機材徒然草「エフェクター考」 | TAMMY'S BASSMENT☆★

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ベーシスト、そして機材屋、タミヤの日記。

※エレキギター、ベース弾き向けの長文です。

エフェクト = 効果

 生業が機材屋(楽器)なもんで、結構「音」について考え込んだりします。

エフェクターというアイテムに関しても、また然り。

基本的に「おもちゃ」好きな事もあり、仕事用でも自前でも様々なエフェクターにトライしてきました。

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今や毎月のように新製品が出現してくるエフェクターを、ひとつひとつチェックなんぞは出来てはおりませんので、偉そうなことは言えませんが、ベース弾きとして個人的に
好きなエフェクターというものにはおおよそ共通点があり、それは…

見た目が良い (完全に主観で)

…ことです。

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「えっ?音の良し悪しは?」

…と言われると、最後の決め手が「音」になるのは間違いありませんが、今の世の中好き嫌いは有れども、全くトンチンカンで当て外れな効果しか出ない物を選ばない限り、余程でなければ音が悪いペダルを探す方が大変だと思います。

こんな嗜好品不況時代に明らかに駄目な物を開発し、販売しているメーカーは余程のもんでしょう。

どちらかといえば、本当に駄目な物があるのなら、是非試してみたいです。

それはさておき自分の場合、足元に置いておきたくなるくらい男前なペダルで「駄目だこりゃ」な物に出会ったことがありません。

音良し、デザイン良し、ばっちりOK!

でも、それでは終わらないところが、音作りの道具たる所以です。

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自分がエフェクターを手に入れるまでの、頭の中は…

ふと、あそこであんな音が出せたらなぁと思いつく : 絵を描いてる時に、持ってない色の絵の具が必要になるのと同じ
     ⇩
欲しいサウンドのカテゴリー内で、カッコいいエフェクターを選ぶ : 色、形、大きさ
     ⇩
真面目にサウンドチェック : 求めていたイメージに近くて、カッコいいサウンドが出ればOK
     ⇩
お金を工面する : 先立つものがどうにもならなければ、別の奏法やフレーズでなんとかする思考にモードを変える(元も子もない)
     ⇩
手に入れる(買う) 

…と、まあ自分の場合はこのような流れで機材を入手しますが、ここから先の行動によって所謂【無駄遣い】になるかどうかが決まります。

1人寂しく自分の部屋で音を作り込んで「おっ!イイね!」となったとしても、合奏は独りよがりでは成立しませんね。

リハやライブの空気感、アンサンブルの中での倍音のぶつかり合い、アレンジ上での合う合わない、周辺機器からの影響などなどの状況によっては…

・使い所が見つからない
・特に必要なくなる
・踏む事さえ、忘れてしまう
・使わなくなる

自分はこの流れで、最終的に手放したエフェクターが唸るほどあります。

イメージしたサウンドを手に入れる為には、耳の良さとセンスの良さは不可欠ですし、適材適所、意図したポイントで踏み込む為の練習も必要です。

今までそこを追求してこなかった自分は…

もったいない事をしてきてしまった

…の一言につきます。

しかしながら、なまじかイイ歳こいているだけあり、今では名器と呼ばれるものを山ほど試してきた事は、機材屋という仕事に非常に役立っておりますので、その実体験が結構生活の糧になっています。

そろそろ長くなりましたので、ここら辺で自分が今でも特にお気に入りのアイテムを…

MXR Dyna Comp (コンプレッサー)

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言わずと知れた、コンパクトコンプレッサーの代名詞であり、まさに歪まないディストーション。

「ブシュッ!」と潰しつつ、どこまでも伸びるかの如きサスティン。

製造された年代によるキャラクターの違いはありますが、この独特の音色には病み付きになります。

郵便ポストの様な赤色もイイですね。

これ以外でも、Fuzz Face、Pro Co RAT、Boss GE-10、Mu Tron Ⅲ、Roger Mayer Mongoose、Marshall The Guvner、などなど、好きなサウンドを出させてくれる道具は沢山ありますが、結局あまり踏む機会もなくもったいない事をしました。

そんな自分でも唯一、長年使い続けているものがあります…

AKIMA & NEOS mod. Color Sound Power Booster 

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もうかれこれ10年以上使い続けているであろう、コイツのサウンドはまさにアンプ。

とても9Voltエンジンとは思えないほどパワフルで、サウンドメイキングのストレスを解消してくれます。

中低域のゲインブーストでアンサンブルの土台を築き、高域倍音の歪みを加えることで、抜けの良いベースラインをクリエイトできるこのブースター。

特に相性のあまり良くないアンプでの演奏時には、強い味方になってくれます。

その昔はジェフ・ベックも愛用していたという「ブリキのおもちゃ」みたいな外観が最高で、そこも自分が長年使い続けている大きな理由のひとつ。

野暮な「顔」したエフェクターは踏む気にもならないので、足で踏むものとは言え「顔つき」は大切なんです。

ジミヘンならばワウとファズ

顔つきが良くて、踏み込んだ時に自分の「シグネチャー」と言えるサウンドが飛び出るデバイス。

そんな、自分にとって唯一無二と思えるエフェクターが見つかったらしめたもの。

それはきっと、かけがえのない「武器」となり得ますね。

そんなこんなで、エンディングはこの方の曲!