまだまだ語れる映画だけど、とにかく色んな意味でオイシイからぜひぜひおすすめしたい!
そして、エンディングをちゃんと観なきゃいけない。
エンディング始まったら出ていく人いるけど、映画はエンディングまで観て灯りがともってから出る主義の私だ。
観てたらな…
うぉぉ、あったじゃん!
マーベルみたいに後々のことがあったじゃん!
ひゃーって人が出てきたじゃんっ!!!
そして第二次世界大戦が起こるんだよねぇ…人間は愚かである
さて、Amazonをチェックしたら
え、もう出てるよ!
早くね?
特典映像がみたい
この間上映終わったのにもう出てるの?
家庭持っちゃうとさ、好きなポスター貼ったりするところ、なくなるよね
映画館で買ったパンフ
昔のパンフの方が中身、充実してたよね。
いつからパンフの中身が薄くなったんだろう…
いやいやいや、ちょっと勇気ないわ、これかぶるの。
キングスマン続編の方である。
とにかく特典映像みるならブルーレイ
キングスマンとゴールデンサークルの二本入りかぁ
買うならこれかなぁ
とにかく特典映像〜
同時期にアベンジャーズもやってたから、悪役がどうしてもニック・フューリーに見えちゃって、そのうちキャプテンアメリカが乱入してくんじゃねーの?みたいな?
1は悪役の女性がサイコーだった
ノットイェット!