最初に、このバレエのお祭りを開催してくださった関係者の方々、
来日したダンサーの皆様、本当に感謝いたします。
この事態での開催は、感染者・クラスターが出なかったとしても、何らかの誹謗を受けることでしょう。
鑑賞した自分も非難される場合もあり得ることを承知で、鑑賞に出かけました。
第16回 世界バレエフェスティバル2021 Aプロ
令和3年8月14日(土) 14:00開演
東京文化会館 大ホール
指揮: ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ: 菊池洋子(「ル・パルク」、「瀕死の白鳥」、「ライモンダ」)
チェロ: 伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」)
─ 第1部 ─
「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
オニール八菜、マチアス・エイマン
マチアスがよかった。
どこを切り取っても綺麗な形で、表現と技術がバランスよく、
音の取り方も気持ちよかった。
他の人も十分に正確で丁寧ですが、なんだろうこの違いは?
オニール八菜さんは、トップバッターだからかな? ちょっと硬さが目立ったかも。
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:レオニード・ラヴロフスキー
オリガ・スミルノワ、ウラジーミル・シクリャローフ
スミルノワの長い手足が美しい動きでとても大人なジュリエットでした。大人過ぎたかな。
シクリャーロフが弟に見えてしかたない・・・。美しいんですがね。
「パーシスタント・パースウェイジョン」
振付:ジョン・ノイマイヤー
菅井円加、アレクサンドル・トルーシュ
クラシックな菅井さんを生で見て見たかった。
きっと、これが菅井さんの本領なのでしょうが、ノイマイヤーは苦手なんです。
周りからはため息のような感嘆があったので、素晴らしい踊りだったのでしょう。
「オネーギン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
ドロテ・ジルベール、フリーデマン・フォーゲル
フォーゲルのオネーギンの切抜きはけっこう観ているので、
その成長過程がよくわかる(笑)
今まで見た中では、一番良かった日。
ドロテも、夢うつつのタチヤーナの喜びと嘆きが伝わってきて、素晴らしかった。
ちょっとモニク・ルディエールっぽかった。ふと頭に浮かんだので。
─ 第2部 ─
追悼 カルラ・フラッチ、パトリック・デュポン(映像)
素晴らしい!
デュポンでは思わず拍手。拍手。拍手。
カルラ・フラッチのジゼル、さすがの美しさ。
何度も観たデュポンのコミカルさ美しさ、躍動感や華のある存在感は素晴らしい。
このスクリーン上映、抜粋ではなく第1回から放映してほしい。
通常の映画料金の倍になっても観に行きたい!
「白鳥の湖」より 第1幕のソロ
振付:パトリス・バール
ダニール・シムキン
なぜにこの演目!?
ソロをするなら、コンテでもよかったはず。
いえね、回転も、ただアラベスクするのも美しいですよ。
すべての丁寧なパに感嘆ものです。
ただ、跳躍や回転を見せつけるような若い躍動感あふれるバレエからの円熟味あふれるバレエも加わる年齢ならば、サラファーノフのように自然に移行されていれば納得したかもしれないのに、それが感じられなくて残念。
それとも移行中で頑張っているところなのかなぁ。
「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
アマンディーヌ・アルビッソン、マチュー・ガニオ
マチューが観たかったので観ることを頑張りました。
・・・ちょっと頑張りが足りませんでした。
アルビッソンもマチューも、美しい踊りに「ダイヤモンド」はあっていたのですが、
この演目、本当に苦手なんですよね~。
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
金子扶生、ワディム・ムンタギロフ
金子さんがとても美しかった!
ロイヤルで見た時に気になり、こうして観られることに感謝。
気品がある中にも無邪気な可愛らしさを感じられて、マノン役がはまっていた。
急な招聘だったからか、すこし硬い感じがしたけれど、とても綺麗な踊りでした。
「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス
プレルジョカージュはやっぱり苦手なまま。
ゴメスを楽しみにしていたので、まあそれはよかったのですが、
振付家が苦手なために、心から楽しむことはできなかった。
フェリもゴメスもベテランさんなので、それは見事に踊りこなしておりましたが、
この演目で唯一私がはまれたのは、ヴィシ&マラーホフだけです。
「海賊」
振付:マリウス・プティパ
エカテリーナ・クリサノワ、キム・キミン
一番、会場が湧いていた。バレエフェスにふさわしい盛り上がりだった。
キム・キミンはたぶん初めてだと思うのですが、とてもよかった。
とびぬけた跳躍とか技術とかではないのですが、一つ一つが丁寧で正確だったので、
とても美しく存在感がありました。
ドン・キとかラ・シルフィードとかも観てみたいなぁ。
─ 第3部 ─
「スワン・ソング」
振付:ジョルジオ・マディア
ジル・ロマン
最初の方のベジャールの声に耳をふさぐシーンなど、ジル・ロマンに集中できたのに、
最後の方は映像をおっかけてしまい、踊りに集中できなかった。
これはこれでダンス作品として見ごたえはあるのですが、
ジル・ロマンのダンスを堪能できなかったのが悔やまれる。
「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル
とっっっっっても素敵でした。
ガラのパフォーマンスではなく、「オネーギン」の世界でした。
バデネスのタチヤーナは、ドロテとはまた違った雰囲気で、
演技力・表現力が際立っていました。
そしてフォーゲル、手紙のパ・ド・ドゥでのあの切なさは抜群に素晴らしかった。
背中を観客側に見せて反る姿が、もうドハマりしてました。
今のこの二人での全幕が観たい!
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン
スヴェトラーナ・ザハロワ
やはり女王という感じのザハロワ。
気品のある見事な白鳥でした。
腕の動きも足さばきも、すべてバランスよく素晴らしい踊りなのです。
でも、瀕死ではないかな~。
プリセツカヤと同じか超える感動の瀕死にはまだ出会えないです。
「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ
マリーヤ・アレクサンドロワ、ヴラディスラフ・ ラントラートフ
大好きなマーシャ、動きが硬いというか重い。
なぜにこの演目が最後なのか。ドン・キでよいじゃないか(泣)
マーシャのカッコよさもコミカルさも豪奢な感じも、感じられなかった・・・。
今までのバレエフェスがどんなに物凄いことなのかが改めて感じられた今回のフェス。
いや、今回は今回で、こんな世界状況の中で開催できたことは素晴らしいことなのです。
関係者は計り知れない苦労をなさっての開催なんですよね。ありがたいことです。
贅沢だとはわかっていても、今までの(4回しか行ってないけど)印象が強くて、
その記憶のままに同じことやそれ以上を求めては仕方ないのですが、華やかさや遊び心にはかけていたかも。
ダンサーも調整がさぞかし大変であったろうと思うくらいの、人によってはベストパフォーマンスではなかったのだろう。
3年後にまた次回の世界バレエフェスが行われるなら、遊び心を持つ余裕がある舞台が観られることを祈ります。