こんにちは!
かけるです。
映画『アイアムアヒーロー』に引き続き、
ストーリーの解説をする今回の映画は、
『スーサイド・スクワッド』です。
たった今、見終わったところです。
いやー、ハーレイ・クインが可愛い!
これは人気キャラになるのが、超、頷けます。
一方、ストーリーは構造が複雑で、
分解して考えるのが、めっちゃムズかしいです。
なんといっても、主要キャラが何人もいるから。
物語の主人公として定義するための1番の要素は、
その物語を通して、最も変化する人物(物事)であることです。
一番変化するから、一番印象に残るのです。
残るはずなんですが、
なんといってもハーレイ・クインの魅力がハンパなくて、
誰が主人公だった?ハーレイ・クインかな?
って印象しか残ってないわけです。
今作の敵は、もはや人間の域を超えてぶっ飛んだ存在なので、
対人間では強いハーレイ・クインも、後半は活躍しにくい状況になっていきました。
映画『アイアムアヒーロー』の有村架純を彷彿とさせます。
つまり、後半は可愛いだけの存在になりがち。
けど最後に最大の難関であるオーディールを突破するきっかけを作ったのが、
他でもないハーレイ・クインだったワケです。
人外相手でも活躍しちゃうハーレイ・クイン。
きっと居たのであろう主人公の影は、ますます薄まります。
では、前回同様、もう一度「新・神話の法則」の流れをおさらいします。
1.間違った目標設定
2.見せかけの成功
3.流れが悪くなる
4.アイデンティティクライシス(引き戻し現象、露払い現象)
5.人生の転機
6.志
7.新しい出会い(新たな流れ、コミュニティ化)
8.最大の試練(オーディール)
9.次の次元へ
やっぱり主人公は銃使いの殺し屋、デッドショットかな?と思います。
思うんですが、それじゃあ、つまらないので、
あえてハーレイ・クインを主人公にむりやり設定してストーリーを解釈します。
まず、この映画は主役級の力をもったダークヒーロー?たちが何人もいます。
バッドマンがちらっと出てるくらいですから。
ワンピースであれば、漫画を何巻もかけてそれぞれのキャラに
ストーリーを乗せていけばいいのですが、なんせ映画は2時間しかありません。
最初の30分は状況説明とキャラ説明に使っています。
そこでもハーレイ・クインは圧倒的な存在感を放っています。
まず、1.間違った目標設定として、
スーサイド・スクワッド(チーム名)のメンバーが逃げないよう
縛り付けている兵士たちを殺して逃げたいと思っていました。
彼氏?のジョーカーも「助けに行く」とLINEしてきます。
ハーレイ・クインの目標は、
『監獄から逃げ出し、ジョーカーと自由になること』です。
実際にヘリコプターでジョーカーが助けに来てくれて、
隠れ主人公である射撃の名手、デッドショットもわざと弾を外してくれ、
ハーレイ・クインは逃げ出すことができました。(2.見せかけの成功)
しかし、そのまま、ヘリコプターは撃ち落とされ、
ハーレイ・クインはなんとか脱出したものの、墜落してしまいます。
ジョーカーは死んでしまいました。(3.流れが悪くなる)
さあ、アイデンティティクライシスです。(4.)
「ジョーカーと自由になりたい」というアイデンティティは崩壊するワケです。
本来なら、弱い普通の人間の場合、最愛の人を亡くした直後は、
自我が崩壊し、すべてがどうでもよくなって、ダークサイドに堕ちることもあります。
しかし、ハーレイ・クインは違います。
首輪(ジョーカーへの想いの象徴)を外すことで、
このアイデンティティクライシスを速攻で乗り越えます。
未練はありますが、執着は一瞬で捨てたわけです。
そして、そのまま、スーサイド・スクワッドの元へフツーに戻って来ます。
スーサイド・スクワッドの彼らも、
フツーにハーレイ・クインを仲間として迎え入れます。
ちゃっかり彼女の武器(バッド)を持って来てたくらいに。
ハーレイ・クインが仲間の元へ戻ったところを、5.人生の転機と捉えてもいいですが、
この後にもう一悶着あります。
自分たちのチームが結成された理由が、
指揮官が犯した重大なミスの隠蔽工作のためだったと明らかになります。
それに呆れて、スーサイド・スクワッドのメンバーたちは、
側にあったバーへサボタージュします。
やる気を失ったメンバーたちでしたが、
射撃の名手である隠れ主人公、デッドショットが娘のために再び戦うことを決意します。
デッドショットは、自分のため、ではなく大切な家族のために戦うことを決意しました。
そしてハーレイ・クインも、軽いノリで参加を表明します。
ここを、5.人生の転機とします。
人は人生の中で、何度も、
何度も、人生を大きく変える選択肢に出会います。
しかし、ほぼすべての人は、
その選択肢を選べないどころか、
その大きな選択肢にすら気づかずにスルーしていきます。
なぜ、こんなにもハーレイ・クインが魅力的なのか?
それは、人が葛藤して動けなくなるような状況でも、
フツーにその葛藤を乗り越えてしまうからです。
最愛の人を亡くしたアイデンティティクライシスも
あっさり乗り越えましたが、あんな芸当、普通の人間には出来ません。
仲間の元へ戻る、という選択肢をあっさり選択しました。
そして、また、デッドショットについて行く、
という選択肢をあっさり選んでしまうわけです。
ちなみにこの時、他の仲間は、
ハーレイ・クインがあまりにもあっさり決めてしまうので、絶句しています。
ハーレイ・クインに「腰抜け」と言われてから、立ち上がります。
スーサイド・スクワッドのメンバーですら、
人生の転機となる選択肢を選ぶのに葛藤し、
ハーレイ・クインに背中を押されているのです。
人生を変える選択肢を選ぶためには、
ものすごいエネルギーが必要になります。
このハーレイ・クインの圧倒的なエネルギーを、
今作では狂ってる、とかイカれてる、と表現していますが、
どんどん人生を変えて進化していく人は、
普通の人から見たらやっぱり、狂ってるし、イカれて見えます。
バーを飛び出し、彼らは「戦わされている」のではなく、
「自分たちの意思で戦う」という志のもと、敵地へ向かいます。(6.志)
そして、このシーン。
7.新たな流れであり、志を共にしたコミュニティとなります。
そして、ラスボスとの戦いです。
勝ち目はなさそうなんですが、結構いい戦いをしたので、
「ラスボスの仲間になれば望みを叶える」という流れになります。
そこで、やっぱり、真っ先に挙手するのがハーレイ・クイン。
人生の岐路となる選択肢に敏感です。
ハーレイ・クインが望んだのは、
「死んだジョーカーを生き返らせてほしい」
でした。
実際、これはハーレイ・クインのハッタリなのですが、
ラスボスは「何でも叶えてやる」と答えます。
普通なら、ここで葛藤します。
ちょうど足元にカタナが落ちてるけど、
ラスボスも油断してるし、致命傷負わせられるけど・・・。
つまり、普通ならここで執着に囚われるのです。
しかし、さすがはハーレイ・クイン。
未練はあっても、執着は一切ないので、
ハッタリ作戦はそのまま決行。
スーサイド・スクワッドと人類の運命は、
ハーレイ・クインによって救われます。
この精神性のステージの高さは、
もはや現代の孔子かブッダといえるレベルです。
悟っています、ハーレイ・クイン。
執着を断ち切るためにも、やっぱり膨大なエネルギーが必要です。
そこで悩む表情一つも見せずに、
あっさり執着と共にラスボスを切ってしまう姿は、美しい。
「仲間をイジメんな」と言い放った瞬間に、
チーム「スーサイド・スクワッド」は精神的にステージが上昇します。
ステージ上昇に置いていかれるメンバーもいますが・・・。
そして、ラスボスを倒したあとは、
10年の減刑と共に、望むものを1つだけ認められることになりました。
自由は得られなかったワケです。
最初にハーレイ・クインが打ち立てた目標は、
「監獄から逃げ出し、ジョーカーと自由になること」であり、
その中の1つも叶わないということです。
しかし、ステージが上昇すると、求めるものも変わります。
例えば、普通の人も、いいクルマに乗って、贅沢をして、
と物質的な豊かさを求めて成功を目指しますが、
実際に成功する人は、物資的な有形のものから無形のものを求めるようになっていきます。
それは、ステージが上昇するからです。
ハーレイ・クインは、
嬉しそうに「エスプレッソ・マシン」を要求しました。
監獄に戻ることを、フツーに受け入れています。
しかし、ステージ上昇に置いていかれたブーメラン使いの男は、
それに反発して、結局この戦いが始まる前と何も変わらない生活に戻ることになりました。
そもそも舞台はアメリカですから、
凶悪犯である彼らが10年減刑されたところで、
懲役何十年、何百年と、ほぼ無期懲役なワケです。
この1つだけ望むものが得られる、という状況も、
人生が変わるかどうかの選択を迫られています。
エスプレッソ・マシンのある牢獄になるか、
ケーブルテレビのある地下牢獄になるか、
それとも、何も変わらないままか。
ちなみに、射撃の名手であるデッドショットは、
娘と一度だけ再会でき、それ以降、娘との手紙のやり取りが認められました。
スーサイド・スクワッドのメンバーは、
誰かを除いて、みんなステージを上げ、人生を変えたわけです。
それが、9.次の次元へ、です。
今作は完璧な、新・神話の法則にしっかり則ったストーリーでした。
本当に面白い。
物語本編は、1から9まで1周したところで終わります。
しかし、実際の人生では、
このループを何度も重ね、
ステージを上げて成長していきます。
次の次元(ステージ)へ進んだら、
また目標を設定して「9.次の次元へ」を目指して前に進むのです。
ハーレイ・クインの人生も、続きます。
エスプレッソ・マシンが牢の中に設置され、
読書しながらコーヒーを楽しんでいると、
突然、壁が破壊されます。
実はジョーカーが生きていて、
ハーレイ・クインを助けに来たのです。
この瞬間、また目標が設定されます。
「監獄から逃げ出し、ジョーカーと自由になること」はもちろんですが、
きっと、スーサイド・スクワッドの仲間も助けに行くはずです。
ステージが上がると、目標も変わるからです。
「スーサイド・スクワッドの仲間と共に監獄から逃げ出し、
ジョーカーと自由になること」が次の目標となって、
次のステージを目指してハーレイ・クインが歩み出したところで、
この物語は幕を閉じます。
神話の法則とは、人が成長するときに経る過程を抽象化したストーリーです。
誰もが「あの時、自分は成長した」と感じる思い出と合致するので、
見た人は共感し、感動し、「面白い」と感じるのです。
この神話の法則ですが、
落とし穴が3つあります。
4.アイデンティティクライシス
5.人生の転機
8.最大の試練(オーディール)
です。
これらを乗り越えて、次のステップへ進むためには、
大きなエネルギーを消費します。
葛藤や執着を断ち切るためには、
大きなエネルギーが必要だからです。
つまり、葛藤に負けたり、執着を捨てられないままだと、
次のステップには進めないということです。
この3つの落とし穴で、次のステップへ進めないと、
また始めの目標設定のステップへ戻されます。
戦わず逃げようとして、首につけられた爆弾で死んだり、
1つだけ望みが叶う選択肢でミスって、何も人生が変わらなかったりします。
そこで、ハーレイ・クインのあり方から学べるものがあります。
人生の岐路となる選択肢で、
あっさり正解を選べることです。
とてつもない行動は、普通の人から見たら、
狂ってるとか、イカれてるというレッテルが貼られることもあります。
けど、この映画を見てる人は、
みんなハーレイ・クインに惹かれます。
見た目や行動がイカれていても、
「人生を変える選択肢が選べる」エネルギーは、人を惹きつけます。
人生を変える勇気を、ハーレイ・クインからもらってください。
そんなわけで、この映画『スーサイド・スクワッド』は、
彼女が人生の岐路となる選択肢をあっさり選んでしまうステージの高さから学ぶ、
ハーレイ・クインの経典であると結論づけました。
孔子やブッダもきっと、
あっさり執着や葛藤を乗り越えて
人生の岐路となる選択肢を選べるはずなので。
さて、映画『アイアムアヒーロー』に続いて、
映画のストーリー解説をしてみたわけですが。
めちゃめちゃ神話の法則の勉強になります!
借りてるDVDあと5本、
宣言通り、ちゃんと全部のストーリー解説記事を書きます!
映画を見てエネルギーが高まってるから、
記事を書くエネルギーにそのまま変換できて効率がいいです。
「記事を書く」というのも、1つの選択です。
書かないって選択を選べば、使うエネルギーは少なく済みますが、
人生はなにも変わらないままです。
ハーレイ・クインに背中を押されて書いた記事でした。
映画解説シリーズ、次回に続く!

