共通項を残す | 詩人:Writer 上杉浩司

 

 

せめて表現することだけは許して欲しい

生きている限り様々な人を前にして

自分が揺るぐことだってあるから

せめて言葉にすることくらいは許して欲しい

 

春の長い暖かさの中でも

あなたは笑うことは無かった

夏の灼熱の日の中でも

あなたは自分の汗に賛美をしていましたね

 

秋のあの紅葉を真っ赤に染めた季節を

あなたはまるで悪い季節が来たごとくに

嘆いていましたね それは本当でした

 

私が思うには

あなたは冬が来た時に

やっと自分自身と向き合うことが出来たのですね

今まで馴らしていた自分の感情に

やっとけりをつけることが出来たのですね

それは 多分一つの言葉に集約されるのだと思います

ここにきてやっとあなたは自分を吐露出来たのです

 

冬は寒いです

 

たったこの一言で

私はあなたの心を見た気がしました